数学2 面積・接線 問題 83 解説

方針・初手
放物線外の点から引いた接線の方程式を求める典型問題である。接点の $x$ 座標を文字でおき、接線の方程式を立ててから、それが与えられた点を通るという条件を利用して接点の座標を決定する。面積計算については、放物線と2接線で囲まれた図形の面積の性質を利用すると計算量を減らすことができる。
解法1
放物線の方程式を $f(x) = x^2 - 5x + 8$ とおく。
$$f'(x) = 2x - 5$$
放物線上の接点の座標を $(t, t^2 - 5t + 8)$ とおくと、この点における接線の方程式は次のようになる。
$$y - (t^2 - 5t + 8) = (2t - 5)(x - t)$$
整理すると、
$$y = (2t - 5)x - t^2 + 8$$
この接線が点 $(3, 1)$ を通るため、$x = 3$、$y = 1$ を代入する。
$$1 = 3(2t - 5) - t^2 + 8$$
整理して $t$ についての2次方程式を解く。
$$t^2 - 6t + 8 = 0$$
$$(t - 2)(t - 4) = 0$$
これより、接点の $x$ 座標は $t = 2, 4$ である。
接線の傾きは $2t - 5$ であり、それぞれについて傾きを調べる。
$t = 2$ のとき
傾きは $2 \cdot 2 - 5 = -1 < 0$ であるため、これが接線 $m$ に対応する。 接線 $m$ の方程式は、$y = -x + 4$ となる。
$t = 4$ のとき
傾きは $2 \cdot 4 - 5 = 3 > 0$ であるため、これが接線 $\ell$ に対応する。 接線 $\ell$ の方程式は、$y = 3x - 4^2 + 8$ より、$y = 3x - 8$ となる。
次に、放物線と2本の接線で囲まれた部分の面積 $S$ を求める。 2接線の交点の $x$ 座標は、与えられた点 $(3, 1)$ の $x$ 座標であるから $3$ である。 求める面積 $S$ は、区間 $[2, 3]$ における放物線と接線 $m$ の間の面積と、区間 $[3, 4]$ における放物線と接線 $\ell$ の間の面積の和である。
$$S = \int_{2}^{3} \{(x^2 - 5x + 8) - (-x + 4)\} dx + \int_{3}^{4} \{(x^2 - 5x + 8) - (3x - 8)\} dx$$
$$S = \int_{2}^{3} (x^2 - 4x + 4) dx + \int_{3}^{4} (x^2 - 8x + 16) dx$$
$$S = \int_{2}^{3} (x - 2)^2 dx + \int_{3}^{4} (x - 4)^2 dx$$
$$S = \left[ \frac{1}{3}(x - 2)^3 \right]_{2}^{3} + \left[ \frac{1}{3}(x - 4)^3 \right]_{3}^{4}$$
$$S = \frac{1}{3} (1^3 - 0^3) + \frac{1}{3} (0^3 - (-1)^3)$$
$$S = \frac{1}{3} + \frac{1}{3} = \frac{2}{3}$$
解説
放物線外の点から引いた接線を求める際、点 $(3, 1)$ を通る直線 $y - 1 = m(x - 3)$ と放物線が接する(判別式 $D = 0$)という解法も可能であるが、接点の座標が面積計算で必要となるため、本解法のように接点をおいて立式する方が結果的に見通しが良い。
また、放物線 $y = ax^2 + bx + c$ とその上の2点 $x = \alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$)における2本の接線で囲まれた図形の面積 $S$ は、以下の公式(いわゆる $\frac{1}{12}$ 公式)が成り立つことが知られており、これを用いると面積計算を瞬時に行うことができる。
$$S = \frac{|a|}{12} (\beta - \alpha)^3$$
本問では、$a = 1$、$\alpha = 2$、$\beta = 4$ であるから、次のように即座に求まる。
$$S = \frac{1}{12} (4 - 2)^3 = \frac{8}{12} = \frac{2}{3}$$
穴埋め問題であれば、この性質を利用して計算時間を短縮したいところである。
答え
(セ) $3x - 8$
(ソ) $\frac{2}{3}$
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