数学2 高次方程式 問題 52 解説

方針・初手
3次方程式の解と係数の関係、および定積分の計算を基本とする。
(1) 実数係数方程式が虚数解をもつとき、その共役複素数も解となる性質を用いる。
(2) 与えられた定積分の条件から $a, b$ についての連立方程式を導き、それを解く。
(3) 解と係数の関係から導かれる $\alpha\beta\gamma = -23$ について、$23$が素数であることと「異なる整数」という条件を用いて解の候補を絞り込む。
解法1
(1)
$f(x) = x^3 + ax^2 + bx + 23 = 0$ は実数係数の方程式であるから、複素数解 $\frac{\sqrt{2}}{2}(1+i)$ をもつとき、その共役複素数 $\frac{\sqrt{2}}{2}(1-i)$ も解となる。
もう1つの解は実数解であるから、これを $\gamma$ とおく。
3次方程式の解と係数の関係から、
$$\frac{\sqrt{2}}{2}(1+i) \cdot \frac{\sqrt{2}}{2}(1-i) \cdot \gamma = -23$$
が成り立つ。左辺の複素数の積を計算すると、
$$\left\{ \frac{\sqrt{2}}{2}(1+i) \right\} \left\{ \frac{\sqrt{2}}{2}(1-i) \right\} = \frac{2}{4}(1 - i^2) = \frac{1}{2} \cdot 2 = 1$$
となるから、
$$1 \cdot \gamma = -23$$
$$\gamma = -23$$
よって、実数解は $-23$ である。
次に、残りの解と係数の関係から $a, b$ を求める。
$$\frac{\sqrt{2}}{2}(1+i) + \frac{\sqrt{2}}{2}(1-i) + (-23) = -a$$
$$\sqrt{2} - 23 = -a$$
$$a = 23 - \sqrt{2}$$
また、
$$\frac{\sqrt{2}}{2}(1+i) \cdot \frac{\sqrt{2}}{2}(1-i) + \frac{\sqrt{2}}{2}(1-i) \cdot (-23) + (-23) \cdot \frac{\sqrt{2}}{2}(1+i) = b$$
$$1 - 23 \cdot \frac{\sqrt{2}}{2}(1-i + 1+i) = b$$
$$1 - 23 \cdot \frac{\sqrt{2}}{2} \cdot 2 = b$$
$$b = 1 - 23\sqrt{2}$$
(2)
関数 $f(x)$ の定積分を計算する。
$$\int_0^1 f(x) dx = \int_0^1 (x^3 + ax^2 + bx + 23) dx = \left[ \frac{x^4}{4} + \frac{a}{3}x^3 + \frac{b}{2}x^2 + 23x \right]_0^1 = \frac{1}{4} + \frac{a}{3} + \frac{b}{2} + 23$$
条件より、この値が $-44$ に等しいので、
$$\frac{a}{3} + \frac{b}{2} + \frac{93}{4} = -44$$
$$\frac{a}{3} + \frac{b}{2} = -\frac{269}{4}$$
両辺を12倍して整理すると、
$$4a + 6b = -807 \quad \cdots \text{①}$$
同様に、
$$\int_0^2 f(x) dx = \left[ \frac{x^4}{4} + \frac{a}{3}x^3 + \frac{b}{2}x^2 + 23x \right]_0^2 = 4 + \frac{8a}{3} + 2b + 46$$
条件より、この値が $-79$ に等しいので、
$$\frac{8a}{3} + 2b + 50 = -79$$
$$\frac{8a}{3} + 2b = -129$$
両辺を3倍して整理すると、
$$8a + 6b = -387 \quad \cdots \text{②}$$
② から ① を引くと、
$$4a = 420$$
$$a = 105$$
①に代入して、
$$4 \cdot 105 + 6b = -807$$
$$420 + 6b = -807$$
$$6b = -1227$$
$$b = -\frac{409}{2}$$
(3)
3次方程式 $x^3 + ax^2 + bx + 23 = 0$ が異なる3つの整数解 $\alpha, \beta, \gamma \ (\alpha < \beta < \gamma)$ をもつ。
解と係数の関係より、
$$\alpha\beta\gamma = -23$$
$23$ は素数であるため、$3$ つの整数の積として $-23$ を表すには、各要素の絶対値が $1, 1, 23$ のいずれかである必要がある。
つまり、用いることができる数字の候補は $\pm 1, \pm 23$ のみである。
これらの中から「異なる3つの整数」を選び、積が $-23$ になる組み合わせを探す。
積が負になることから、負の数が $1$ 個または $3$ 個である。しかし、$\pm 1, \pm 23$ のうち異なる3つを選んで積が負となるのは、$\{-1, 1, 23\}$ の組み合わせのみである(負の数を3個選ぼうとすると、$\{-1, -23\}$ しかないため3つ選べない)。
$\alpha < \beta < \gamma$ であるから、
$$\alpha = -1, \beta = 1, \gamma = 23$$
となる。
次に、解と係数の関係から $a, b$ を求める。
$$\alpha + \beta + \gamma = -a$$
$$(-1) + 1 + 23 = -a$$
$$a = -23$$
また、
$$\alpha\beta + \beta\gamma + \gamma\alpha = b$$
$$(-1) \cdot 1 + 1 \cdot 23 + 23 \cdot (-1) = b$$
$$-1 + 23 - 23 = b$$
$$b = -1$$
解説
小問集合の形式で、3次方程式の解と係数の関係や定積分の基本計算を問う標準的な問題である。
(1) では、実数係数方程式が複素数解 $\alpha$ をもつならば、その共役複素数 $\overline{\alpha}$ も解になるという性質を活用する。
(2) は定積分の計算から連立方程式を立てて解くだけの素直な問題であるため、計算ミスに気をつけたい。
(3) は整数問題の要素が絡む。定数項 $-23$ の素因数分解($23$ は素数)と「異なる整数」という条件を照らし合わせることで、解の候補を一意に決定できる。
答え
ア:$-23$
イ:$23 - \sqrt{2}$
ウ:$1 - 23\sqrt{2}$
エ:$105$
オ:$-\frac{409}{2}$
カ:$-1$
キ:$1$
ク:$23$
ケ:$-23$
コ:$-1$
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