トップ 基礎問題 数学2 微分法 接線・不等式 問題 29

数学2 接線・不等式 問題 29 解説

数学2 接線・不等式 問題 29 解説

方針・初手

(1) は平方完成をして頂点の座標を求める基本的な問題である。

(2) は同じ変数 $x$ についての不等式であるため、差の関数 $F(x) = g(x) - f(x)$ を考え、$x \geqq 0$ における $F(x)$ の最小値が $0$ 以上になるという条件に帰着させる。

(3) は $b_1, b_2$ が互いに独立に動く変数であるため、(2)のように差の関数を考えることはできない。この場合は、「($x \geqq 0$ における $f(x)$ の最大値)$\leqq$($x \geqq 0$ における $g(x)$ の最小値)」と言い換えて考える。

解法1

(1)

$g(x)$ を平方完成する。

$$\begin{aligned} g(x) &= x^2 - 2x + a \\ &= (x-1)^2 - 1 + a \end{aligned}$$

$x$ はすべての実数値をとるため、$g(x)$ は $x = 1$ のとき最小値をとる。

最小値は $a - 1$ である。

(2)

$F(x) = g(x) - f(x)$ とおく。与えられた条件は、「$x \geqq 0$ を満たすすべての実数 $x$ に対して $F(x) \geqq 0$ が成り立つ」ことと同値である。これは、すなわち「$x \geqq 0$ における $F(x)$ の最小値が $0$ 以上である」ことである。

$$\begin{aligned} F(x) &= (x^2 - 2x + a) - (-x^3 - x^2 + 2x) \\ &= x^3 + 2x^2 - 4x + a \end{aligned}$$

$F(x)$ を $x$ で微分する。

$$\begin{aligned} F'(x) &= 3x^2 + 4x - 4 \\ &= (3x - 2)(x + 2) \end{aligned}$$

$x \geqq 0$ において $F'(x) = 0$ となるのは、$x = \frac{2}{3}$ のときである。$x \geqq 0$ における $F(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $0$ $\cdots$ $\frac{2}{3}$ $\cdots$
$F'(x)$ $-$ $0$ $+$
$F(x)$ $a$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$

増減表より、$x \geqq 0$ において $F(x)$ は $x = \frac{2}{3}$ のとき最小値をとる。その最小値は、

$$\begin{aligned} F\left(\frac{2}{3}\right) &= \left(\frac{2}{3}\right)^3 + 2\left(\frac{2}{3}\right)^2 - 4\left(\frac{2}{3}\right) + a \\ &= \frac{8}{27} + \frac{8}{9} - \frac{8}{3} + a \\ &= a - \frac{40}{27} \end{aligned}$$

条件より $F\left(\frac{2}{3}\right) \geqq 0$ であればよいので、

$$a - \frac{40}{27} \geqq 0$$

$$a \geqq \frac{40}{27}$$

(3)

$b_1 \geqq 0$, $b_2 \geqq 0$ を満たすすべての実数 $b_1$, $b_2$ に対して $f(b_1) \leqq g(b_2)$ が成り立つ条件は、以下のように言い換えられる。

$$(x \geqq 0 \text{ における } f(x) \text{ の最大値}) \leqq (x \geqq 0 \text{ における } g(x) \text{ の最小値})$$

まず、右辺の最小値について考える。(1)の平方完成より $g(x) = (x-1)^2 + a - 1$ であるため、$x \geqq 0$ における $g(x)$ の最小値は $x = 1$ のとき $a - 1$ である。

次に、左辺の最大値について考える。

$$f(x) = -x^3 - x^2 + 2x$$

$$f'(x) = -3x^2 - 2x + 2$$

$f'(x) = 0$ とすると、$3x^2 + 2x - 2 = 0$ であり、解の公式から

$$x = \frac{-1 \pm \sqrt{1^2 - 3 \cdot (-2)}}{3} = \frac{-1 \pm \sqrt{7}}{3}$$

$\alpha = \frac{-1 + \sqrt{7}}{3}$ とおく。$\sqrt{4} < \sqrt{7} < \sqrt{9}$ より $2 < \sqrt{7} < 3$ であるから、$\alpha > 0$ である。$x \geqq 0$ における $f(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $0$ $\cdots$ $\alpha$ $\cdots$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$
$f(x)$ $0$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$

増減表より、$x \geqq 0$ において $f(x)$ は $x = \alpha$ のとき最大値 $f(\alpha)$ をとる。ここで、$3\alpha^2 + 2\alpha - 2 = 0$ であることを利用して次数下げを行う。多項式の割り算により、

$$-x^3 - x^2 + 2x = (3x^2 + 2x - 2)\left(-\frac{1}{3}x - \frac{1}{9}\right) + \frac{14}{9}x - \frac{2}{9}$$

が成り立つため、$x = \alpha$ を代入すると $3\alpha^2 + 2\alpha - 2 = 0$ より第1項が消える。

$$\begin{aligned} f(\alpha) &= \frac{14}{9}\alpha - \frac{2}{9} \\ &= \frac{14}{9} \cdot \frac{-1 + \sqrt{7}}{3} - \frac{2}{9} \\ &= \frac{-14 + 14\sqrt{7}}{27} - \frac{6}{27} \\ &= \frac{-20 + 14\sqrt{7}}{27} \end{aligned}$$

したがって、求める条件は

$$\frac{-20 + 14\sqrt{7}}{27} \leqq a - 1$$

$$a \geqq \frac{7 + 14\sqrt{7}}{27}$$

解説

(2) と (3) は一見似ているが、不等式が意味する内容が大きく異なる典型的な問題である。

(2) の「すべての $x$ に対して $f(x) \leqq g(x)$」という条件は、$x$ という共通の変数が同時に動くため、グラフを重ねたときに常に $y=g(x)$ が $y=f(x)$ の上(または接する)にあることを意味する。したがって、差 $g(x) - f(x)$ の最小値を考えるアプローチが有効である。

一方、(3) の「すべての $b_1, b_2$ に対して $f(b_1) \leqq g(b_2)$」という条件は、$b_1$ と $b_2$ が互いに全く関係なく動くことを意味する。この場合、$f(b_1)$ がとりうる一番大きな値(最大値)と、$g(b_2)$ がとりうる一番小さな値(最小値)を比較し、最大値すらも最小値を超えないこと(最大値 $\leqq$ 最小値)が条件となる。

また、(3) の最大値計算において、$3\alpha^2 + 2\alpha - 2 = 0$ を満たす $\alpha$ を $-x^3 - x^2 + 2x$ に代入する際、そのまま代入すると計算が煩雑になるため、割り算を用いた次数下げ(剰余の定理の応用)のテクニックを用いると計算ミスを防ぎやすい。

答え

(1) $a - 1$

(2) $a \geqq \frac{40}{27}$

(3) $a \geqq \frac{7 + 14\sqrt{7}}{27}$

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