数学2 相加相乗平均の関係 問題 5 解説

方針・初手
問題の条件 $a > -1$、$b > -2$ から、$a+1 > 0$、$b+2 > 0$ であることに着目する。
与えられた式の分母に $a+1$ と $b+2$ が含まれているため、全体の式を $a+1$ と $b+2$ の塊で表すように変形する。具体的には、$2b$ を無理やり $2(b+2)$ の形にし、定数の調整を行うことで、相加平均と相乗平均の大小関係が利用できる形を作り出すのが第一歩である。
解法1
$x = a+1$、$y = b+2$ とおくと、条件 $a > -1$、$b > -2$ より、$x > 0$、$y > 0$ である。
与えられた式を $x, y$ を用いて変形すると、以下のようになる。
$$ 2b + \frac{2}{a+1} + \frac{2a+2}{b+2} = 2(y-2) + \frac{2}{x} + \frac{2x}{y} = 2y + \frac{2}{x} + \frac{2x}{y} - 4 $$
$x > 0, y > 0$ であるから、$2y > 0$、$\frac{2}{x} > 0$、$\frac{2x}{y} > 0$ が成り立つ。
3つの正の数に対する相加平均と相乗平均の大小関係より、次の不等式が成り立つ。
$$ 2y + \frac{2}{x} + \frac{2x}{y} \ge 3 \sqrt[3]{2y \cdot \frac{2}{x} \cdot \frac{2x}{y}} $$
右辺の根号の中身を計算すると、$2y \cdot \frac{2}{x} \cdot \frac{2x}{y} = 8$ となるため、
$$ 2y + \frac{2}{x} + \frac{2x}{y} \ge 3 \sqrt[3]{8} = 6 $$
となる。
等号が成立するのは、$2y = \frac{2}{x} = \frac{2x}{y}$ のときである。
$2y = \frac{2x}{y}$ より $y^2 = x$ を得る。
また、$2y = \frac{2}{x}$ より $xy = 1$ を得る。
これらを連立させると、$y^3 = 1$ となり、$y$ は実数であるから $y=1$ となる。
このとき $x=1$ であり、これらは $x > 0, y > 0$ を満たす。
$x=1, y=1$ のとき、元の変数に戻すと $a=0, b=-1$ であり、問題の条件を満たす。
以上より、与えられた式の最小値は
$$ 6 - 4 = 2 $$
である。
解法2
式の変形までは解法1と同様であり、与えられた式は以下のように表せる。
$$ 2y + \frac{2}{x} + \frac{2x}{y} - 4 \quad (x > 0, y > 0) $$
まず、第2項と第3項に対して、2つの正の数に関する相加平均と相乗平均の大小関係を用いる。
$$ \frac{2}{x} + \frac{2x}{y} \ge 2\sqrt{\frac{2}{x} \cdot \frac{2x}{y}} = \frac{4}{\sqrt{y}} $$
等号が成立するのは $\frac{2}{x} = \frac{2x}{y}$、すなわち $x = \sqrt{y}$ のときである。
この結果から、元の式は次のように評価できる。
$$ 2y + \frac{2}{x} + \frac{2x}{y} - 4 \ge 2y + \frac{4}{\sqrt{y}} - 4 $$
次に、$2y + \frac{4}{\sqrt{y}} - 4$ の最小値を求める。
$\sqrt{y} = s$ ($s > 0$) とおくと、この式は $2s^2 + \frac{4}{s} - 4$ となる。
ここで、この式から $2$ を引いた値を計算して因数分解する。
$$ 2s^2 + \frac{4}{s} - 6 = \frac{2s^3 - 6s + 4}{s} = \frac{2(s-1)^2(s+2)}{s} $$
$s > 0$ であるから、$(s-1)^2 \ge 0$ かつ $s+2 > 0$ となり、
$$ \frac{2(s-1)^2(s+2)}{s} \ge 0 $$
が常に成り立つ。
したがって、$2s^2 + \frac{4}{s} - 4 \ge 2$ であり、等号は $s=1$ すなわち $y=1$ のとき成立する。
等号成立条件をまとめると、$y=1$ かつ $x = \sqrt{y} = 1$ のときであり、これは $a=0, b=-1$ のときに該当する。
よって、最小値は 2 である。
解説
複数の項の和の最小値を求める問題において、各項の積が定数になるように変形できる場合は、相加平均と相乗平均の大小関係を利用するのが典型的な手法である。
本問では分母にある $a+1$ や $b+2$ という塊に注目し、式全体をこれらの文字で置き換えて見通しを良くすることが重要になる。
解法1では3変数の相加平均と相乗平均の大小関係を直接用いたため、非常に簡潔に結論が得られる。一方、解法2のように2変数の関係を適用してから残りの変数の最小値を多項式の変形(あるいは微積分)を用いて求めることも可能であり、3変数の関係を公式として用いることに不安がある場合は有効な手段となる。
答え
2 ($a=0, b=-1$ のとき)
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





