トップ 基礎問題 数学2 三角関数 数2解の個数・三角関数 問題 5

数学2 数2解の個数・三角関数 問題 5 解説

数学2 数2解の個数・三角関数 問題 5 解説

方針・初手

(1)は $t$ の式を両辺2乗することで $\sin\theta\cos\theta$ を表現する典型的な処理である. (2)は三角関数の合成を用いて $t$ の関数を一つのサイン関数にまとめ,定義域に注意して取りうる値の範囲を求める. (3)は(1)の結果を用いて,与えられた $\theta$ の方程式を $t$ の方程式に帰着させる.ここで最も重要なのは「$t$ の値1つに対して $\theta$ がいくつ存在するか」という対応関係を正確に把握することである.$t$ の値の範囲によって対応する $\theta$ の個数が異なる点に注意して解の個数を調べる.

解法1

(1) $t = \sin\theta + \cos\theta$ の両辺を2乗すると,

$$t^2 = (\sin\theta + \cos\theta)^2$$

$$t^2 = \sin^2\theta + 2\sin\theta\cos\theta + \cos^2\theta$$

$\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1$ であるから,

$$t^2 = 1 + 2\sin\theta\cos\theta$$

よって,$\sin\theta\cos\theta$ について解くと,

$$\sin\theta\cos\theta = \frac{t^2 - 1}{2}$$

(2) $t = \sin\theta + \cos\theta$ を三角関数の合成を用いて変形すると,

$$t = \sqrt{2}\sin\left(\theta + \frac{\pi}{4}\right)$$

$0 \leqq \theta \leqq \pi$ であるから,$\theta + \frac{\pi}{4}$ のとりうる値の範囲は,

$$\frac{\pi}{4} \leqq \theta + \frac{\pi}{4} \leqq \frac{5}{4}\pi$$

この範囲において,$\sin\left(\theta + \frac{\pi}{4}\right)$ がとりうる値の範囲は,

$$-\frac{1}{\sqrt{2}} \leqq \sin\left(\theta + \frac{\pi}{4}\right) \leqq 1$$

各辺に $\sqrt{2}$ を掛けて,

$$-1 \leqq \sqrt{2}\sin\left(\theta + \frac{\pi}{4}\right) \leqq \sqrt{2}$$

したがって,$t$ の取りうる値の範囲は,

$$-1 \leqq t \leqq \sqrt{2}$$

(3) 与えられた方程式は $2\sin\theta\cos\theta - 2(\sin\theta+\cos\theta) - k = 0$ である. これに $t = \sin\theta + \cos\theta$ と (1) の結果を代入すると,

$$2 \cdot \frac{t^2 - 1}{2} - 2t - k = 0$$

整理すると,

$$t^2 - 2t - 1 = k$$

この方程式の実数解の個数は,(2) の範囲 $-1 \leqq t \leqq \sqrt{2}$ における放物線 $y = t^2 - 2t - 1$ と直線 $y = k$ の共有点の $t$ 座標を調べ,その $t$ に対する $\theta$ の個数を数えることで求められる.

まず,$t$ の値に対する $\theta$ の個数を調べる. $X = \theta + \frac{\pi}{4}$ とおくと,$t = \sqrt{2}\sin X$ であり,$X$ の定義域は $\frac{\pi}{4} \leqq X \leqq \frac{5}{4}\pi$ である. 単位円周上で $Y = \frac{t}{\sqrt{2}}$ となる $X$ の個数から $\theta$ の個数を考えると,以下のようになる.

次に,$f(t) = t^2 - 2t - 1$ とおく. 与えられた3つの $k$ の値について,$f(t) = k$ を満たす $t$ を求める.

(i) $k = 1$ の場合 $t^2 - 2t - 1 = 1$ より,

$$t^2 - 2t - 2 = 0$$

これを解くと,$t = 1 \pm \sqrt{3}$ となる. ここで,$\sqrt{3} \approx 1.732$ であるから,$1 - \sqrt{3} \approx -0.732$,$1 + \sqrt{3} \approx 2.732$ である. $-1 \leqq t \leqq \sqrt{2}$ の範囲にあるのは $t = 1 - \sqrt{3}$ のみである. さらに,$-1 \leqq 1 - \sqrt{3} < 1$ を満たすため,この $t$ に対応する $\theta$ の個数は1個である. したがって,解の個数は1個.

(ii) $k = 1 - 2\sqrt{2}$ の場合 $t^2 - 2t - 1 = 1 - 2\sqrt{2}$ より,

$$t^2 - 2t - 2 + 2\sqrt{2} = 0$$

$t = \sqrt{2}$ を代入すると $(\sqrt{2})^2 - 2\sqrt{2} - 2 + 2\sqrt{2} = 2 - 2 = 0$ となり成立するため,左辺は $(t - \sqrt{2})$ を因数にもつ.

$$(t - \sqrt{2})(t - (2 - \sqrt{2})) = 0$$

よって,$t = \sqrt{2}, 2 - \sqrt{2}$ である. これらはともに $-1 \leqq t \leqq \sqrt{2}$ の範囲にある($2 - \sqrt{2} \approx 2 - 1.414 = 0.586$ より).

(iii) $k = -1.9$ の場合 $t^2 - 2t - 1 = -1.9$ より,

$$t^2 - 2t + 0.9 = 0$$

$$(t - 1)^2 = 0.1$$

よって,$t = 1 \pm \sqrt{0.1}$ である. $0 < \sqrt{0.1} < 1$ であるから,これら2つの解はともに正である.

解説

三角関数の方程式・不等式において,$\sin\theta + \cos\theta$ と $\sin\theta\cos\theta$ が混在している場合は,和を $t$ とおいて積を $t$ で表すのが定石である. 本問における最大のポイントは,置換した変数 $t$ と元の変数 $\theta$ の対応関係(1対1ではないこと)を正確に調べることである.$t$ の範囲だけを求めて $t$ の方程式の解の個数を数えても,それがそのまま $\theta$ の方程式の解の個数にはならないことに注意が必要である.

答え

(1) $\sin\theta\cos\theta = \frac{t^2 - 1}{2}$

(2) $-1 \leqq t \leqq \sqrt{2}$

(3) $k = 1$ のとき 1個

$k = 1 - 2\sqrt{2}$ のとき 2個

$k = -1.9$ のとき 3個

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