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数学2 二項定理 問題 6 解説

数学2 二項定理 問題 6 解説

方針・初手

二項定理を活用して等式を導出する典型的な問題である。すべての出発点となるのは、以下の二項定理の等式である。

$$(1+x)^n = {}_n\text{C}_0 + {}_n\text{C}_1 x + {}_n\text{C}_2 x^2 + \cdots + {}_n\text{C}_n x^n$$

(1) はこの恒等式に具体的な数値を代入して得る。(2) は両辺を $x$ について微分してから数値を代入するか、二項係数の性質を利用して式変形を行う。(3) は二項定理を展開した式において、二項係数が持つ対称性 ${}_n\text{C}_r = {}_n\text{C}_{n-r}$ に着目する。

解法1

(1)

二項定理により、以下の恒等式が成り立つ。

$$(1+x)^n = {}_n\text{C}_0 + {}_n\text{C}_1 x + {}_n\text{C}_2 x^2 + \cdots + {}_n\text{C}_n x^n$$

この両辺に $x=1$ を代入する。

$$(1+1)^n = {}_n\text{C}_0 + {}_n\text{C}_1 \cdot 1 + {}_n\text{C}_2 \cdot 1^2 + \cdots + {}_n\text{C}_n \cdot 1^n$$

$$2^n = {}_n\text{C}_0 + {}_n\text{C}_1 + {}_n\text{C}_2 + \cdots + {}_n\text{C}_n$$

よって、与えられた等式は成り立つ。

(2)

(1) で用いた二項定理の恒等式の両辺を $x$ について微分する。

$$n(1+x)^{n-1} = {}_n\text{C}_1 + 2 \cdot {}_n\text{C}_2 x + \cdots + n \cdot {}_n\text{C}_n x^{n-1}$$

この両辺に $x=1$ を代入する。

$$n(1+1)^{n-1} = {}_n\text{C}_1 + 2 \cdot {}_n\text{C}_2 \cdot 1 + \cdots + n \cdot {}_n\text{C}_n \cdot 1^{n-1}$$

$$n \cdot 2^{n-1} = {}_n\text{C}_1 + 2 \cdot {}_n\text{C}_2 + \cdots + n \cdot {}_n\text{C}_n$$

よって、与えられた等式は成り立つ。

(3)

二項定理において、指数を $2n+1$ とし、$x=1$ を代入すると以下の式を得る。

$$(1+1)^{2n+1} = {}_{2n+1}\text{C}_0 + {}_{2n+1}\text{C}_1 + \cdots + {}_{2n+1}\text{C}_{2n} + {}_{2n+1}\text{C}_{2n+1}$$

$$2^{2n+1} = \sum_{k=0}^{2n+1} {}_{2n+1}\text{C}_k$$

ここで、二項係数の性質 ${}_N\text{C}_k = {}_N\text{C}_{N-k}$ を用いると、各項は次のように対応する。

$${}_{2n+1}\text{C}_0 = {}_{2n+1}\text{C}_{2n+1}$$

$${}_{2n+1}\text{C}_1 = {}_{2n+1}\text{C}_{2n}$$

$$\vdots$$

$${}_{2n+1}\text{C}_n = {}_{2n+1}\text{C}_{n+1}$$

ゆえに、右辺の総和は前半と後半で等しくなるため、次のように変形できる。

$$2^{2n+1} = ({}_{2n+1}\text{C}_0 + {}_{2n+1}\text{C}_1 + \cdots + {}_{2n+1}\text{C}_n) + ({}_{2n+1}\text{C}_{n+1} + \cdots + {}_{2n+1}\text{C}_{2n+1})$$

$$2^{2n+1} = 2 \times ({}_{2n+1}\text{C}_0 + {}_{2n+1}\text{C}_1 + \cdots + {}_{2n+1}\text{C}_n)$$

両辺を $2$ で割る。

$$2^{2n} = {}_{2n+1}\text{C}_0 + {}_{2n+1}\text{C}_1 + \cdots + {}_{2n+1}\text{C}_n$$

よって、与えられた等式は成り立つ。

解法2

(2) についての別解

各項に含まれる $k \cdot {}_n\text{C}_k$ について、階乗を用いた定義から次のように変形する。$k \ge 1$ のとき、

$$k \cdot {}_n\text{C}_k = k \cdot \frac{n!}{k!(n-k)!}$$

$$= \frac{n!}{(k-1)!(n-k)!}$$

$$= n \cdot \frac{(n-1)!}{(k-1)! \{(n-1)-(k-1)\}!}$$

$$= n \cdot {}_{n-1}\text{C}_{k-1}$$

この関係式を用いて、示したい等式の左辺を変形する。

$$\text{左辺} = \sum_{k=1}^n k \cdot {}_n\text{C}_k$$

$$= \sum_{k=1}^n n \cdot {}_{n-1}\text{C}_{k-1}$$

$$= n \sum_{k=1}^n {}_{n-1}\text{C}_{k-1}$$

ここで、$j = k-1$ とおくと、$k$ が $1$ から $n$ まで変化するとき、$j$ は $0$ から $n-1$ まで変化する。

$$\text{左辺} = n \sum_{j=0}^{n-1} {}_{n-1}\text{C}_j$$

(1) で示した通り、$\sum_{j=0}^{n-1} {}_{n-1}\text{C}_j = 2^{n-1}$ であるから、

$$\text{左辺} = n \cdot 2^{n-1}$$

となり、等式が成り立つことが示された。

解説

二項係数の和に関する極めて標準的な問題である。二項定理 $(1+x)^n = \sum_{k=0}^n {}_n\text{C}_k x^k$ を活用する発想が不可欠である。(1) は $x=1$ を代入するだけの基本事項である。(2) は両辺を $x$ で微分してから $x=1$ を代入する方法が最も簡明であり、多項式の微分を知っていれば容易に導ける。一方で解法2で示した変形 $k \cdot {}_n\text{C}_k = n \cdot {}_{n-1}\text{C}_{k-1}$ は、確率・期待値の計算などでも頻出するため、必ず習得しておきたい。(3) は二項展開における係数が左右対称であることを利用し、全体の和の半分が求める値になることを示す典型的な手法である。

答え

(1) 題意の通り証明された。(証明は解答参照)

(2) 題意の通り証明された。(証明は解答参照)

(3) 題意の通り証明された。(証明は解答参照)

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