トップ 基礎問題 数学2 式と証明 相加相乗平均の関係 問題 4

数学2 相加相乗平均の関係 問題 4 解説

数学2 相加相乗平均の関係 問題 4 解説

方針・初手

与えられた式を展開し、積が定数となる項のペアを見つける。その後、相加平均と相乗平均の大小関係を用いて最小値を求める。

解法1

与式を展開して整理する。

$$(a+2b)\left(\frac{1}{a} + \frac{2}{b}\right) = 1 + \frac{2a}{b} + \frac{2b}{a} + 4$$

$$= 5 + \frac{2a}{b} + \frac{2b}{a}$$

ここで、$a > 0, b > 0$ であるから、$\frac{2a}{b} > 0, \frac{2b}{a} > 0$ である。 相加平均と相乗平均の大小関係より、以下の不等式が成り立つ。

$$\frac{2a}{b} + \frac{2b}{a} \geqq 2\sqrt{\frac{2a}{b} \cdot \frac{2b}{a}}$$

右辺を計算する。

$$2\sqrt{\frac{2a}{b} \cdot \frac{2b}{a}} = 2\sqrt{4} = 4$$

したがって、不等式は次のようになる。

$$\frac{2a}{b} + \frac{2b}{a} \geqq 4$$

両辺に $5$ を加える。

$$5 + \frac{2a}{b} + \frac{2b}{a} \geqq 5 + 4 = 9$$

等号が成立するのは、$\frac{2a}{b} = \frac{2b}{a}$ のときである。 これを整理すると $a^2 = b^2$ となり、$a > 0, b > 0$ より $a = b$ のときに等号が成立する。 $a=b$ となる実数 $a,b$ (例えば $a=1, b=1$)は存在するため、最小値は $9$ である。

解法2

コーシー・シュワルツの不等式を用いる。 実数 $x, y, z, w$ について、$(x^2 + y^2)(z^2 + w^2) \geqq (xz + yw)^2$ が成り立つことを利用する。

$a > 0, b > 0$ より、与式を平方の和の積の形で表す。

$$(a+2b)\left(\frac{1}{a} + \frac{2}{b}\right) = \left\{(\sqrt{a})^2 + (\sqrt{2b})^2\right\} \left\{ \left(\frac{1}{\sqrt{a}}\right)^2 + \left(\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{b}}\right)^2 \right\}$$

コーシー・シュワルツの不等式を適用する。

$$\left\{(\sqrt{a})^2 + (\sqrt{2b})^2\right\} \left\{ \left(\frac{1}{\sqrt{a}}\right)^2 + \left(\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{b}}\right)^2 \right\} \geqq \left( \sqrt{a} \cdot \frac{1}{\sqrt{a}} + \sqrt{2b} \cdot \frac{\sqrt{2}}{\sqrt{b}} \right)^2$$

右辺を計算する。

$$\left( 1 + \sqrt{4} \right)^2 = (1 + 2)^2 = 3^2 = 9$$

したがって、与式は $9$ 以上となる。

$$(a+2b)\left(\frac{1}{a} + \frac{2}{b}\right) \geqq 9$$

等号が成立するのは、$\frac{\sqrt{a}}{\frac{1}{\sqrt{a}}} = \frac{\sqrt{2b}}{\frac{\sqrt{2}}{\sqrt{b}}}$ のときである。 これを整理すると $a = b$ となり、条件 $a > 0, b > 0$ を満たす実数 $a, b$ が存在するため、最小値は $9$ である。

解説

2つの正の数の和の最小値を求める際、相加平均と相乗平均の大小関係を用いるのが典型的な手法である。 本問で注意すべき点は、展開せずに $(a+2b) \geqq 2\sqrt{2ab}$ と $\frac{1}{a} + \frac{2}{b} \geqq 2\sqrt{\frac{2}{ab}}$ をそれぞれ作り、辺々を掛け合わせるという誤答である。 これを実行すると $(a+2b)\left(\frac{1}{a} + \frac{2}{b}\right) \geqq 4\sqrt{4} = 8$ となるが、それぞれの等号成立条件が $a = 2b$ と $b = 2a$ となり、これらを同時に満たす正の数 $a, b$ は存在しない。 そのため、$8$ は下界ではあるが最小値にはならない。一度展開してから相加平均と相乗平均の大小関係を用いるのが定石である。

答え

9

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