数学2 面積・接線 問題 53 解説

方針・初手
問題の条件から未定係数を決定し、関数の増減を調べる。極値をとる条件 $f'(1) = 0$ と $f(1) = 13$ を用いて $a, b$ を求め、増減表を書いて条件を満たすか確認する。後半の複接線(異なる2点で接する直線)の方程式については、曲線と直線の差が完全平方式の積で表せることを利用して恒等式を作るのが定石である。
解法1
(1) 与えられた関数 $f(x) = x^4 + ax^2 + bx + 12$ を微分すると、
$$f'(x) = 4x^3 + 2ax + b$$
となる。$x=1$ で極値 $13$ をとるための必要条件は、$f'(1)=0$ かつ $f(1)=13$ である。それぞれ代入して整理すると、
$$4 + 2a + b = 0$$
$$1 + a + b + 12 = 13 \iff a + b = 0$$
これらを連立方程式として解く。第2式より $b = -a$ であるから、これを第1式に代入して、
$$4 + 2a - a = 0 \iff a = -4$$
したがって、$b = 4$ を得る。このとき、関数は $f(x) = x^4 - 4x^2 + 4x + 12$ となり、その導関数は
$$f'(x) = 4x^3 - 8x + 4 = 4(x-1)(x^2+x-1)$$
となる。$f'(x) = 0$ を解くと、$x = 1, \frac{-1 \pm \sqrt{5}}{2}$ である。 ここで $\alpha = \frac{-1-\sqrt{5}}{2}$、$\beta = \frac{-1+\sqrt{5}}{2}$ とおくと、$-2 < -\sqrt{5} < -1 < \sqrt{5} < 3$ より、$\alpha < 0 < \beta < 1$ であることがわかる。増減表は以下のようになる。
$x$ : $\cdots$, $\alpha$, $\cdots$, $\beta$, $\cdots$, $1$, $\cdots$ $f'(x)$ : $-$, $0$, $+$, $0$, $-$, $0$, $+$ $f(x)$ : $\searrow$, 極小, $\nearrow$, 極大, $\searrow$, 極小, $\nearrow$
これより、$x=1$ で極小値をとるため、題意を満たすことが確認できた。 また、$x=1$ 以外では、$x = \frac{-1-\sqrt{5}}{2}$ で極小値、$x = \frac{-1+\sqrt{5}}{2}$ で極大値をとる。
これらの極値を求めるために、$f(x)$ を $x^2+x-1$ で割ると、
$$x^4 - 4x^2 + 4x + 12 = (x^2+x-1)(x^2-x-2) + 5x + 10$$
となる。$x = \alpha, \beta$ において $x^2+x-1 = 0$ であるから、極小値および極大値はそれぞれ余りの部分 $5x + 10$ に代入して計算できる。 極小値は、
$$f(\alpha) = 5\left(\frac{-1-\sqrt{5}}{2}\right) + 10 = \frac{15-5\sqrt{5}}{2}$$
極大値は、
$$f(\beta) = 5\left(\frac{-1+\sqrt{5}}{2}\right) + 10 = \frac{15+5\sqrt{5}}{2}$$
である。
(2) 直線 $l$ の方程式を $y = mx+n$ とし、2つの接点の $x$ 座標を $p, q \ (p < q)$ とする。直線 $l$ は曲線 $y=f(x)$ と $x=p, q$ で接するため、次の方程式が恒等的に成り立つ。
$$x^4 - 4x^2 + 4x + 12 - (mx+n) = (x-p)^2(x-q)^2$$
右辺を展開して整理すると、
$$(x-p)^2(x-q)^2 = x^4 - 2(p+q)x^3 + \{ (p+q)^2 + 2pq \}x^2 - 2pq(p+q)x + p^2 q^2$$
となる。両辺の係数を比較すると、以下の連立方程式を得る。
$$\begin{aligned} 0 &= -2(p+q) \\ -4 &= (p+q)^2 + 2pq \\ 4 - m &= -2pq(p+q) \\ 12 - n &= p^2 q^2 \end{aligned}$$
第1式より $p+q = 0$ である。これを第2式に代入すると $2pq = -4$ となり、$pq = -2$ を得る。 これらを第3式、第4式に代入すると、
$$4 - m = 0 \iff m = 4$$
$$12 - n = (-2)^2 = 4 \iff n = 8$$
となる。したがって、直線 $l$ の方程式は $y = 4x+8$ である。 また、$p, q$ は和が $0$、積が $-2$ であるから、二次方程式 $t^2 - 2 = 0$ の2解である。これより $t = \pm \sqrt{2}$ となり、$p < q$ を考慮すると接点の $x$ 座標は $-\sqrt{2}, \sqrt{2}$ である。
直線 $l$ と曲線 $y=f(x)$ で囲まれた部分の面積を $S$ とすると、区間 $-\sqrt{2} \leqq x \leqq \sqrt{2}$ において直線のほうが上にあるか、または恒等式から差の形が平方の積になることを用いて、
$$S = \int_{-\sqrt{2}}^{\sqrt{2}} \{ f(x) - (4x+8) \} dx = \int_{-\sqrt{2}}^{\sqrt{2}} (x^2-2)^2 dx$$
となる。被積分関数は展開すると $x^4 - 4x^2 + 4$ であり、偶関数であるから、
$$S = 2 \int_{0}^{\sqrt{2}} (x^4 - 4x^2 + 4) dx = 2 \left[ \frac{1}{5}x^5 - \frac{4}{3}x^3 + 4x \right]_{0}^{\sqrt{2}}$$
代入して計算すると、
$$S = 2 \left( \frac{4\sqrt{2}}{5} - \frac{8\sqrt{2}}{3} + 4\sqrt{2} \right) = 2\sqrt{2} \left( \frac{12 - 40 + 60}{15} \right) = \frac{64\sqrt{2}}{15}$$
となる。
解説
極値の条件から関数を決定する際、求めた係数が十分条件を満たしているか(本当に極値になるか)を増減表などで確認する手順が重要である。極値の計算では、次数下げの手法(関数を導関数などで割った余りを用いる方法)が計算ミスを防ぐために有効である。 4次関数の複接線を求める問題は典型的なパターンであり、差をとった式が $(x-p)^2(x-q)^2$ と表せることを利用して係数比較を行う手法は確実に押さえておきたい。面積計算においても、積分区間が対称であることを利用し、偶関数の性質を用いて計算を簡略化するとよい。
答え
ア: $-4$
イ: $4$
ウ: $\frac{-1-\sqrt{5}}{2}$
エ: $\frac{15-5\sqrt{5}}{2}$
オ: $\frac{-1+\sqrt{5}}{2}$
カ: $\frac{15+5\sqrt{5}}{2}$
キ: $4x+8$
ク: $-\sqrt{2}$
ケ: $\sqrt{2}$
コ: $\frac{64\sqrt{2}}{15}$
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