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数学2 二項定理 問題 4 解説

数学2 二項定理 問題 4 解説

方針・初手

問題文の注釈で与えられている通り、二項定理によって得られる恒等式 $(1+x)^n = \sum_{k=0}^n {}_n\text{C}_k x^k$ の両辺を $x=0$ から $x=1$ まで定積分して求めるのが自然である。また、二項係数の階乗による定義式を展開して関係式を導出し、和を計算する別解も考えられる。

解法1

二項定理より、以下の等式が成り立つ。

$$(1+x)^n = \sum_{k=0}^n {}_n\text{C}_k x^k$$

この等式は $x$ についての恒等式であるから、両辺を $x=0$ から $x=1$ まで定積分しても等号は成り立つ。

左辺の定積分を計算すると、

$$\int_{0}^{1} (1+x)^n \,dx = \left[ \frac{(1+x)^{n+1}}{n+1} \right]_{0}^{1} = \frac{2^{n+1} - 1^{n+1}}{n+1} = \frac{2^{n+1}-1}{n+1}$$

となる。

次に、右辺の定積分を計算すると、

$$\int_{0}^{1} \left( \sum_{k=0}^n {}_n\text{C}_k x^k \right) \,dx = \sum_{k=0}^n {}_n\text{C}_k \left[ \frac{x^{k+1}}{k+1} \right]_{0}^{1} = \sum_{k=0}^n \frac{{}_n\text{C}_k}{k+1}$$

となる。この右辺の定積分は、求める和そのものである。

したがって、左辺の定積分の結果と等しいから、求める和は

$$\frac{2^{n+1}-1}{n+1}$$

である。

解法2

求める和の一般項である $\frac{{}_n\text{C}_k}{k+1}$ を、階乗を用いて変形する。

$$\frac{{}_n\text{C}_k}{k+1} = \frac{1}{k+1} \cdot \frac{n!}{k!(n-k)!} = \frac{1}{n+1} \cdot \frac{(n+1)!}{(k+1)!(n-k)!}$$

ここで、$(n-k)! = \{ (n+1) - (k+1) \}!$ であることに着目すると、

$$\frac{{}_n\text{C}_k}{k+1} = \frac{1}{n+1} {}_{n+1}\text{C}_{k+1}$$

という関係式が得られる。これを用いて求める和 $S$ を変形すると、

$$S = \sum_{k=0}^n \frac{{}_n\text{C}_k}{k+1} = \sum_{k=0}^n \frac{1}{n+1} {}_{n+1}\text{C}_{k+1} = \frac{1}{n+1} \sum_{k=0}^n {}_{n+1}\text{C}_{k+1}$$

となる。ここで、$j = k+1$ とおくと、和の範囲は $k=0, 1, \dots, n$ から $j=1, 2, \dots, n+1$ となるため、

$$S = \frac{1}{n+1} \sum_{j=1}^{n+1} {}_{n+1}\text{C}_j$$

と表せる。二項定理 $(1+x)^{n+1} = \sum_{j=0}^{n+1} {}_{n+1}\text{C}_j x^j$ に $x=1$ を代入すると、

$$\sum_{j=0}^{n+1} {}_{n+1}\text{C}_j = 2^{n+1}$$

となる。これを用いると、

$$\sum_{j=1}^{n+1} {}_{n+1}\text{C}_j = \sum_{j=0}^{n+1} {}_{n+1}\text{C}_j - {}_{n+1}\text{C}_0 = 2^{n+1} - 1$$

であることがわかる。ゆえに、求める和 $S$ は、

$$S = \frac{2^{n+1}-1}{n+1}$$

となる。

解説

二項係数を含む級数の和を求める典型問題である。

解法1のように、母関数(この問題では $(1+x)^n$)を微分したり積分したりすることで、目的の係数を作り出す手法は非常に強力である。二項係数に $k$ が掛けられている場合は微分を、$\frac{1}{k+1}$ が掛けられている場合は積分を考えるとよい。

解法2のように、二項係数の定義である階乗の式に立ち返り、別の二項係数を作り出す変形も定石である。とくに $\frac{{}_n\text{C}_k}{k+1} = \frac{{}_{n+1}\text{C}_{k+1}}{n+1}$ や $k \cdot {}_n\text{C}_k = n \cdot {}_{n-1}\text{C}_{k-1}$ といった等式は、頻出の変形操作であるため、いつでも導出できるようにしておきたい。

答え

$\frac{2^{n+1}-1}{n+1}$

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