数学2 三角関数・最大最小 問題 25 解説

方針・初手
三角関数の合成を用いて不等式を解き、$\theta$ の取り得る値の範囲を求める。次に、倍角の公式と相互関係を利用して関数 $y$ を $\sin\theta$ だけの式に書き換える。最後に、置換した変数 $x = \sin\theta$ の定義域に注意しながら、微分を用いて $y$ の最大値と最小値を求める。
解法1
まず、与えられた不等式 $-\sqrt{3}\sin\theta + \cos\theta \leqq 1$ を解く。
左辺を合成すると、
$$2\sin\left(\theta + \frac{5}{6}\pi\right) \leqq 1$$
$$\sin\left(\theta + \frac{5}{6}\pi\right) \leqq \frac{1}{2}$$
となる。$0 \leqq \theta < 2\pi$ より、
$$\frac{5}{6}\pi \leqq \theta + \frac{5}{6}\pi < \frac{17}{6}\pi$$
である。この範囲で不等式を満たすのは、
$$\frac{5}{6}\pi \leqq \theta + \frac{5}{6}\pi \leqq \frac{13}{6}\pi$$
のときである。各辺から $\frac{5}{6}\pi$ を引いて、
$$0 \leqq \theta \leqq \frac{4}{3}\pi$$
を得る。これが [カ]、[キ] に当てはまる。
次に、$y$ を $\sin\theta$ の式で表す。$\cos 2\theta = 1 - 2\sin^2 \theta$、$\cos^2 \theta = 1 - \sin^2 \theta$ を用いると、
$$y = 2\sin\theta - 2\sin\theta(1 - 2\sin^2 \theta) - 3(1 - \sin^2 \theta) + 3$$
$$y = 2\sin\theta - 2\sin\theta + 4\sin^3 \theta - 3 + 3\sin^2 \theta + 3$$
$$y = 4\sin^3 \theta + 3\sin^2 \theta$$
となる。ここで、$x = \sin\theta$ とおくと $y = 4x^3 + 3x^2$ と表せる。これが [コ] に当てはまる。
$x$ の取り得る値の範囲を考える。$0 \leqq \theta \leqq \frac{4}{3}\pi$ の範囲において、$\sin\theta$ は $\theta = \frac{\pi}{2}$ のとき最大値 $1$、$\theta = \frac{4}{3}\pi$ のとき最小値 $-\frac{\sqrt{3}}{2}$ をとる。したがって、$x$ の範囲は、
$$-\frac{\sqrt{3}}{2} \leqq x \leqq 1$$
となる。これが [ク]、[ケ] に当てはまる。
この範囲における関数 $f(x) = 4x^3 + 3x^2$ の最大値と最小値を求める。導関数 $f'(x)$ は、
$$f'(x) = 12x^2 + 6x = 6x(2x + 1)$$
となる。$f'(x) = 0$ とすると $x = -\frac{1}{2}, 0$ である。端点および極値をとる $x$ における $f(x)$ の値を調べる。
$x = -\frac{\sqrt{3}}{2}$ のとき、$f\left(-\frac{\sqrt{3}}{2}\right) = 4\left(-\frac{3\sqrt{3}}{8}\right) + 3\left(\frac{3}{4}\right) = \frac{9 - 6\sqrt{3}}{4}$
$x = -\frac{1}{2}$ のとき、$f\left(-\frac{1}{2}\right) = 4\left(-\frac{1}{8}\right) + 3\left(\frac{1}{4}\right) = \frac{1}{4}$
$x = 0$ のとき、$f(0) = 0$
$x = 1$ のとき、$f(1) = 4(1) + 3(1) = 7$
ここで、最小値の候補である $0$ と $\frac{9 - 6\sqrt{3}}{4}$ の大小を比較する。$6\sqrt{3} = \sqrt{108}$、$9 = \sqrt{81}$ より $9 - 6\sqrt{3} < 0$ であるから、$\frac{9 - 6\sqrt{3}}{4} < 0$ である。
したがって、最大値は $x = 1$ のとき $7$、最小値は $x = -\frac{\sqrt{3}}{2}$ のとき $\frac{9 - 6\sqrt{3}}{4}$ となる。これらが [サ]、[シ] に当てはまる。
解説
三角関数の不等式の解法、倍角の公式による関数の統一、および3次関数の最大・最小を問う標準的な融合問題である。
三角関数の変形においては、$1 - \cos 2\theta = 2\sin^2 \theta$ などの変形を使いこなせると計算の見通しが良くなる。
最大値・最小値を求める際は、定義域の端点における関数の値と極値を丁寧に比較することが重要である。特に最小値の判断において、無理数を含む値と有理数の大小関係を平方して確認する手順を忘れないようにしたい。
答え
[カ] $0$
[キ] $\frac{4}{3}\pi$
[ク] $-\frac{\sqrt{3}}{2}$
[ケ] $1$
[コ] $4x^3 + 3x^2$
[サ] $7$
[シ] $\frac{9 - 6\sqrt{3}}{4}$
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