トップ 基礎問題 数学2 複素数と方程式 高次方程式 問題 51

数学2 高次方程式 問題 51 解説

数学2 高次方程式 問題 51 解説

方針・初手

実数係数の方程式が虚数解をもつとき、それと共役な複素数も解となる性質を利用する。与えられた方程式の解から、解をもつ2次方程式を構成して割り算を行うか、解と係数の関係を用いるとよい。また、高次式の値は、方程式を利用して次数を下げる手法や対称式の性質を用いると計算量が削減できる。

解法1

(1)

実数係数の3次方程式が解 $x = -1+\sqrt{2}i$ をもつので、これと共役な複素数 $x = -1-\sqrt{2}i$ も解にもつ。 これら2つを解にもつ2次方程式は、$x+1 = \sqrt{2}i$ の両辺を2乗して、

$$(x+1)^2 = -2$$

$$x^2+2x+3 = 0$$

となる。したがって、3次式 $x^3+ax^2+bx+c$ は2次式 $x^2+2x+3$ で割り切れる。実際に割り算を行うと、

$$x^3+ax^2+bx+c = (x^2+2x+3)(x + a-2) + (b-2a+1)x + (c-3a+6)$$

余りは $0$ であるから、これが $x$ についての恒等式となるため、

$$b-2a+1 = 0 \quad \text{かつ} \quad c-3a+6 = 0$$

よって、

$$b = 2a-1, \quad c = 3a-6$$

(2)

(1)の割り算の結果より、方程式①は次のように因数分解される。

$$(x^2+2x+3)(x + a-2) = 0$$

$x^2+2x+3=0$ の解は虚数であるから、求める実数解は、

$$x = -a+2$$

(3)

(2)で求めた実数解 $x = -a+2$ が方程式 $x^2+bx-b-1=0$ を満たす。(1)より $b = 2a-1$ を代入すると、

$$x^2 + (2a-1)x - 2a = 0$$

左辺を因数分解して、

$$(x+2a)(x-1) = 0$$

これに $x = -a+2$ を代入すると、

$$(-a+2+2a)(-a+2-1) = 0$$

$$(a+2)(-a+1) = 0$$

$a = -2, 1$ となる。$a>0$ であるから、

$$a = 1$$

(4)

(3)の結果 $a=1$ より、(1)から $b=1, c=-3$ を得る。 方程式①の3つの解 $\alpha, \beta, \gamma$ は、$1, -1+\sqrt{2}i, -1-\sqrt{2}i$ である。 $\alpha = 1, \beta = -1+\sqrt{2}i, \gamma = -1-\sqrt{2}i$ としても一般性を失わない。

$\alpha^4 = 1^4 = 1$ である。 $\beta$ と $\gamma$ は $x^2+2x+3=0$ の解であるから、$\beta^2+2\beta+3=0$ より、

$$\beta^2 = -2\beta-3$$

両辺を2乗して次数を下げる。

$$\beta^4 = (-2\beta-3)^2 = 4\beta^2+12\beta+9$$

さらに $\beta^2 = -2\beta-3$ を代入して、

$$\beta^4 = 4(-2\beta-3)+12\beta+9 = -8\beta-12+12\beta+9 = 4\beta-3$$

同様にして、

$$\gamma^4 = 4\gamma-3$$

したがって、求める値は、

$$\alpha^4+\beta^4+\gamma^4 = 1 + (4\beta-3) + (4\gamma-3) = 4(\beta+\gamma) - 5$$

ここで、解と係数の関係より $\beta+\gamma = -2$ であるから、

$$\alpha^4+\beta^4+\gamma^4 = 4(-2) - 5 = -13$$

解法2

(1)・(2)

方程式①の実数解を $r$ とおく。 解と係数の関係より、

$$(-1+\sqrt{2}i) + (-1-\sqrt{2}i) + r = -a$$

$$(-1+\sqrt{2}i)(-1-\sqrt{2}i) + r(-1+\sqrt{2}i) + r(-1-\sqrt{2}i) = b$$

$$(-1+\sqrt{2}i)(-1-\sqrt{2}i)r = -c$$

第1式より、

$$-2 + r = -a$$

$$r = -a+2$$

これが実数解であり、(2)の答えとなる。 第2式より、

$$3 - 2r = b$$

これに $r = -a+2$ を代入して、

$$b = 3 - 2(-a+2) = 2a-1$$

第3式より、

$$3r = -c$$

これに $r = -a+2$ を代入して、

$$c = -3(-a+2) = 3a-6$$

(4)

$a=1, b=1, c=-3$ より、方程式①は $x^3+x^2+x-3=0$ である。 解と係数の関係より、

$$\alpha+\beta+\gamma = -1$$

$$\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha = 1$$

$\alpha, \beta, \gamma$ は $x^3+x^2+x-3=0$ を満たすので、各解を代入して足し合わせると、

$$(\alpha^n+\beta^n+\gamma^n) + (\alpha^{n-1}+\beta^{n-1}+\gamma^{n-1}) + (\alpha^{n-2}+\beta^{n-2}+\gamma^{n-2}) - 3(\alpha^{n-3}+\beta^{n-3}+\gamma^{n-3}) = 0$$

が成り立つ。$P_n = \alpha^n+\beta^n+\gamma^n$ とおくと、

$$P_n + P_{n-1} + P_{n-2} - 3P_{n-3} = 0$$

$$P_n = -P_{n-1} - P_{n-2} + 3P_{n-3}$$

となる。ここで、

$$P_0 = \alpha^0+\beta^0+\gamma^0 = 1+1+1 = 3$$

$$P_1 = \alpha+\beta+\gamma = -1$$

$$P_2 = (\alpha+\beta+\gamma)^2 - 2(\alpha\beta+\beta\gamma+\gamma\alpha) = (-1)^2 - 2 \cdot 1 = -1$$

順次代入して計算すると、

$$P_3 = -P_2 - P_1 + 3P_0 = -(-1) - (-1) + 3 \cdot 3 = 11$$

$$P_4 = -P_3 - P_2 + 3P_1 = -11 - (-1) + 3 \cdot (-1) = -13$$

よって、$\alpha^4+\beta^4+\gamma^4 = -13$ である。

解説

実数係数の多項式において虚数解の共役複素数も解となる定理は、入試数学における頻出事項である。そこから2次方程式を作成し、整式の割り算を実行する解法1の流れは、計算ミスを防ぐ上でも有効な基本方針となる。

(4)のような高次式の値の計算では、方程式そのものを利用した次数下げ(解法1)が一般的である。一方で、解法2で示した対称式と漸化式を用いた解法(ニュートンの等式)は、さらに高次の値や複雑な方程式において威力を発揮するため、習得しておくと見通しが良くなる。

答え

(1) $b = 2a-1, \quad c = 3a-6$

(2) $x = -a+2$

(3) $a = 1$

(4) $-13$

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