数学2 数2解の個数・三角関数 問題 9 解説

方針・初手
(1) では $t$ を2乗し、半角の公式や2倍角の公式を用いて式を変形することで、$f(\theta)$ を $t$ のみの式で表す。 (2) では三角関数の合成を利用し、$t$ を1つのサイン関数にまとめて値域を求める。 (3) では(1)で求めた $t$ の2次方程式を解き、その解と(2)で考えた $\theta$ との対応関係を利用して元の解の個数を調べる。$t=0$ と $t=2a$ の2つの解が得られるため、定数 $a$ の値による解の個数の変化と、解の重複に注意して場合分けを行う。
解法1
(1)
$t = \sqrt{3} \sin \theta + \cos \theta$ の両辺を2乗して変形する。
$$\begin{aligned} t^2 &= (\sqrt{3} \sin \theta + \cos \theta)^2 \\ &= 3 \sin^2 \theta + 2\sqrt{3} \sin \theta \cos \theta + \cos^2 \theta \\ &= 3 \cdot \frac{1 - \cos 2\theta}{2} + \sqrt{3} \sin 2\theta + \frac{1 + \cos 2\theta}{2} \\ &= \frac{3}{2} - \frac{3}{2}\cos 2\theta + \sqrt{3}\sin 2\theta + \frac{1}{2} + \frac{1}{2}\cos 2\theta \\ &= 2 + \sqrt{3}\sin 2\theta - \cos 2\theta \end{aligned}$$
これを変形すると、以下の関係式が得られる。
$$\sqrt{3}\sin 2\theta - \cos 2\theta = t^2 - 2$$
これを用いて関数 $f(\theta)$ を $t$ で表す。
$$\begin{aligned} f(\theta) &= 2\sqrt{3} \sin 2\theta - 2 \cos 2\theta - 4a(\sqrt{3} \sin \theta + \cos \theta) + 4 \\ &= 2(\sqrt{3} \sin 2\theta - \cos 2\theta) - 4at + 4 \\ &= 2(t^2 - 2) - 4at + 4 \\ &= 2t^2 - 4 - 4at + 4 \\ &= 2t^2 - 4at \end{aligned}$$
よって、$f(\theta) = 2t^2 - 4at$ となることが示された。
(2)
$t$ を三角関数の合成により変形する。
$$\begin{aligned} t &= \sqrt{3} \sin \theta + \cos \theta \\ &= 2 \left( \frac{\sqrt{3}}{2} \sin \theta + \frac{1}{2} \cos \theta \right) \\ &= 2 \sin(\theta + 30^\circ) \end{aligned}$$
$0^\circ \leqq \theta \leqq 180^\circ$ より、$\theta + 30^\circ$ の取り得る値の範囲は以下のようになる。
$$30^\circ \leqq \theta + 30^\circ \leqq 210^\circ$$
この範囲において、$\sin(\theta + 30^\circ)$ の値域を考えると、最大値は $\theta + 30^\circ = 90^\circ$ のとき $1$、最小値は $\theta + 30^\circ = 210^\circ$ のとき $-\frac{1}{2}$ であるから、
$$-\frac{1}{2} \leqq \sin(\theta + 30^\circ) \leqq 1$$
したがって、各辺を2倍して $t$ の値の範囲は
$$-1 \leqq t \leqq 2$$
(3)
(1)より、方程式 $f(\theta) = 0$ は以下のように書ける。
$$2t^2 - 4at = 0$$
$$2t(t - 2a) = 0$$
これを解くと $t = 0$ または $t = 2a$ となる。
$\phi = \theta + 30^\circ$ とおくと、(2)より $t = 2\sin\phi$ であり、$30^\circ \leqq \phi \leqq 210^\circ$ である。$f(\theta)=0$ を満たす $\theta$ の個数は、この範囲における $\sin\phi = \frac{t}{2}$ を満たす $\phi$ の個数に等しい。
($t=0$ のとき) $\sin\phi = 0$ となり、$30^\circ \leqq \phi \leqq 210^\circ$ を満たす解は $\phi = 180^\circ$ の1個のみである。(このとき $\theta = 150^\circ$)
($t=2a$ のとき) $\sin\phi = a$ となる。関数 $y = \sin\phi$ ($30^\circ \leqq \phi \leqq 210^\circ$)のグラフと、直線 $y = a$ の交点の個数を考える。交点の個数は $a$ の値によって以下のように分類される。 ・$a < -\frac{1}{2}$ または $a > 1$ のとき、0個 ・$-\frac{1}{2} \leqq a < 0$ のとき、1個 ・$a = 0$ のとき、1個($\phi=180^\circ$) ・$0 < a < \frac{1}{2}$ のとき、1個 ・$\frac{1}{2} \leqq a < 1$ のとき、2個 ・$a = 1$ のとき、1個($\phi=90^\circ$)
方程式の解の総数は、$t=0$ から得られる解と $t=2a$ から得られる解の個数の和となる。ただし、$a=0$ のときは $t=0$ の重解となり、解が重複することに注意して場合分けを行う。
(i) $a < -\frac{1}{2}$ または $a > 1$ のとき $t=2a$ からの解は0個。$t=0$ からの解は1個。よって合計1個。
(ii) $-\frac{1}{2} \leqq a < 0$ または $0 < a < \frac{1}{2}$ のとき $t=2a$ からの解は1個。$t=0$ からの解は1個。よって合計2個。
(iii) $a = 0$ のとき $t=2a=0$ となり、$t=0$ の解のみとなるため、合計1個。
(iv) $\frac{1}{2} \leqq a < 1$ のとき $t=2a$ からの解は2個。$t=0$ からの解は1個。よって合計3個。
(v) $a = 1$ のとき $t=2a$ からの解は1個。$t=0$ からの解は1個。よって合計2個。
解説
三角関数の方程式において、置き換えによって変数を減らし、解の個数をグラフの交点として視覚化する典型的な問題である。 (1)のように $\sin\theta$ と $\cos\theta$ の1次の和を $t$ とおいたとき、両辺を2乗することで $\sin 2\theta$ と $\cos 2\theta$ の式を作り出す手法は頻出である。(3)における解の個数の議論では、$t$ と $\theta$ が1対1で対応しない区間があることに十分注意し、単位円やグラフを用いて視覚的に確認することがミスの防止につながる。また、$t=0$ が定数解として常に存在するため、$t=2a$ と一致してしまう $a=0$ のケースを見落とさないようにしたい。
答え
(1) 略(解法に記載の通り)
(2) $-1 \leqq t \leqq 2$
(3) 解の個数は以下の通りである。
・$a < -\frac{1}{2}, a = 0, a > 1$ のとき、1個
・$-\frac{1}{2} \leqq a < 0, 0 < a < \frac{1}{2}, a = 1$ のとき、2個
・$\frac{1}{2} \leqq a < 1$ のとき、3個
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





