数学2 数2解の個数・三角関数 問題 6 解説

方針・初手
加法定理と2倍角の公式を用いて、$f(x)$ を $t$ の2次関数として表すのが第一歩である。 (2) は(1)で求めた2次関数の最大値・最小値問題に帰着する。$t$ のとりうる値の範囲に注意する。 (3) は $t$ の2次方程式の解の配置問題に帰着するが、「$t$ の値1つに対して $x$ の値がいくつ存在するか」を正確に把握することが重要となる。
解法1
(1)
$t = \cos\left(x + \frac{\pi}{4}\right)$ を加法定理で展開すると、
$$t = \cos x \cos \frac{\pi}{4} - \sin x \sin \frac{\pi}{4} = \frac{1}{\sqrt{2}}(\cos x - \sin x)$$
両辺に $-\sqrt{2}$ を掛けると、
$$- \sqrt{2} t = \sin x - \cos x$$
よって、
$$\sqrt{2} \sin x - \sqrt{2} \cos x = - 2t$$
また、$t = \frac{1}{\sqrt{2}}(\cos x - \sin x)$ の両辺を2乗すると、
$$t^2 = \frac{1}{2}(\cos x - \sin x)^2 = \frac{1}{2}(1 - 2 \sin x \cos x)$$
$2 \sin x \cos x = \sin 2x$ より、
$$t^2 = \frac{1}{2}(1 - \sin 2x)$$
これより、
$$-\sin 2x = 2t^2 - 1$$
以上から、$f(x)$ は $t$ を用いて次のように表せる。
$$f(x) = (\sqrt{2} \sin x - \sqrt{2} \cos x) - \sin 2x = -2t + 2t^2 - 1$$
すなわち、
$$f(x) = 2t^2 - 2t - 1$$
(2)
(1)より、$f(x)$ を $t$ の関数 $g(t)$ とおくと、
$$g(t) = 2t^2 - 2t - 1 = 2\left(t - \frac{1}{2}\right)^2 - \frac{3}{2}$$
ここで、$x$ は全ての実数をとるので、$t = \cos\left(x + \frac{\pi}{4}\right)$ のとりうる値の範囲は
$$-1 \leqq t \leqq 1$$
である。区間 $-1 \leqq t \leqq 1$ における $g(t)$ の最大値と最小値を求める。 グラフは下に凸の放物線で、軸は $t = \frac{1}{2}$ である。
$t = \frac{1}{2}$ のとき、最小値 $-\frac{3}{2}$
$t = -1$ のとき、最大値 $2(-1)^2 - 2(-1) - 1 = 3$
よって、$f(x)$ の最大値は $3$、最小値は $-\frac{3}{2}$ である。
(3)
$0 \leqq x < 2\pi$ のとき、$x + \frac{\pi}{4}$ のとりうる値の範囲は
$$\frac{\pi}{4} \leqq x + \frac{\pi}{4} < \frac{9}{4}\pi$$
である。この範囲において、$t = \cos\left(x + \frac{\pi}{4}\right)$ の値と対応する $x$ の個数を考える。 区間の長さがちょうど $2\pi$ であり、端点の余弦の値が $\cos\frac{\pi}{4} = \cos\frac{9}{4}\pi = \frac{1}{\sqrt{2}}$ と一致するため、$x$ の個数は以下のようになる。
- $t = \pm 1$ のとき、$x$ は $1$ 個
- $-1 < t < 1$ のとき、$x$ は $2$ 個
方程式 $f(x) = a$ すなわち $2t^2 - 2t - 1 = a$ が相異なる $2$ つの解をもつのは、関数 $y = g(t)$ のグラフと直線 $y = a$ の $-1 \leqq t \leqq 1$ における共有点について、以下のいずれかが成り立つときである。
(i) $-1 < t < 1$ の範囲に共有点を $1$ つだけもち、他の共有点は $-1 \leqq t \leqq 1$ の範囲にない。(このとき $x$ は $2$ 個)
(ii) $t = 1$ と $t = -1$ の両方で共有点をもつ。(このとき $x$ は $1 + 1 = 2$ 個)
$y = g(t)$ のグラフの端点は $(-1, 3)$ と $(1, -1)$ であり、頂点は $\left(\frac{1}{2}, -\frac{3}{2}\right)$ である。 これと直線 $y = a$ の共有点を調べる。
まず、(ii) を満たすような $a$ は存在しない。($g(1) \neq g(-1)$ のため)
次に、(i) となる場合を探す。 $a = -1$ のとき、共有点は $t = 1, 0$ となり、$x$ の個数は $1 + 2 = 3$ 個となるため不適である。
したがって、$y=a$ が $-1 < t < 1$ の範囲に共有点を $1$ つもち、もう $1$ つの交点が $t < -1$ または $t > 1$ にあるか、あるいは $-1 < t < 1$ の範囲で重解をもつような $a$ の範囲を求めればよい。
グラフより、条件を満たす $a$ の範囲は以下の2つの場合である。
- $a = -\frac{3}{2}$ のとき($t = \frac{1}{2}$ を重解にもち、$-1 < t < 1$ のため $x$ は $2$ 個)
- $-1 < a < 3$ のとき($-1 < t < 0$ に解を $1$ つもち、もう $1$ つの解は $t > 1$ となるため、対応する $x$ は $2$ 個)
よって、求める実数 $a$ の条件は、$a = -\frac{3}{2}$ または $-1 < a < 3$ である。
解説
三角関数の式変形としては定番の、合成された形を $t$ とおいて $2$ 次関数に帰着させる問題である。 (1)において、両辺を $2$ 乗して $\sin 2x$ を $t$ で表す手法は頻出である。 (3)は「置換した文字 $t$ の方程式の実数解の個数」から「元の文字 $x$ の方程式の実数解の個数」へ翻訳する力が問われている。 $t$ の値の範囲を求めるだけでなく、$t$ の値 $1$ つに対して $x$ がいくつ定まるかという対応関係を正確に把握することが完答の鍵となる。単位円周上の点の動きを意識すると分かりやすい。
答え
(1) $f(x) = 2t^2 - 2t - 1$
(2) 最大値 $3$, 最小値 $-\frac{3}{2}$
(3) $a = -\frac{3}{2}, \ -1 < a < 3$
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