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名古屋大学 2024年 文系 第1問 解説

数学2/複素数と方程式数学2/式と証明テーマ/整式の証明
名古屋大学 2024年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) は因数定理を用いて3次方程式を因数分解する。(2) は対称式の基本変形を用いる。(3) は前問までの結果を誘導として活用し、和と積から2次方程式を作成して解く。

解法1

(1) 与えられた方程式は

$$x^3 - 3x^2 - 50 = 0$$

左辺を $P(x)$ とおくと、$P(5) = 125 - 75 - 50 = 0$ となるため、$P(x)$ は $x - 5$ を因数にもつ。 左辺を因数分解すると

$$(x - 5)(x^2 + 2x + 10) = 0$$

ここで、$x^2 + 2x + 10 = (x + 1)^2 + 9 > 0$ であるため、$x^2 + 2x + 10 = 0$ を満たす実数解は存在しない。 よって、求める実数解は

$$x = 5$$

(2) $p + q = pq$ であり、$X = pq$ とおくと $p + q = X$ である。 対称式の変形公式より

$$p^3 + q^3 = (p + q)^3 - 3pq(p + q)$$

これに $p + q = X$ および $pq = X$ を代入すると

$$p^3 + q^3 = X^3 - 3 \cdot X \cdot X = X^3 - 3X^2$$

(3) 与えられた条件のうち $\frac{1}{p} + \frac{1}{q} = 1$ の左辺を通分すると

$$\frac{p + q}{pq} = 1$$

よって、$p + q = pq$ が成り立つ。 $X = pq$ とおくと、(2) より

$$p^3 + q^3 = X^3 - 3X^2$$

さらに条件 $p^3 + q^3 = 50$ より

$$X^3 - 3X^2 = 50$$

$$X^3 - 3X^2 - 50 = 0$$

これは (1) の方程式と同じである。$X$ は実数 $p, q$ の積であるから実数であり、(1) の結果より

$$X = 5$$

したがって、$p + q = 5$ かつ $pq = 5$ が成り立つ。 $p, q$ は、次の $t$ についての2次方程式の2つの解である。

$$t^2 - 5t + 5 = 0$$

解の公式を用いてこれを解くと

$$t = \frac{5 \pm \sqrt{(-5)^2 - 4 \cdot 1 \cdot 5}}{2} = \frac{5 \pm \sqrt{5}}{2}$$

条件 $p < q$ を満たすように $p, q$ の値を定めると

$$(p, q) = \left( \frac{5 - \sqrt{5}}{2}, \frac{5 + \sqrt{5}}{2} \right)$$

解説

(1) から (3) までがきれいな誘導になっている典型的な問題である。

(1) の因数定理では、定数項 $-50$ の約数の中から解の候補を探す。$x=5$ は比較的見つけやすい。残りの2次方程式が実数解を持たないことの確認を忘れないようにする。

(2) は対称式の基本公式 $p^3 + q^3 = (p+q)^3 - 3pq(p+q)$ を用いるだけの単純な計算である。

(3) は条件式 $\frac{1}{p} + \frac{1}{q} = 1$ が $p+q = pq$ を意味することに気づけば、(2) の結果から (1) の方程式に帰着できる。和と積から2次方程式を作成して解く手順も基本的であり、大小関係の条件に従って解を確定させる。

答え

(1) $x = 5$

(2) $X^3 - 3X^2$

(3) $(p, q) = \left( \frac{5 - \sqrt{5}}{2}, \frac{5 + \sqrt{5}}{2} \right)$

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