数学2 二項定理 問題 9 解説

方針・初手
(1) は二項定理を用いて展開式の一般項から係数を求める。
(2) は (1) で求めた係数の式を用いて、階乗の性質を利用して比を計算する。
(3) は二項係数を含む数列の最大値を求める典型問題である。(2) で求めた隣接する項の比と $1$ の大小関係を調べることで、数列 $\{a_r\}$ の増減を把握し、最大となる項を見つける。
解法1
(1)
二項定理より、$(x+3)^n$ の展開式の一般項は
$${}_n\text{C}_r x^r 3^{n-r}$$
である。よって、$x^r$ の係数 $a_r$ は
$$a_r = {}_n\text{C}_r 3^{n-r}$$
(2)
(1) の結果より、
$$a_{r+1} = {}_n\text{C}_{r+1} 3^{n-(r+1)} = {}_n\text{C}_{r+1} 3^{n-r-1}$$
であるから、
$$\begin{aligned} \frac{a_r}{a_{r+1}} &= \frac{{}_n\text{C}_r 3^{n-r}}{{}_n\text{C}_{r+1} 3^{n-r-1}} \\ &= \frac{\frac{n!}{r!(n-r)!} \cdot 3^{n-r}}{\frac{n!}{(r+1)!(n-r-1)!} \cdot 3^{n-r-1}} \\ &= \frac{n!}{r!(n-r)!} \cdot \frac{(r+1)!(n-r-1)!}{n!} \cdot \frac{3^{n-r}}{3^{n-r-1}} \\ &= \frac{r+1}{n-r} \cdot 3 \\ &= \frac{3(r+1)}{n-r} \end{aligned}$$
(3)
$n=99$ のとき、(2) より
$$\frac{a_r}{a_{r+1}} = \frac{3(r+1)}{99-r}$$
$a_r > 0$ であるから、隣接する項の大小関係は $\frac{a_r}{a_{r+1}}$ と $1$ の大小関係によって決まる。
$$\frac{a_r}{a_{r+1}} < 1 \iff a_r < a_{r+1}$$
となる条件を調べると、
$$\frac{3(r+1)}{99-r} < 1$$
$0 \leqq r \leqq 98$ より $99-r > 0$ であるから、両辺に $99-r$ を掛けて
$$\begin{aligned} 3(r+1) &< 99-r \\ 4r &< 96 \\ r &< 24 \end{aligned}$$
したがって、$0 \leqq r \leqq 23$ のとき、$a_r < a_{r+1}$ が成り立つ。
同様に、
$$\frac{a_r}{a_{r+1}} = 1 \iff 4r = 96 \iff r = 24$$
のとき、$a_{24} = a_{25}$ が成り立つ。
さらに、
$$\frac{a_r}{a_{r+1}} > 1 \iff 4r > 96 \iff r > 24$$
のとき、$a_r > a_{r+1}$ が成り立つ。
以上より、数列 $\{a_r\}$ の大小関係は
$$a_0 < a_1 < \cdots < a_{23} < a_{24} = a_{25} > a_{26} > \cdots > a_{99}$$
となる。したがって、$a_r$ が最大となる $r$ の値は、$r = 24, 25$ である。
解説
二項係数を含む数列の最大値を求める標準的な問題である。隣接する2項の比 $\frac{a_{r+1}}{a_r}$ または $\frac{a_r}{a_{r+1}}$ をとり、それと $1$ との大小を比較することで数列の増減を調べる手法は、確率の最大値を求める問題などでも頻出するため、確実に押さえておきたい。
本問では(2)で $\frac{a_r}{a_{r+1}}$ を求める誘導があるため、それに素直に従えばよい。階乗を含む式の計算では、$(n-r)! = (n-r) \cdot (n-r-1)!$ のような変形をスムーズに行えるようにしておくこと。
答え
(1) $a_r = {}_n\text{C}_r 3^{n-r}$
(2) $\frac{a_r}{a_{r+1}} = \frac{3(r+1)}{n-r}$
(3) $r = 24, 25$
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