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数学2 相加相乗平均の関係 問題 8 解説

数学2 相加相乗平均の関係 問題 8 解説

方針・初手

式の中に共通して現れる $x + \frac{1}{x}$ を一つの文字に置き換えることで、変数が1つの二次関数の最小値を求める問題に帰着させる。このとき、文字を置き換えたことによって生じる、新しい変数のとり得る値の範囲(変域)を正確に求めることが重要である。

解法1

$t = x + \frac{1}{x}$ とおく。

$x > 0$ のとき、相加平均と相乗平均の関係より、

$$x + \frac{1}{x} \geqq 2\sqrt{x \cdot \frac{1}{x}} = 2$$

等号は $x = \frac{1}{x}$ かつ $x > 0$、すなわち $x = 1$ のとき成り立つ。

$x < 0$ のとき、$-x > 0$ かつ $-\frac{1}{x} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の関係より、

$$(-x) + \left(-\frac{1}{x}\right) \geqq 2\sqrt{(-x) \cdot \left(-\frac{1}{x}\right)} = 2$$

$$-\left(x + \frac{1}{x}\right) \geqq 2$$

$$x + \frac{1}{x} \leqq -2$$

等号は $-x = -\frac{1}{x}$ かつ $x < 0$、すなわち $x = -1$ のとき成り立つ。

したがって、$t$ のとり得る値の範囲は $t \leqq -2$ または $2 \leqq t$ である。

与えられた関数を $t$ で表し、これを $g(t)$ とおくと、

$$g(t) = t^2 - t$$

これを平方完成すると、

$$g(t) = \left(t - \frac{1}{2}\right)^2 - \frac{1}{4}$$

放物線 $y = g(t)$ は下に凸であり、軸は直線 $t = \frac{1}{2}$ である。

定義域 $t \leqq -2$ および $2 \leqq t$ の範囲において、グラフは $t = 2$ のとき、軸に最も近くなる。

したがって、$g(t)$ は $t = 2$ のとき最小となる。

最小値は、

$$g(2) = 2^2 - 2 = 2$$

このとき、$x = 1$ であるから、条件も満たしている。

解法2

$t = x + \frac{1}{x}$ とおく。

両辺に $x$ を掛け、 $x$ についての二次方程式として整理すると、

$$x^2 - tx + 1 = 0$$

$x$ は $0$ でない実数であるから、この $x$ についての二次方程式は実数解をもつ。その判別式を $D$ とすると、$D \geqq 0$ であるから、

$$D = (-t)^2 - 4 \cdot 1 \cdot 1 = t^2 - 4 \geqq 0$$

$$(t + 2)(t - 2) \geqq 0$$

よって、$t$ のとり得る値の範囲は $t \leqq -2$ または $2 \leqq t$ である。

与えられた関数を $t$ で表し、これを $g(t)$ とおくと、

$$g(t) = t^2 - t = \left(t - \frac{1}{2}\right)^2 - \frac{1}{4}$$

定義域 $t \leqq -2$ および $2 \leqq t$ の範囲において、$g(t)$ は $t = 2$ のとき最小となる。

最小値は、

$$g(2) = 2^2 - 2 = 2$$

$t = 2$ のとき、二次方程式 $x^2 - 2x + 1 = 0$ より $(x-1)^2 = 0$ となり、$x = 1$(実数)が存在する。

解説

共通する式を1つの文字に置き換えて関数を単純化する、典型的な問題である。置換をした際には、新しい変数のとり得る値の範囲(変域)を必ず確認しなければならない。

変域を求めるにあたり、解法1のように相加平均と相乗平均の関係を用いるのが簡明であるが、問題文の条件が「実数」であるため、$x < 0$ の場合を見落とさないように注意が必要である。解法2のように実数解をもつ条件(判別式)を利用すると、符号による場合分けなしに安全に変域を求めることができるため、有力な手法である。

答え

最小値 $2$

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