トップ 基礎問題 数学2 複素数と方程式 高次方程式 問題 49

数学2 高次方程式 問題 49 解説

数学2 高次方程式 問題 49 解説

方針・初手

解法1

(1)

3次方程式 $x^3+ax^2+bx+c=0$ の有理数の解を $\alpha$ とする。

(i) $\alpha > 0$ のとき 問題文の条件より、1以外の公約数をもたない2つの自然数 $m, n$(互いに素な自然数)を用いて $\alpha = \frac{n}{m}$ と表せる。これを方程式に代入して、

$$\left(\frac{n}{m}\right)^3 + a\left(\frac{n}{m}\right)^2 + b\left(\frac{n}{m}\right) + c = 0$$

両辺に $m^3$ を掛けると、

$$n^3 + an^2m + bnm^2 + cm^3 = 0$$

$$n^3 = -m(an^2 + bnm + cm^2)$$

$a, b, c, m, n$ は整数であるから、$an^2 + bnm + cm^2$ は整数である。 ゆえに、$m$ は $n^3$ の約数である。 ここで、$m$ と $n$ は1以外の公約数をもたないため、互いに素である。したがって、$m$ と $n^3$ も互いに素である。 $m$ と $n^3$ が互いに素であり、かつ $m$ が $n^3$ の約数であることから、$m=1$ でなければならない。 よって、$\alpha = \frac{n}{1} = n$ となり、$\alpha$ は整数である。

(ii) $\alpha < 0$ のとき $-\alpha > 0$ であり、$-\alpha$ は正の有理数である。 (i) と同様に、互いに素な自然数 $m, n$ を用いて $-\alpha = \frac{n}{m}$、すなわち $\alpha = -\frac{n}{m}$ と表せる。これを方程式に代入して、

$$\left(-\frac{n}{m}\right)^3 + a\left(-\frac{n}{m}\right)^2 + b\left(-\frac{n}{m}\right) + c = 0$$

両辺に $m^3$ を掛けると、

$$-n^3 + an^2m - bnm^2 + cm^3 = 0$$

$$n^3 = m(an^2 - bnm + cm^2)$$

(i) と同様の理由で、$m$ は $n^3$ の約数であり、かつ $m$ と $n^3$ は互いに素であるから、$m=1$ となる。 よって、$\alpha = -n$ となり、$\alpha$ は整数である。

(iii) $\alpha = 0$ のとき $0$ は整数であるから、条件を満たす。

(i), (ii), (iii) より、有理数の解をもつならば、その解は整数であることが示された。

(2)

方程式 $x^3+2x^2+2=0$ が有理数の解をもつと仮定する。 与えられた方程式の係数 $1, 2, 0, 2$ はすべて整数であるから、(1)の結論より、この有理数解は整数である。その解を整数 $k$ とおく。

$k$ は方程式を満たすから、

$$k^3+2k^2+2=0$$

$$k^2(k+2) = -2$$

$k$ は整数であるから、$k^2$ および $k+2$ も整数である。 また、$k^2 \geqq 0$ であるから、$k^2$ は $-2$ の正の約数である。 よって、$k^2 = 1$ または $k^2 = 2$ である。 $k$ は整数であるから、$k^2=1$ となり、$k = 1$ または $k = -1$ である。

$k=1$ のとき、左辺は $1^3+2\cdot1^2+2 = 5 \neq 0$ となり不適。

$k=-1$ のとき、左辺は $(-1)^3+2\cdot(-1)^2+2 = 3 \neq 0$ となり不適。

したがって、等式を満たす整数 $k$ は存在しない。 これは、方程式が有理数の解(すなわち整数の解)をもつという仮定に矛盾する。 ゆえに、方程式 $x^3+2x^2+2=0$ は有理数の解をもたない。

解説

最高次係数が $1$ であり、すべての係数が整数である多項式方程式が有理数解を持つならば、それは整数になるという「有理根定理」の特別な場合の証明とその応用である。 (1)の証明において、有理数解を既約分数でおき、分母が分子の累乗を割り切ることから、分母が $1$ であることを導く論法は整数問題の典型的な手法である。問題文の「正の有理数は…」という誘導は、そのまま $\alpha = \frac{n}{m}$ とおいて $n^3 = \dots$ と立式する手引きとなっている。符号による議論の抜け漏れがないように、負の解の場合も言及する必要がある。 (2)では、(1)の結果から「有理数解が存在するならそれは整数解である」と候補を絞り込み、方程式を $k^2(k+2)=-2$ のように積の形に変形して整数の約数条件に持ち込むと容易に処理できる。

答え

(1) 解答の通り(証明終了)。

(2) 題意は示された(証明終了)。

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