数学2 接線・不等式 問題 26 解説

方針・初手
与えられた不等式の左辺を $f(x)$ とおき、すべての実数 $x$ に対して $f(x) \geqq 0$ が成り立つための条件、すなわち「$f(x)$ の最小値が $0$ 以上」となるような $a$ の範囲を求めます。 $f(x)$ を微分して増減を調べる際、$f'(x) = 0$ の解に文字定数 $a$ が含まれるため、$a$ の値による場合分けが必要です。
解法1
$$f(x) = 3x^4 - 4ax^3 - 6x^2 + 12ax + 7$$
とおく。関数 $f(x)$ を $x$ について微分すると
$$\begin{aligned} f'(x) &= 12x^3 - 12ax^2 - 12x + 12a \\ &= 12 \left\{ x^2(x - a) - (x - a) \right\} \\ &= 12(x^2 - 1)(x - a) \\ &= 12(x + 1)(x - 1)(x - a) \end{aligned}$$
となる。$f'(x) = 0$ となる $x$ の値は $x = -1, 1, a$ である。 すべての実数 $x$ に対して $f(x) \geqq 0$ が成り立つためには、$f(x)$ の最小値が $0$ 以上であればよい。 $a$ の値によって $f'(x)$ の符号変化が変わるため、以下の3つの場合に分ける。
(i) $a \leqq -1$ のとき
$a \leqq -1 \leqq 1$ であるから、関数 $f(x)$ は $x = a$ と $x = 1$ で極小値をとる。 $x \to \pm\infty$ のとき $f(x) \to \infty$ であるから、最小値は $f(a)$ または $f(1)$ である。 したがって、$f(x)$ の最小値が $0$ 以上になるためには、少なくとも $f(1) \geqq 0$ が成り立たなければならない。
$$f(1) = 3 - 4a - 6 + 12a + 7 = 8a + 4$$
$8a + 4 \geqq 0$ より $a \geqq -\frac{1}{2}$ を得るが、これは $a \leqq -1$ を満たさない。 よって、この場合に条件を満たす $a$ は存在しない。
(ii) $-1 < a < 1$ のとき
$-1 < a < 1$ であるから、関数 $f(x)$ は $x = -1$ と $x = 1$ で極小値をとる。 同様に最小値は $f(-1)$ または $f(1)$ である。 したがって、$f(x)$ の最小値が $0$ 以上になるための条件は、$f(-1) \geqq 0$ かつ $f(1) \geqq 0$ である。
$$f(-1) = 3 + 4a - 6 - 12a + 7 = -8a + 4$$
$f(-1) \geqq 0$ より $-8a + 4 \geqq 0$ すなわち $a \leqq \frac{1}{2}$ である。 また $f(1) \geqq 0$ より $8a + 4 \geqq 0$ すなわち $a \geqq -\frac{1}{2}$ である。 これらを合わせて $-\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2}$ となり、これは $-1 < a < 1$ を満たす。
(iii) $1 \leqq a$ のとき
$-1 \leqq 1 \leqq a$ であるから、関数 $f(x)$ は $x = -1$ と $x = a$ で極小値をとる。 したがって、$f(x)$ の最小値が $0$ 以上になるためには、少なくとも $f(-1) \geqq 0$ が成り立たなければならない。 $f(-1) = -8a + 4 \geqq 0$ より $a \leqq \frac{1}{2}$ を得るが、これは $1 \leqq a$ を満たさない。 よって、この場合に条件を満たす $a$ は存在しない。
以上 (i)〜(iii) より、求める $a$ の範囲は
$$-\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2}$$
である。
解法2
$$f(x) = 3x^4 - 4ax^3 - 6x^2 + 12ax + 7$$
とおく。すべての実数 $x$ に対して $f(x) \geqq 0$ が成り立つならば、任意の特定の $x$ についても $f(x) \geqq 0$ が成り立つ。 ここで $f'(x) = 12(x + 1)(x - 1)(x - a)$ であることに着目し、$f'(x)=0$ となり得る $x = \pm 1$ を代入して必要条件を絞り込む。
$f(1) \geqq 0$ より
$$3 - 4a - 6 + 12a + 7 \geqq 0$$
$$8a + 4 \geqq 0 \iff a \geqq -\frac{1}{2}$$
$f(-1) \geqq 0$ より
$$3 + 4a - 6 - 12a + 7 \geqq 0$$
$$-8a + 4 \geqq 0 \iff a \leqq \frac{1}{2}$$
したがって、求める範囲の必要条件は $-\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2}$ である。
逆にこのとき、$-1 < a < 1$ が成り立つため、$f'(x) = 0$ の解の大小関係は $x = -1, a, 1$ となる。 $f'(x)$ の符号は、$x < -1$ で負、$-1 < x < a$ で正、$a < x < 1$ で負、$x > 1$ で正となるため、$f(x)$ は $x = -1$ と $x = 1$ で極小値をとる。 $x \to \pm\infty$ において $f(x) \to \infty$ であるから、$f(x)$ の最小値は $f(-1)$ または $f(1)$ のいずれかである。 必要条件からすでに $f(-1) \geqq 0$ かつ $f(1) \geqq 0$ が満たされているため、$f(x)$ の最小値は $0$ 以上となる。 ゆえに、すべての実数 $x$ に対して $f(x) \geqq 0$ が成り立つ。
以上より、十分性も示されたため、求める $a$ の範囲は
$$-\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2}$$
である。
解説
「すべての実数 $x$ に対して不等式が成り立つ(絶対不等式)」という問題は、関数の最小値を求めて「(最小値) $\geqq 0$」と立式するのが定石です。 本問では、導関数 $f'(x)$ を因数分解すると $12(x+1)(x-1)(x-a)$ となり、$f'(x) = 0$ の解に文字定数 $a$ が混じります。そのため、$a$ と $\pm 1$ の大小関係によって増減表の形(極小値をとる $x$ の値)が変わることに注意して場合分けを行います。
解法1は、増減表の形が変わるパターンを網羅するオーソドックスな解法です。極小値が複数ある場合は、「すべての極小値が $0$ 以上であること」を条件にすれば、どちらが本当の最小値であるかを比較する必要はありません。
解法2は、必要条件から攻める解法です。常に不等式が成り立つなら都合の良い $x$ を代入しても成り立つはずだ、という発想で $a$ の範囲を絞り込み、後から十分性(その範囲のときに実際に条件を満たすこと)を確認します。これにより、面倒な場合分けを大きく減らすことができます。
答え
$$-\frac{1}{2} \leqq a \leqq \frac{1}{2}$$
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