数学2 面積・接線 問題 81 解説

方針・初手
(1) は、曲線が2点で同一の直線 $\ell$ に接するという条件から、まず $\ell$ の方程式を特定する。その後、「2つのグラフが接する $\iff$ 差の式が2乗を因数にもつ」という定石を用いて関数 $f(x)$ を決定する。
(2) は、求める直線 $\ell'$ を $\ell$ と平行な直線として文字でおき、曲線と接する条件を考える。方程式が重解をもつ条件として処理するが、定数を分離してグラフの上下の動きとして捉えると見通しがよい。
(3) は、(2) で求めた直線 $\ell'$ と曲線 $C$ の交点を求め、上下関係を把握してから定積分を行う。4次式の積分計算になるため、適宜置換積分(変数の平行移動)を用いて計算を簡略化する。
解法1
(1)
曲線 $C: y = f(x)$ は2点 $(0, 0), (2, 2)$ を通り、これら2点での接線が同一の直線 $\ell$ である。 したがって、直線 $\ell$ はこの2点を通る直線にほかならない。 直線 $\ell$ の傾きは $\frac{2 - 0}{2 - 0} = 1$ であり、原点を通るから、その方程式は
$$y = x$$
である。
$C$ は直線 $\ell$ と $x = 0$ および $x = 2$ の2点で接するため、$f(x) - x$ は $(x - 0)^2 = x^2$ と $(x - 2)^2$ を因数にもつ。 また、$f(x)$ は $x^4$ の係数が $1$ の4次式であるから、
$$f(x) - x = 1 \cdot x^2 (x - 2)^2$$
と表せる。 これを展開して整理すると、
$$f(x) = x^2 (x^2 - 4x + 4) + x$$
$$f(x) = x^4 - 4x^3 + 4x^2 + x$$
となる。
(2)
直線 $\ell'$ は $\ell: y = x$ に平行で、かつ $\ell$ と異なる直線であるから、その方程式を
$$y = x + k \quad (k \neq 0)$$
とおくことができる。 $\ell'$ が $C$ に接するとき、方程式 $f(x) = x + k$ すなわち
$$x^4 - 4x^3 + 4x^2 + x = x + k$$
$$x^2(x - 2)^2 = k$$
が重解をもつ。
ここで、関数 $g(x) = x^2(x - 2)^2$ を考える。
$$g(x) = \{x(x - 2)\}^2 = (x^2 - 2x)^2 = \{(x - 1)^2 - 1\}^2$$
と変形できることから、$y = g(x)$ のグラフは $x = 1$ で極大値 $1$ をとり、$x = 0, 2$ で極小値 $0$ をとる。 $y = g(x)$ と $y = k$ が接するのは、$k = 1$ (極大)または $k = 0$ (極小)のときである。 $k \neq 0$ であるから、$k = 1$ となる。 したがって、直線 $\ell'$ の方程式は
$$y = x + 1$$
である。
(3)
$\ell'$ と $C$ の交点の $x$ 座標は、方程式 $f(x) = x + 1$ の解である。
$$x^2(x - 2)^2 = 1$$
$$(x^2 - 2x)^2 - 1 = 0$$
$$(x^2 - 2x - 1)(x^2 - 2x + 1) = 0$$
$$(x^2 - 2x - 1)(x - 1)^2 = 0$$
これより、$x = 1, 1 \pm \sqrt{2}$ を得る。
$x = 1$ は $\ell'$ と $C$ の接点の $x$ 座標であり、曲線 $C$ と直線 $\ell'$ で囲まれた部分は $1 - \sqrt{2} \le x \le 1$ と $1 \le x \le 1 + \sqrt{2}$ の2か所である。 この区間において、$(x - 1)^2 \le 2$ より $(x^2 - 2x)^2 \le 1$、すなわち $x^2(x - 2)^2 \le 1$ が成り立つから、$f(x) - x \le 1$ となり $f(x) \le x + 1$ である。 よって、この区間で直線 $\ell'$ は曲線 $C$ の上側にある。
求める面積の和を $S$ とすると、
$$S = \int_{1 - \sqrt{2}}^{1 + \sqrt{2}} \{(x + 1) - f(x)\} dx = \int_{1 - \sqrt{2}}^{1 + \sqrt{2}} \{1 - x^2(x - 2)^2\} dx$$
となる。 ここで、$t = x - 1$ とおくと、$dx = dt$ であり、積分区間は $-\sqrt{2} \le t \le \sqrt{2}$ となる。 また、$x(x - 2) = (t + 1)(t - 1) = t^2 - 1$ であるから、
$$S = \int_{-\sqrt{2}}^{\sqrt{2}} \{1 - (t^2 - 1)^2\} dt$$
と書き換えられる。 被積分関数は偶関数であるから、
$$S = 2 \int_{0}^{\sqrt{2}} (- t^4 + 2t^2) dt$$
$$S = 2 \left[ - \frac{1}{5}t^5 + \frac{2}{3}t^3 \right]_{0}^{\sqrt{2}}$$
$$S = 2 \left( - \frac{1}{5} \cdot 4\sqrt{2} + \frac{2}{3} \cdot 2\sqrt{2} \right)$$
$$S = 2\sqrt{2} \left( - \frac{4}{5} + \frac{4}{3} \right)$$
$$S = 2\sqrt{2} \cdot \frac{8}{15} = \frac{16\sqrt{2}}{15}$$
となる。
解説
(1) は、共通接線の条件を多項式の因数定理・剰余の定理に帰着させる定石問題である。接点での差が2乗を因数にもつことを用いると、未知数をおかずに $f(x)$ を素早く決定できる。
(2) も、接する条件をグラフの共有点にすり替えるのが効果的である。$y=x^2(x-2)^2$ のグラフの概形を描いて視覚的に捉えることで、極大値をとる際の接線が求める直線であると容易に判断できる。
(3) は、4次関数のグラフが線対称($x=1$ に関して対称)であることを活かしている。積分計算において $t = x-1$ の平行移動を行うと、展開や代入の手間が減り、計算ミスを大幅に防ぐことができる。偶関数の性質を利用するのも重要なポイントである。
答え
(1) $f(x) = x^4 - 4x^3 + 4x^2 + x$
(2) $y = x + 1$
(3) $\frac{16\sqrt{2}}{15}$
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