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数学2 相加相乗平均の関係 問題 9 解説

数学2 相加相乗平均の関係 問題 9 解説

方針・初手

(1) は、正の実数という条件が与えられていることから、相加平均と相乗平均の大小関係を用いるか、あるいは差をとって平方完成することで証明する。

(2) は、(1) の結果を誘導として利用する。左辺を展開し、2つの項ずつのペアを作って (1) の不等式を適用する方針が自然である。また、コーシー・シュワルツの不等式を利用すると一気に証明することも可能である。

解法1

(1)

$x > 0, y > 0$ より、$\frac{y}{x} > 0, \frac{x}{y} > 0$ である。

相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$ \frac{y}{x} + \frac{x}{y} \geqq 2\sqrt{\frac{y}{x} \cdot \frac{x}{y}} = 2 $$

が成り立つ。

等号が成立するのは、$\frac{y}{x} = \frac{x}{y}$ のときである。$x > 0, y > 0$ であるから、分母を払って $y^2 = x^2$ より $x = y$ のときに等号が成立する。

(2)

左辺を展開すると、

$$ (a_1 + \cdots + a_n)\left(\frac{1}{a_1} + \cdots + \frac{1}{a_n}\right) = \sum_{i=1}^n a_i \sum_{j=1}^n \frac{1}{a_j} = \sum_{i=1}^n \sum_{j=1}^n \frac{a_i}{a_j} $$

となる。この展開式は、$n^2$ 個の項からなる。

これらを $i = j$ の場合と $i \neq j$ の場合に分ける。

$i = j$ のとき、$\frac{a_i}{a_i} = 1$ であり、このような項は $n$ 個あるため、その和は $n$ となる。

$i \neq j$ のとき、項 $\frac{a_i}{a_j}$ と $\frac{a_j}{a_i}$ のペアを考える。このようなペアは全部で $\frac{n(n-1)}{2}$ 個存在する。

(1) の結果より、各ペアについて $a_i > 0, a_j > 0$ であるから、

$$ \frac{a_i}{a_j} + \frac{a_j}{a_i} \geqq 2 $$

が成り立つ。

したがって、総和をとると、

$$ \begin{aligned} \sum_{i=1}^n \sum_{j=1}^n \frac{a_i}{a_j} &= \sum_{i=1}^n \frac{a_i}{a_i} + \sum_{i < j} \left( \frac{a_i}{a_j} + \frac{a_j}{a_i} \right) \\ &\geqq n + \sum_{i < j} 2 \\ &= n + 2 \cdot \frac{n(n-1)}{2} \\ &= n + n^2 - n \\ &= n^2 \end{aligned} $$

となり、与えられた不等式が成り立つことが示された。

等号が成立するのは、すべてのペア $(i, j)$ (ただし $i < j$)に対して $\frac{a_i}{a_j} + \frac{a_j}{a_i} = 2$ となるときである。

(1) より、これはすべての $i < j$ について $a_i = a_j$ となるときであり、すなわち $a_1 = a_2 = \cdots = a_n$ のときである。

解法2

(1)

実数の平方についての性質を用いる。

$$ \frac{y}{x} + \frac{x}{y} - 2 = \frac{x^2 - 2xy + y^2}{xy} = \frac{(x-y)^2}{xy} $$

ここで、$x > 0, y > 0$ であるから $xy > 0$ であり、また実数に対して $(x-y)^2 \geqq 0$ である。

したがって、

$$ \frac{(x-y)^2}{xy} \geqq 0 $$

すなわち、

$$ \frac{y}{x} + \frac{x}{y} \geqq 2 $$

が成り立つ。

等号が成立するのは、$(x-y)^2 = 0$ のとき、すなわち $x = y$ のときである。

(2)

コーシー・シュワルツの不等式を用いる。

一般に、実数 $x_1, \cdots, x_n$ と $y_1, \cdots, y_n$ に対して、

$$ (x_1^2 + \cdots + x_n^2)(y_1^2 + \cdots + y_n^2) \geqq (x_1 y_1 + \cdots + x_n y_n)^2 $$

が成り立つ。等号成立条件は、零ベクトルでない場合、ある実数 $k$ が存在して $x_i = k y_i$ ($i = 1, \cdots, n$)となるときである。

$a_i > 0$ であるから、$x_i = \sqrt{a_i}$、$y_i = \frac{1}{\sqrt{a_i}}$ とおくと、これらはすべて正の実数となる。

コーシー・シュワルツの不等式に代入すると、

$$ \left( (\sqrt{a_1})^2 + \cdots + (\sqrt{a_n})^2 \right) \left( \left(\frac{1}{\sqrt{a_1}}\right)^2 + \cdots + \left(\frac{1}{\sqrt{a_n}}\right)^2 \right) \geqq \left( \sqrt{a_1}\frac{1}{\sqrt{a_1}} + \cdots + \sqrt{a_n}\frac{1}{\sqrt{a_n}} \right)^2 $$

左辺を整理すると、

$$ (a_1 + \cdots + a_n)\left(\frac{1}{a_1} + \cdots + \frac{1}{a_n}\right) $$

右辺は、

$$ (1 + \cdots + 1)^2 = n^2 $$

となるため、

$$ (a_1 + \cdots + a_n)\left(\frac{1}{a_1} + \cdots + \frac{1}{a_n}\right) \geqq n^2 $$

が示された。

等号が成立するのは、ある正の定数 $k$ が存在して、すべての $i$ について $\sqrt{a_i} = k \frac{1}{\sqrt{a_i}}$ が成り立つときである。

これを変形すると $a_i = k$ となるため、すなわち $a_1 = a_2 = \cdots = a_n$ のときに等号が成立する。

解説

(1) は基本的な不等式の証明であり、相加平均と相乗平均の大小関係を用いるのが最も簡明である。

(2)(1) を誘導と見なして展開して項のペアを作る解法が、出題者の意図に沿った標準的なアプローチである。一方で、コーシー・シュワルツの不等式を知っていれば、誘導を気にせず簡潔に証明することもできる。いずれの解法においても、等号成立条件の確認を漏らさないように注意が必要である。

答え

(1)

与式は示された。等号成立条件は $x = y$

(2)

与式は示された。等号成立条件は $a_1 = a_2 = \cdots = a_n$

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