数学2 二項定理 問題 17 解説

方針・初手
(1), (2) は累乗の数の下位の桁を求める問題である。底を $10^m + a$ の形に変形し、二項定理を用いて展開することで、下位の桁に影響する項だけを取り出して計算する。 (3), (4) は各位の和の累乗が元の数と等しいという条件から、元の数がどのような値の範囲を取り得るか(つまり何乗の数が何桁になるか)を絞り込み、候補をすべて調べるという方針で進める。
解法1
(1)
$(1001)^{15}$ を二項定理を用いて展開する。
$$(1001)^{15} = (10^3 + 1)^{15} = \sum_{k=0}^{15} {}_{15}\mathrm{C}_k (10^3)^k \cdot 1^{15-k} = \sum_{k=0}^{15} {}_{15}\mathrm{C}_k 10^{3k}$$
$k \geqq 2$ のとき、$3k \geqq 6$ であるから、$10^{3k}$ は $10^5$ の倍数である。したがって、$k \geqq 2$ の項は下5桁に影響を与えない。 下5桁を求めるには、$10^5$ を法とする合同式で考えればよい。
$$\begin{aligned} (10^3 + 1)^{15} &\equiv {}_{15}\mathrm{C}_0 10^0 + {}_{15}\mathrm{C}_1 10^3 \pmod{10^5} \\ &\equiv 1 + 15 \times 1000 \pmod{10^5} \\ &\equiv 15001 \pmod{10^5} \end{aligned}$$
よって、$(1001)^{15}$ の下5桁は $15001$ である。
(2)
$7^4 = 2401$ であることを利用し、$7^{80}$ を変形して二項定理を用いる。
$$7^{80} = (7^4)^{20} = (2401)^{20} = (2400 + 1)^{20} = (24 \times 10^2 + 1)^{20}$$
これを展開する。
$$(24 \times 10^2 + 1)^{20} = \sum_{k=0}^{20} {}_{20}\mathrm{C}_k (24 \times 10^2)^k = \sum_{k=0}^{20} {}_{20}\mathrm{C}_k 24^k \cdot 10^{2k}$$
各項が $10^5$ で割り切れるかどうかを調べる。 $k \geqq 3$ のとき、$2k \geqq 6$ より $10^{2k}$ は $10^5$ の倍数である。 $k = 2$ のとき、
$${}_{20}\mathrm{C}_2 24^2 \cdot 10^4 = \frac{20 \cdot 19}{2 \cdot 1} \times 576 \times 10^4 = 190 \times 576 \times 10^4 = 19 \times 576 \times 10^5$$
これも $10^5$ の倍数である。 したがって、$k \geqq 2$ の項は下5桁に影響を与えない。 $10^5$ を法として考えると、
$$\begin{aligned} (24 \times 10^2 + 1)^{20} &\equiv {}_{20}\mathrm{C}_0 + {}_{20}\mathrm{C}_1 \times 24 \times 10^2 \pmod{10^5} \\ &\equiv 1 + 20 \times 2400 \pmod{10^5} \\ &\equiv 1 + 48000 \pmod{10^5} \\ &\equiv 48001 \pmod{10^5} \end{aligned}$$
よって、$7^{80}$ の下5桁は $48001$ である。
(3)
求める2桁の自然数を $N$ とし、その1の位の数と10の位の数の和を $S$ とする。 条件より、$N = S^2$ が成り立つ。 $N$ は2桁の自然数であるから、$10 \leqq N \leqq 99$ である。 したがって、$10 \leqq S^2 \leqq 99$ を満たす自然数 $S$ を探せばよい。 これを満たす $S$ は、$4, 5, 6, 7, 8, 9$ のいずれかである。
これらの $S$ について、$S^2$ の各位の和が $S$ に一致するかどうかを確認する。
- $S=4$ のとき、$S^2 = 16$ であり、各位の和は $1+6=7 \neq 4$ より不適。
- $S=5$ のとき、$S^2 = 25$ であり、各位の和は $2+5=7 \neq 5$ より不適。
- $S=6$ のとき、$S^2 = 36$ であり、各位の和は $3+6=9 \neq 6$ より不適。
- $S=7$ のとき、$S^2 = 49$ であり、各位の和は $4+9=13 \neq 7$ より不適。
- $S=8$ のとき、$S^2 = 64$ であり、各位の和は $6+4=10 \neq 8$ より不適。
- $S=9$ のとき、$S^2 = 81$ であり、各位の和は $8+1=9$ となり適する。
よって、条件を満たす自然数は $81$ のみである。
(4)
求める4桁の自然数を $M$ とし、その各位の数の和を $T$ とする。 条件より、$M = T^4$ が成り立つ。 $M$ は4桁の自然数であるから、$1000 \leqq M \leqq 9999$ である。 したがって、$1000 \leqq T^4 \leqq 9999$ を満たす自然数 $T$ を探せばよい。 各自然数の4乗を計算すると、
$$5^4 = 625, \quad 6^4 = 1296, \quad 7^4 = 2401, \quad 8^4 = 4096, \quad 9^4 = 6561, \quad 10^4 = 10000$$
であるから、条件を満たす $T$ の候補は $6, 7, 8, 9$ である。
これらの $T$ について、$T^4$ の各位の和が $T$ に一致するかどうかを確認する。
- $T=6$ のとき、$T^4 = 1296$ であり、各位の和は $1+2+9+6 = 18 \neq 6$ より不適。
- $T=7$ のとき、$T^4 = 2401$ であり、各位の和は $2+4+0+1 = 7$ となり適する。
- $T=8$ のとき、$T^4 = 4096$ であり、各位の和は $4+0+9+6 = 19 \neq 8$ より不適。
- $T=9$ のとき、$T^4 = 6561$ であり、各位の和は $6+5+6+1 = 18 \neq 9$ より不適。
よって、条件を満たす自然数は $2401$ のみである。
解説
(1), (2) は二項定理の典型的な応用問題である。下$m$桁を求める場合は、$10^m$ を法とする合同式で考えるか、展開式の各項が $10^m$ を因数に持つかどうかに着目して不要な項を切り捨てていく手法が有効である。(2) の $k=2$ の項のように、$10^k$ の形だけでは $10^5$ に届かなくても、係数に十分な数の $2$ や $5$ が含まれていれば $10^5$ の倍数になることがあるため、丁寧な確認が必要である。
(3), (4) は各位の和と桁数の関係から候補を絞り込む整数問題である。元の自然数そのものを未知数で置くのではなく、「各位の和」を主役として値の範囲を絞ることで、調べるべき候補を大幅に減らすことができる。
答え
(1) $15001$
(2) $48001$
(3) $81$
(4) $2401$
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