数学2 二項定理 問題 11 解説

方針・初手
整数を割ったときの余りを求める問題である。合同式を用いることで、計算を大幅に見通しよく進めることができる。 (1)は $2011 = 2010 + 1$ であることに着目する。 (2)は $2^4 = 16$ であり、$17$ を法とすると $16 \equiv -1$ となる性質を利用する。 (3)は与えられた等比数列の和を計算したうえで、(2)と同様に $17$ を法とする合同式を用いて余りを求める。
解法1
(1)
$2010$ を法とする合同式を考える。
$$2011 \equiv 1 \pmod{2010}$$
であるから、両辺を $n$ 乗すると、
$$2011^n \equiv 1^n = 1 \pmod{2010}$$
が成り立つ。したがって、$2011^n$ を $2010$ で割った余りは $1$ である。
(2)
$17$ を法とする合同式を考える。 $2^4 = 16$ であり、$16 \equiv -1 \pmod{17}$ であるから、
$$2^{4n} = (2^4)^n = 16^n \equiv (-1)^n \pmod{17}$$
となる。したがって、
$$2^{4n} - 1 \equiv (-1)^n - 1 \pmod{17}$$
ここで、$n$ の偶奇によって場合分けを行う。
(i) $n$ が偶数のとき
$(-1)^n = 1$ であるから、
$$(-1)^n - 1 = 1 - 1 = 0 \equiv 0 \pmod{17}$$
(ii) $n$ が奇数のとき
$(-1)^n = -1$ であるから、
$$(-1)^n - 1 = -1 - 1 = -2 \equiv 15 \pmod{17}$$
以上より、求める余りは、$n$ が偶数のとき $0$、$n$ が奇数のとき $15$ である。
(3)
数列 $a_n$ は、初項 $1$、公比 $2$、項数 $n+1$ の等比数列の和であるから、
$$a_n = \frac{1 \cdot (2^{n+1} - 1)}{2 - 1} = 2^{n+1} - 1$$
となる。これを用いて各値を計算し、$17$ を法とする合同式で評価する。 (2)の考察から、$2^4 \equiv -1 \pmod{17}$ であることを利用する。
$a_{2010}$ について:
$$a_{2010} = 2^{2011} - 1$$
指数部分を $4$ で割ると $2011 = 4 \times 502 + 3$ となるため、
$$2^{2011} = (2^4)^{502} \cdot 2^3 \equiv (-1)^{502} \cdot 8 = 1 \cdot 8 = 8 \pmod{17}$$
よって、
$$a_{2010} \equiv 8 - 1 = 7 \pmod{17}$$
$a_{2011}$ について:
$$a_{2011} = 2^{2012} - 1$$
$2012 = 4 \times 503$ より、
$$2^{2012} = (2^4)^{503} \equiv (-1)^{503} = -1 \pmod{17}$$
よって、
$$a_{2011} \equiv -1 - 1 = -2 \equiv 15 \pmod{17}$$
$a_{2012}$ について:
$$a_{2012} = 2^{2013} - 1$$
$2^{2013} = 2^{2012} \cdot 2$ より、
$$2^{2013} \equiv -1 \cdot 2 = -2 \pmod{17}$$
よって、
$$a_{2012} \equiv -2 - 1 = -3 \equiv 14 \pmod{17}$$
$a_{2013}$ について:
$$a_{2013} = 2^{2014} - 1$$
$2^{2014} = 2^{2013} \cdot 2$ より、
$$2^{2014} \equiv -2 \cdot 2 = -4 \pmod{17}$$
よって、
$$a_{2013} \equiv -4 - 1 = -5 \equiv 12 \pmod{17}$$
以上より、それぞれの余りが求まる。
解法2
(1)に関して、合同式を用いずに二項定理を用いる解法を示す。
$2011^n = (2010 + 1)^n$ であるから、二項定理を用いて展開すると、
$$(2010 + 1)^n = {}_{n}\mathrm{C}_{0} 2010^n + {}_{n}\mathrm{C}_{1} 2010^{n-1} + \cdots + {}_{n}\mathrm{C}_{n-1} 2010 + {}_{n}\mathrm{C}_{n} 1^n$$
となる。右辺の第 $1$ 項から第 $n$ 項まではすべて $2010$ を因数に持つため、$2010$ の倍数である。 これらを $2010M$ ($M$ は整数)とおくと、
$$(2010 + 1)^n = 2010M + 1$$
と表せる。したがって、$2011^n$ を $2010$ で割った余りは $1$ であることが示された。
解説
合同式を活用することで、極めて見通しよく処理ができる整数問題の典型例である。 累乗の余りを求める際は、「法に対して余りが $1$ または $-1$ になる値」を見つけるのが定石である。(2)において、$17$ を法としたときに $2^4 = 16 \equiv -1$ となることに気づけるかが鍵となる。 また、(3)では数列 $a_n$ の最後の項が $2^n$ であるため、項数が $n$ ではなく $n+1$ になることに注意が必要である。ここで等比数列の和の公式を誤ると、以降の答えがすべてずれてしまうため慎重に立式したい。
答え
(1) 題意の通り証明された。
(2)
$n$ が偶数のとき $0$
$n$ が奇数のとき $15$
(3)
$a_{2010}$ を $17$ で割った余りは $7$
$a_{2011}$ を $17$ で割った余りは $15$
$a_{2012}$ を $17$ で割った余りは $14$
$a_{2013}$ を $17$ で割った余りは $12$
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