数学2 面積・接線 問題 1 解説

方針・初手
- (1) は、与えられた積分方程式 $f(x) = \int_x^1 g(t) dt$ の両辺を $x$ で微分し、被積分関数を取り出す。さらに $x=1$ を代入して定数項に関する条件式を得る。もう一つの積分条件と合わせて恒等式として係数を比較する。
- (2) は、(1) で得られた係数を $f(x), g(x)$ に代入し、方程式を立てて因数分解する。
- (3) は、(2) で求めた交点を積分区間として面積を立式する。被積分関数が絶対値を含むため、$a$ の符号あるいは絶対値記号を用いて面積を計算し、方程式を解く。
解法1
(1)
与えられた関係式 $f(x) = \int_x^1 g(t) dt$ の両辺を $x$ で微分する。
$$f'(x) = -g(x)$$
$f(x) = ax^2 + bx + c$, $g(x) = px + q$ より、$f'(x) = 2ax + b$ であるから、次が成り立つ。
$$2ax + b = -(px + q)$$
$$2ax + b = -px - q$$
これが $x$ についての恒等式であるため、係数を比較する。
$$p = -2a, \quad q = -b$$
また、$f(x) = \int_x^1 g(t) dt$ において $x=1$ を代入すると、定積分の性質から次が成り立つ。
$$f(1) = \int_1^1 g(t) dt = 0$$
これより、次の条件が得られる。
$$a + b + c = 0$$
次に、もう1つの条件 $\int_0^1 tg(t) dt = \frac{a}{3}$ を用いる。$g(t) = pt + q = -2at - b$ を代入する。
$$\int_0^1 t(-2at - b) dt = \frac{a}{3}$$
$$\int_0^1 (-2at^2 - bt) dt = \frac{a}{3}$$
$$\left[ -\frac{2}{3}at^3 - \frac{b}{2}t^2 \right]_0^1 = \frac{a}{3}$$
$$-\frac{2}{3}a - \frac{b}{2} = \frac{a}{3}$$
これを $b$ について解く。
$$-\frac{b}{2} = a$$
$$b = -2a$$
$q = -b$ であったから、$q = 2a$ となる。
さらに、$a + b + c = 0$ に $b = -2a$ を代入する。
$$a - 2a + c = 0$$
$$c = a$$
以上より、$b, c, p, q$ を $a$ を用いて表すことができる。
(2)
(1) の結果より、$f(x)$ と $g(x)$ は次のように表される。
$$f(x) = ax^2 - 2ax + a = a(x-1)^2$$
$$g(x) = -2ax + 2a = -2a(x-1)$$
方程式 $f(x) - g(x) = 0$ を解く。
$$a(x-1)^2 - \{-2a(x-1)\} = 0$$
$$a(x-1)^2 + 2a(x-1) = 0$$
共通因数 $a(x-1)$ でくくる。
$$a(x-1) \{ (x-1) + 2 \} = 0$$
$$a(x-1)(x+1) = 0$$
問題文より $a \neq 0$ であるため、次が成り立つ。
$$(x-1)(x+1) = 0$$
よって、求める解は $x = 1, -1$ である。
(3)
曲線 $y = f(x)$ と直線 $y = g(x)$ の交点の $x$ 座標は、(2) より $x = -1, 1$ である。
2つのグラフで囲まれる部分の面積を $S$ とすると、$S$ は次のように表される。
$$S = \int_{-1}^1 |f(x) - g(x)| dx$$
ここで、$f(x) - g(x) = a(x-1)(x+1)$ である。区間 $-1 \leqq x \leqq 1$ において $(x-1)(x+1) \leqq 0$ であるから、絶対値を外すと次のようになる。
$$|f(x) - g(x)| = |a| \cdot |(x-1)(x+1)| = -|a| (x-1)(x+1)$$
したがって、面積 $S$ は次のように計算できる。
$$\begin{aligned} S &= \int_{-1}^1 -|a| (x-1)(x+1) dx \\ &= -|a| \int_{-1}^1 (x-1)(x+1) dx \\ &= |a| \cdot \frac{1}{6} \{ 1 - (-1) \}^3 \\ &= |a| \cdot \frac{1}{6} \cdot 8 \\ &= \frac{4}{3} |a| \end{aligned}$$
問題の条件より $S = 1$ であるから、次が成り立つ。
$$\frac{4}{3} |a| = 1$$
$$|a| = \frac{3}{4}$$
よって、$a = \pm \frac{3}{4}$ である。
解法2
(1)
与えられた積分式に直接 $g(t) = pt + q$ を代入して計算することもできる。
$$f(x) = \int_x^1 (pt + q) dt$$
$$f(x) = \left[ \frac{p}{2}t^2 + qt \right]_x^1$$
$$f(x) = \left( \frac{p}{2} + q \right) - \left( \frac{p}{2}x^2 + qx \right)$$
$$f(x) = -\frac{p}{2}x^2 - qx + \frac{p}{2} + q$$
これが $f(x) = ax^2 + bx + c$ と一致するので、係数を比較する。
$$a = -\frac{p}{2}, \quad b = -q, \quad c = \frac{p}{2} + q$$
これらより、$p = -2a, \quad q = -b$ を得る。これを $c$ の式に代入する。
$$c = -a - b$$
次に、もう1つの条件 $\int_0^1 tg(t) dt = \frac{a}{3}$ を用いる。$g(t) = pt + q$ を代入する。
$$\int_0^1 t(pt + q) dt = \frac{a}{3}$$
$$\int_0^1 (pt^2 + qt) dt = \frac{a}{3}$$
$$\left[ \frac{p}{3}t^3 + \frac{q}{2}t^2 \right]_0^1 = \frac{a}{3}$$
$$\frac{p}{3} + \frac{q}{2} = \frac{a}{3}$$
ここで $p = -2a$ を代入する。
$$-\frac{2a}{3} + \frac{q}{2} = \frac{a}{3}$$
$$\frac{q}{2} = a$$
$$q = 2a$$
$q = -b$ より、$b = -2a$ である。
また、$c = -a - b$ に $b = -2a$ を代入する。
$$c = -a - (-2a) = a$$
以上より、$b = -2a, \quad c = a, \quad p = -2a, \quad q = 2a$ となる。
解説
- (1) のような「積分区間に変数を含む等式」は、両辺を $x$ で微分して被積分関数を取り出す手法と、積分区間の端点と同じ値を $x$ に代入して定数部分の条件を引き出す手法が定石である。
- 本問では $f(1) = 0$ を用いると計算が見通しやすくなる。解法2のように直接積分を実行して係数比較する方法でもそれほど手間は変わらないため、計算ミスの少ない方法を選ぶとよい。
- (3) の面積計算において、$a$ の符号が指定されていない点に注意が必要である。グラフの上下関係が $a > 0$ と $a < 0$ の場合で逆転するため、絶対値記号を用いるか、場合分けをして処理しなければならない。また、いわゆる $\frac{1}{6}$ 公式を利用することで計算量を削減できる。
答え
(1) $b = -2a, \ c = a, \ p = -2a, \ q = 2a$
(2) $x = 1, \ -1$
(3) $a = \pm \frac{3}{4}$
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