数学2 二項定理 問題 18 解説

方針・初手
$x^{100}$ を $(x-1)^3$ で割ることを考える。割る式が $(x-1)$ の累乗であることから、$x$ を $(x-1)+1$ と変形して二項定理を用いる方法が極めて有効である。また、余りを $a(x-1)^2+b(x-1)+c$ とおいて微分を繰り返し用いる方法も考えられる。
解法1
$x = (x-1) + 1$ と変形し、$x^{100}$ に二項定理を適用する。
$$\begin{aligned} x^{100} &= \{ (x-1) + 1 \}^{100} \\ &= {}_{100}\mathrm{C}_{100}(x-1)^{100} + {}_{100}\mathrm{C}_{99}(x-1)^{99} + \cdots + {}_{100}\mathrm{C}_3(x-1)^3 + {}_{100}\mathrm{C}_2(x-1)^2 + {}_{100}\mathrm{C}_1(x-1)^1 + {}_{100}\mathrm{C}_0 \end{aligned}$$
右辺の ${}_{100}\mathrm{C}_3(x-1)^3$ 以上の次数の項はすべて $(x-1)^3$ で割り切れるため、これらの和を $(x-1)^3 Q(x)$ ($Q(x)$ は多項式)と表すことができる。
$$x^{100} = (x-1)^3 Q(x) + {}_{100}\mathrm{C}_2(x-1)^2 + {}_{100}\mathrm{C}_1(x-1) + {}_{100}\mathrm{C}_0$$
ここで、${}_{100}\mathrm{C}_2(x-1)^2 + {}_{100}\mathrm{C}_1(x-1) + {}_{100}\mathrm{C}_0$ は2次以下の多項式であるから、これが $x^{100}$ を $(x-1)^3$ で割ったときの余りである。
余りの多項式を計算すると、
$$\begin{aligned} & \frac{100 \cdot 99}{2} (x^2 - 2x + 1) + 100(x-1) + 1 \\ &= 4950(x^2 - 2x + 1) + 100x - 100 + 1 \\ &= 4950x^2 - 9900x + 4950 + 100x - 99 \\ &= 4950x^2 - 9800x + 4851 \end{aligned}$$
となる。
したがって、余りである多項式の最高次の項は $x^2$ の項であり、その係数は $4950$ である。
解法2
$x^{100}$ を3次式 $(x-1)^3$ で割ったときの商を $Q(x)$ とすると、余りは2次以下の多項式となる。
計算を簡略化するため、余りを $a(x-1)^2 + b(x-1) + c$ ($a, b, c$ は定数)とおく。
$$x^{100} = (x-1)^3 Q(x) + a(x-1)^2 + b(x-1) + c \quad \cdots \text{①}$$
①の両辺に $x=1$ を代入すると、
$$1^{100} = c$$
よって、$c = 1$ である。
①の両辺を $x$ について微分すると、
$$100x^{99} = 3(x-1)^2 Q(x) + (x-1)^3 Q'(x) + 2a(x-1) + b \quad \cdots \text{②}$$
②の両辺に $x=1$ を代入すると、
$$100 \cdot 1^{99} = b$$
よって、$b = 100$ である。
さらに②の両辺を $x$ について微分すると、
$$100 \cdot 99 x^{98} = 6(x-1)Q(x) + 3(x-1)^2 Q'(x) + 3(x-1)^2 Q'(x) + (x-1)^3 Q''(x) + 2a$$
この式の両辺に $x=1$ を代入すると、右辺の $(x-1)$ を因数に持つ項はすべて $0$ となるから、
$$9900 \cdot 1^{98} = 2a$$
よって、$2a = 9900$ より $a = 4950$ である。
以上から、余りは $4950(x-1)^2 + 100(x-1) + 1$ となる。
これを展開すると $4950x^2 - 9800x + 4851$ となり、最高次の項は $x^2$ の項で、その係数は $4950$ である。
解説
多項式の割り算において、割る式が $(x-\alpha)^n$ の形をしている場合、本問のように $x = (x-\alpha) + \alpha$ と変形して二項定理を用いる手法が非常に強力である。計算量が少なく、見通しが良い。
また、解法2のように余りを $a(x-\alpha)^2 + b(x-\alpha) + c$ とおき、微分を繰り返し用いて係数を決定する手法(剰余の定理の拡張)も重要である。多項式の微分は数学IIの範囲でも扱われるため、文系・理系問わず習得しておきたい。どちらの手法を用いても、求めるべき係数が二項係数 ${}_{100}\mathrm{C}_2$ と一致することがわかる。
答え
4950
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