数学2 カルダノの公式 問題 1 解説

方針・初手
与えられた式において、累乗根の中身を $A = \sqrt{\frac{28}{27}} + 1$、$B = \sqrt{\frac{28}{27}} - 1$ とおき、$\alpha = \sqrt[3]{A} - \sqrt[3]{B}$ の両辺を3乗して計算を進める。$A - B$ と $AB$ の値が簡単な有理数になることを利用し、$\alpha$ 自身を含む方程式を導き出す。
解法1
(1)
$A = \sqrt{\frac{28}{27}} + 1$、$B = \sqrt{\frac{28}{27}} - 1$ とおくと、$\alpha = \sqrt[3]{A} - \sqrt[3]{B}$ と表せる。 この両辺を3乗すると、
$$\alpha^3 = (\sqrt[3]{A} - \sqrt[3]{B})^3 = A - B - 3\sqrt[3]{A}\sqrt[3]{B}(\sqrt[3]{A} - \sqrt[3]{B})$$
となる。ここで、$A - B$ と $AB$ をそれぞれ計算する。
$$A - B = \left(\sqrt{\frac{28}{27}} + 1\right) - \left(\sqrt{\frac{28}{27}} - 1\right) = 2$$
$$AB = \left(\sqrt{\frac{28}{27}} + 1\right)\left(\sqrt{\frac{28}{27}} - 1\right) = \frac{28}{27} - 1 = \frac{1}{27}$$
$AB = \frac{1}{27}$ であるから、
$$\sqrt[3]{A}\sqrt[3]{B} = \sqrt[3]{AB} = \sqrt[3]{\frac{1}{27}} = \frac{1}{3}$$
となる。これらを先ほどの $\alpha^3$ の式に代入し、$\sqrt[3]{A} - \sqrt[3]{B} = \alpha$ であることを用いると、
$$\alpha^3 = 2 - 3 \cdot \frac{1}{3} \cdot \alpha$$
$$\alpha^3 = 2 - \alpha$$
$$\alpha^3 + \alpha - 2 = 0$$
係数はすべて整数($1, 1, -2$)であるため、$\alpha$ を解にもつ、整数を係数とする3次方程式が存在することが示された。
(2)
(1)で求めた結果より、$\alpha$ は3次方程式 $x^3 + x - 2 = 0$ の解である。 この方程式の左辺を因数分解すると、
$$(x - 1)(x^2 + x + 2) = 0$$
となる。 $\alpha$ は実数どうしの差であるため、実数である。したがって、この方程式の実数解を調べる。 $x^2 + x + 2 = \left(x + \frac{1}{2}\right)^2 + \frac{7}{4} > 0$ であるため、$x^2 + x + 2 = 0$ を満たす実数 $x$ は存在しない。 よって、実数解は $x = 1$ のみである。 ゆえに $\alpha = 1$ となり、$\alpha$ は整数であることが示された。また、その整数は $1$ である。
解説
カルダノの公式(3次方程式の解の公式)の導出過程を逆からたどるような、よく知られた形式の典型問題である。$\sqrt[3]{A} \pm \sqrt[3]{B}$ の形をした無理数は、そのまま3乗して展開することで $A \pm B$ と $AB$ の項が現れ、式が大幅に簡略化されることが多い。本問では $AB$ がちょうど有理数の立方($\frac{1}{27}$)になるようにうまく調整されているため、計算を少し進めるだけで容易に整数係数の方程式を導くことができる。
答え
(1) 題意の3次方程式の1つは $x^3 + x - 2 = 0$ であり、題意は示された。
(2) $1$
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