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数学2 二項定理 問題 16 解説

数学2 二項定理 問題 16 解説

方針・初手

多項式の割り算において、割る式が $2$ 次式であることから、余りは $1$ 次以下の多項式となる。したがって、余りは $ax+b$ ($a, b$ は定数)とおくことができる。 (1)(3) は割る式が $x^2$ という単項式である。このような場合は、割られる式を二項定理によって展開し、$x^2$ を因数としてくくり出せる部分と、そうでない部分に分ける方法が簡明である。 (2) は完全平方式 $(x-2)^2$ で割るため、余りを $ax+b$ とおいて剰余の定理を用いる方針が基本となる。しかし、代入できる値が $x=2$ の $1$ つしかないため、得られた条件式を用いて文字を減らし、因数分解を利用して式を変形する工夫が必要である。あるいは、変数を置換して展開する方法も有効である。

解法1

(1)

二項定理を用いて $(x+2)^4$ を展開する。

$$(x+2)^4 = x^4 + 4x^3 \cdot 2 + 6x^2 \cdot 2^2 + 4x \cdot 2^3 + 2^4$$

$$= x^4 + 8x^3 + 24x^2 + 32x + 16$$

$$= x^2(x^2 + 8x + 24) + 32x + 16$$

上式より、これを $x^2$ で割ったときの商は $x^2 + 8x + 24$ であり、余りは $32x + 16$ である。 したがって、①は $32$、②は $16$ である。

(2)

$x^4$ を $(x-2)^2$ で割ったときの商を $Q(x)$ とし、余りを $ax+b$ ($a, b$ は定数)とおく。

$$x^4 = (x-2)^2 Q(x) + ax + b$$

この式は恒等式であるから、$x=2$ を代入すると、

$$16 = 2a + b \iff b = 16 - 2a$$

これを元の式に代入して変形する。

$$x^4 = (x-2)^2 Q(x) + ax + 16 - 2a$$

$$x^4 - 16 = (x-2)^2 Q(x) + a(x-2)$$

左辺を因数分解すると、

$$(x-2)(x^3 + 2x^2 + 4x + 8) = (x-2) \{ (x-2)Q(x) + a \}$$

両辺を $x-2$ で割ると、

$$x^3 + 2x^2 + 4x + 8 = (x-2)Q(x) + a$$

この式も恒等式であるから、再び $x=2$ を代入すると、

$$8 + 8 + 8 + 8 = a \iff a = 32$$

これより、$b = 16 - 2 \cdot 32 = -48$ である。 ゆえに、余りは $32x - 48$ となり、これを $\text{③}x - \text{④}$ の形と比べると、③は $32$、④は $48$ である。

(3)

$n \ge 2$ のとき、二項定理を用いて $(x+2)^n$ を展開する。

$$(x+2)^n = x^n + {}_n\mathrm{C}_1 x^{n-1} \cdot 2 + \dots + {}_n\mathrm{C}_{n-2} x^2 \cdot 2^{n-2} + {}_n\mathrm{C}_{n-1} x \cdot 2^{n-1} + 2^n$$

右辺の第 $1$ 項から第 $n-1$ 項($x^2$ の項)まではすべて $x^2$ を因数に持つため、$x^2$ で割り切れる。 したがって、求める余りは下位 $2$ 項の和となる。

$${}_n\mathrm{C}_{n-1} x \cdot 2^{n-1} + 2^n = n \cdot 2^{n-1} x + 2^n$$

これは $n=1$ のとき、余りが $1 \cdot 2^0 x + 2^1 = x + 2$ となり、$(x+2)^1$ を $x^2$ で割った余りとして正しい。 よって、すべての正の整数 $n$ について余りは $n \cdot 2^{n-1} x + 2^n$ である。 したがって、⑤は $n \cdot 2^{n-1}$、⑥は $2^n$ である。

解法2

(2)の別解

割る式が単項式になるように変数を置換する。 $x - 2 = t$ とおくと、$x = t + 2$ である。 求める余りは、$(t+2)^4$ を $t^2$ で割った余りを $t$ で表し、最後に $t = x - 2$ に戻すことで得られる。 二項定理より、

$$(t+2)^4 = t^4 + 8t^3 + 24t^2 + 32t + 16$$

$$= t^2(t^2 + 8t + 24) + 32t + 16$$

したがって、これを $t^2$ で割った余りは $32t + 16$ である。 $t = x - 2$ を代入して $x$ の式に戻すと、

$$32(x-2) + 16 = 32x - 48$$

よって、③は $32$、④は $48$ である。

解説

多項式の割り算における余りを決定する典型問題である。 (1)(3) のように、割る式が $x^k$ という単項式の場合、二項定理を用いて展開し、下位の項を拾い上げる解法が非常に有効である。 (2) のように完全平方式 $(x-\alpha)^2$ で割る問題は、剰余の定理から得られる $1$ つの条件式を用いて余りの未知数を減らし、さらに因数定理を利用して式全体を $x-\alpha$ で割る(約分する)という二段構えの処理が定石である。しかし、解法2で示したように「$x-\alpha = t$ とおく」ことで平行移動を行い、(1)(3) と同じ単項式での割り算に帰着させる手法も、計算量が少なく強力なアプローチである。

答え

① 32

② 16

③ 32

④ 48

⑤ $n \cdot 2^{n-1}$

⑥ $2^n$

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