トップ 基礎問題 数学2 複素数と方程式 高次不等式 問題 3

数学2 高次不等式 問題 3 解説

数学2 高次不等式 問題 3 解説

方針・初手

与えられた不等式の左辺を $f(x)$ とおく。すべての実数 $x$ について $f(x) > 0$ が成り立つ条件を考える。 $x^3$ の係数が $0$ でない場合、$f(x)$ は3次関数となり、$x \to \infty$ または $x \to -\infty$ の極限で $f(x) \to -\infty$ となるため、条件を満たさない。 したがって、まずは $x^3$ の係数が $0$ となることが必要である。ここから $a$ の値を絞り込み、それぞれの場合について不等式が常に成り立つような整数 $b$ の条件を求める。その際、$x^2$ の係数が $0$ になる場合とならない場合を分けて考えることに注意する。

解法1

与えられた不等式の左辺を $f(x)$ とおく。

$$f(x) = (a^2 - 1)x^3 + (-a+b+1)x^2 + (ab-b-4)x + 4a - 3b + 4$$

すべての実数 $x$ において $f(x) > 0$ が成り立つとする。 もし $a^2 - 1 \neq 0$ とすると、$f(x)$ は3次関数である。 $a^2 - 1 > 0$ のとき、$\lim_{x \to -\infty} f(x) = -\infty$ となり不適である。 $a^2 - 1 < 0$ のとき、$\lim_{x \to \infty} f(x) = -\infty$ となり不適である。 したがって、すべての実数 $x$ で $f(x) > 0$ となるためには、$a^2 - 1 = 0$ が必要である。 これより、$a = 1$ または $a = -1$ となる。

(i) $a = 1$ のとき

$f(x)$ に $a = 1$ を代入すると、

$$f(x) = (-1+b+1)x^2 + (b-b-4)x + 4 - 3b + 4 = bx^2 - 4x - 3b + 8$$

となる。条件は、すべての実数 $x$ に対して $bx^2 - 4x - 3b + 8 > 0$ となることである。

$b=0$ のとき、$-4x + 8 > 0$ より $x < 2$ となり、すべての実数 $x$ では成り立たない。

$b \neq 0$ のとき、$y = f(x)$ のグラフが常に $x$ 軸より上側にあるためには、$x^2$ の係数が正であり、かつ $f(x)=0$ の判別式を $D_1$ とすると $D_1 < 0$ であることが条件となる。

$$b > 0$$

$$\frac{D_1}{4} = (-2)^2 - b(-3b+8) = 3b^2 - 8b + 4 < 0$$

不等式を解くと、

$$(3b-2)(b-2) < 0$$

$$\frac{2}{3} < b < 2$$

$b$ は整数であるから、$b = 1$ である。これは $b > 0$ を満たす。 よって、$(a, b) = (1, 1)$ を得る。

(ii) $a = -1$ のとき

$f(x)$ に $a = -1$ を代入すると、

$$f(x) = (1+b+1)x^2 + (-b-b-4)x - 4 - 3b + 4 = (b+2)x^2 - 2(b+2)x - 3b$$

となる。条件は、すべての実数 $x$ に対して $(b+2)x^2 - 2(b+2)x - 3b > 0$ となることである。

$b+2 = 0$ すなわち $b = -2$ のとき、不等式は $6 > 0$ となり、すべての実数 $x$ に対して成り立つ。よって $(a, b) = (-1, -2)$ は適する。

$b+2 \neq 0$ のとき、条件は $x^2$ の係数が正であり、かつ $f(x)=0$ の判別式を $D_2$ とすると $D_2 < 0$ であることである。

$$b+2 > 0$$

$$\frac{D_2}{4} = \{-(b+2)\}^2 - (b+2)(-3b) = (b+2)^2 + 3b(b+2) < 0$$

不等式を変形すると、

$$(b+2)(4b+2) < 0$$

$b+2 > 0$ であるから、$4b+2 < 0$ となる。これを解いて、

$$b < -\frac{1}{2}$$

よって、共通範囲は $-2 < b < -\frac{1}{2}$ となる。 $b$ は整数であるから、$b = -1$ である。 よって、$(a, b) = (-1, -1)$ を得る。

以上 (i), (ii) より、求める整数の組は $(a, b) = (1, 1), (-1, -1), (-1, -2)$ である。

解説

すべての実数に対して成り立つ不等式(絶対不等式)の典型的な問題である。 最高次数の項が奇数次の場合、変数を極限まで飛ばした際に必ず負の値をとる区間が生じるため、その係数が $0$ になることが必須条件となる。 また、残った式が2次以下になるが、文字係数を含む場合はそれが2次式になるとは限らない点に注意が必要である。「$x^2$ の係数が $0$ の場合」と「$0$ でない場合(2次関数のグラフとして処理できる場合)」とを分けて丁寧に検討することで、条件の数え落としを防ぐことができる。

答え

$(a, b) = (1, 1)$

$(a, b) = (-1, -1)$

$(a, b) = (-1, -2)$

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