数学2 三角関数・最大最小 問題 32 解説

方針・初手
- (1)は三角関数の合成を用いて、$x$ の変域を求める。
- (2)は $x^2$ を展開して計算することで $\sin 2\theta$ を $x$ で表し、$y$ を $x$ の2次関数に帰着させる。
- (3)は(2)で得られた2次関数について、(1)で求めた定義域における最大値と最小値を求める。2次関数の軸が文字 $a$ を含むため、軸と定義域の位置関係による場合分けを丁寧に行う。
解法1
(1) $x = \sin\theta - \cos\theta$ について、三角関数の合成を用いると、
$$x = \sqrt{2}\sin\left(\theta - \frac{\pi}{4}\right)$$
となる。ここで、$0 \leqq \theta \leqq \pi$ であるから、
$$-\frac{\pi}{4} \leqq \theta - \frac{\pi}{4} \leqq \frac{3}{4}\pi$$
である。この範囲において $\sin\left(\theta - \frac{\pi}{4}\right)$ のとり得る値の範囲は、
$$-\frac{1}{\sqrt{2}} \leqq \sin\left(\theta - \frac{\pi}{4}\right) \leqq 1$$
となる。各辺に $\sqrt{2}$ を掛けて、
$$-1 \leqq x \leqq \sqrt{2}$$
(2) $x = \sin\theta - \cos\theta$ の両辺を2乗すると、
$$x^2 = (\sin\theta - \cos\theta)^2 = \sin^2\theta - 2\sin\theta\cos\theta + \cos^2\theta = 1 - \sin 2\theta$$
これより、
$$\sin 2\theta = 1 - x^2$$
となる。したがって、$y$ を $a$ と $x$ を用いて表すと、
$$y = (1 - x^2) + ax = -x^2 + ax + 1$$
(3) (2)より、$y$ を $x$ の関数とみて $f(x) = -x^2 + ax + 1$ とおく。(1)より、定義域は $-1 \leqq x \leqq \sqrt{2}$ である。 $f(x)$ を平方完成すると、
$$f(x) = -\left(x - \frac{a}{2}\right)^2 + \frac{a^2}{4} + 1$$
となる。これは上に凸の放物線であり、軸は直線 $x = \frac{a}{2}$ 、頂点の $y$ 座標は $\frac{a^2}{4} + 1$ である。 また、区間の両端における関数値は、
$$\begin{aligned} f(-1) &= -(-1)^2 + a(-1) + 1 = -a \\ f(\sqrt{2}) &= -(\sqrt{2})^2 + a(\sqrt{2}) + 1 = \sqrt{2}a - 1 \end{aligned}$$
である。
最大値 $M$ について、放物線の軸 $x = \frac{a}{2}$ と定義域 $-1 \leqq x \leqq \sqrt{2}$ の位置関係によって以下のように場合分けする。
(i) $\frac{a}{2} < -1$ すなわち $a < -2$ のとき
軸が定義域の左側にあるため、$f(x)$ は区間 $-1 \leqq x \leqq \sqrt{2}$ において単調に減少する。したがって、$x = -1$ で最大となる。
$$M = f(-1) = -a$$
(ii) $-1 \leqq \frac{a}{2} \leqq \sqrt{2}$ すなわち $-2 \leqq a \leqq 2\sqrt{2}$ のとき
軸が定義域内にあるため、頂点で最大となる。
$$M = f\left(\frac{a}{2}\right) = \frac{a^2}{4} + 1$$
(iii) $\sqrt{2} < \frac{a}{2}$ すなわち $a > 2\sqrt{2}$ のとき
軸が定義域の右側にあるため、$f(x)$ は区間 $-1 \leqq x \leqq \sqrt{2}$ において単調に増加する。したがって、$x = \sqrt{2}$ で最大となる。
$$M = f(\sqrt{2}) = \sqrt{2}a - 1$$
最小値 $m$ について、放物線の軸 $x = \frac{a}{2}$ と定義域の中点 $\frac{-1 + \sqrt{2}}{2}$ の位置関係によって以下のように場合分けする。
(iv) $\frac{a}{2} < \frac{-1 + \sqrt{2}}{2}$ すなわち $a < \sqrt{2} - 1$ のとき
軸は区間の中点より左側にあるため、区間の右端 $x = \sqrt{2}$ の方が軸から遠い。したがって、$x = \sqrt{2}$ で最小となる。
$$m = f(\sqrt{2}) = \sqrt{2}a - 1$$
(v) $\frac{-1 + \sqrt{2}}{2} \leqq \frac{a}{2}$ すなわち $a \geqq \sqrt{2} - 1$ のとき
軸は区間の中点にあるか、または中点より右側にあるため、区間の左端 $x = -1$ の方が軸から遠い(または等距離となる)。したがって、$x = -1$ で最小となる。
$$m = f(-1) = -a$$
解説
置き換えによって三角関数の問題を2次関数の最大・最小問題に帰着させる典型的な問題である。(1)での変域の決定が(3)での場合分けの前提となるため、三角関数の合成を正しく行い、変域を正確に求めることが重要である。
(3)では文字定数を含む2次関数の最大・最小を求めるため、上に凸の放物線における「最大値の3通りの場合分け(軸が区間の左外、区間内、右外)」と「最小値の2通りの場合分け(軸が区間の中点より左、右)」を確実に行えるかどうかが問われている。
答え
(1)
$$-1 \leqq x \leqq \sqrt{2}$$
(2)
$$y = -x^2 + ax + 1$$
(3) 最大値 $M$:
$$\begin{cases} a < -2 \text{ のとき } & M = -a \\ -2 \leqq a \leqq 2\sqrt{2} \text{ のとき } & M = \frac{a^2}{4} + 1 \\ 2\sqrt{2} < a \text{ のとき } & M = \sqrt{2}a - 1 \end{cases}$$
最小値 $m$:
$$\begin{cases} a < \sqrt{2} - 1 \text{ のとき } & m = \sqrt{2}a - 1 \\ \sqrt{2} - 1 \leqq a \text{ のとき } & m = -a \end{cases}$$
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