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数学2 二項定理 問題 19 解説

数学2 二項定理 問題 19 解説

方針・初手

二項定理および多項定理を用いて、特定の次数の項の係数を求める問題である。(ウ)は2つの多項式の積であるため、それぞれの一般項を求めて掛け合わせるか、式をあらかじめ変形してから二項定理を適用する。(エ)は3項の展開であるため、多項定理の一般項から条件を満たす指数の組み合わせを絞り込んで計算する。

解法1

(ウ)

$(x+1)^8$ と $(x-1)^4$ をそれぞれ二項定理を用いて展開したときの一般項を考える。

$(x+1)^8$ の展開式における一般項は、

$${}_8\mathrm{C}_i x^i \quad (0 \leqq i \leqq 8)$$

$(x-1)^4$ の展開式における一般項は、

$${}_4\mathrm{C}_j x^j (-1)^{4-j} \quad (0 \leqq j \leqq 4)$$

これらを掛け合わせた展開式において、$x^{10}$ の項となるのは $i+j=10$ となるような $(i, j)$ の組から生じる項である。 $0 \leqq i \leqq 8$ かつ $0 \leqq j \leqq 4$ を満たす整数の組 $(i, j)$ は、以下の3組である。

$$(i, j) = (8, 2), (7, 3), (6, 4)$$

それぞれの組に対する係数を計算する。

(i) $(i, j) = (8, 2)$ のとき 係数は ${}_8\mathrm{C}_8 \times {}_4\mathrm{C}_2 \times (-1)^2 = 1 \times 6 \times 1 = 6$

(ii) $(i, j) = (7, 3)$ のとき 係数は ${}_8\mathrm{C}_7 \times {}_4\mathrm{C}_3 \times (-1)^1 = 8 \times 4 \times (-1) = -32$

(iii) $(i, j) = (6, 4)$ のとき 係数は ${}_8\mathrm{C}_6 \times {}_4\mathrm{C}_4 \times (-1)^0 = 28 \times 1 \times 1 = 28$

したがって、求める $x^{10}$ の項の係数はこれらの和となる。

$$6 + (-32) + 28 = 2$$

(エ)

$(x^2+x+1)^6$ の展開式における一般項は、多項定理より次のように表される。

$$\frac{6!}{p!q!r!} (x^2)^p x^q 1^r = \frac{6!}{p!q!r!} x^{2p+q}$$

ただし、$p, q, r$ は $p+q+r=6$ を満たす $0$ 以上の整数である。 $x^{10}$ の項となる条件は、$2p+q=10$ である。 $q = 10-2p$ を $p+q+r=6$ に代入し、$r$ について解くと次のように表せる。

$$p + (10-2p) + r = 6$$

$$r = p - 4$$

$r \geqq 0$ であるから、$p - 4 \geqq 0$ より $p \geqq 4$ となる。 また、$2p+q=10$ と $q \geqq 0$ より $2p \leqq 10$、すなわち $p \leqq 5$ である。 よって、$p$ のとり得る値は $4, 5$ に絞られる。

(i) $p=4$ のとき $q = 10 - 2 \times 4 = 2$、$r = 4 - 4 = 0$ となる。 $(p, q, r) = (4, 2, 0)$ であり、このときの係数は次のように計算できる。

$$\frac{6!}{4!2!0!} = \frac{6 \times 5}{2 \times 1} = 15$$

(ii) $p=5$ のとき $q = 10 - 2 \times 5 = 0$、$r = 5 - 4 = 1$ となる。 $(p, q, r) = (5, 0, 1)$ であり、このときの係数は次のように計算できる。

$$\frac{6!}{5!0!1!} = 6$$

したがって、求める $x^{10}$ の項の係数はこれらの和となる。

$$15 + 6 = 21$$

解法2

(ウ)の別解

指数法則を用いて展開しやすい形に変形してから二項定理を適用する。

$$\begin{aligned} (x+1)^8(x-1)^4 &= (x+1)^4(x+1)^4(x-1)^4 \\ &= (x+1)^4 \{(x+1)(x-1)\}^4 \\ &= (x+1)^4 (x^2-1)^4 \end{aligned}$$

前半の $(x+1)^4$ の展開式における一般項は ${}_4\mathrm{C}_k x^k$ ($0 \leqq k \leqq 4$) と表せる。 後半の $(x^2-1)^4$ の展開式における一般項は ${}_4\mathrm{C}_l (x^2)^l (-1)^{4-l} = {}_4\mathrm{C}_l (-1)^{4-l} x^{2l}$ ($0 \leqq l \leqq 4$) と表せる。

これらを掛け合わせた展開式において、$x^{10}$ の項となるのは $k+2l=10$ となるときである。 ここで $k = 10 - 2l = 2(5-l)$ であり、$k$ が $0 \leqq k \leqq 4$ の偶数となることから $l$ の値を絞り込む。

したがって、条件を満たす整数の組 $(k, l)$ は $(2, 4), (4, 3)$ である。

(i) $(k, l) = (2, 4)$ のとき 係数は ${}_4\mathrm{C}_2 \times {}_4\mathrm{C}_4 \times (-1)^0 = 6 \times 1 \times 1 = 6$

(ii) $(k, l) = (4, 3)$ のとき 係数は ${}_4\mathrm{C}_4 \times {}_4\mathrm{C}_3 \times (-1)^1 = 1 \times 4 \times (-1) = -4$

求める係数はこれらの和となる。

$$6 + (-4) = 2$$

解説

二項定理および多項定理の一般項を正確に記述し、条件を満たす整数の組を漏れなく数え上げる問題である。 (ウ)は解法1のようにそのまま二項定理を用いても計算量がそこまで多くないため十分に解ききれるが、解法2のように和と差の積を利用して $(x^2-1)$ のまとまりを作ることで、調べるべき項の候補を減らし、計算を簡略化する工夫も有効である。 (エ)の多項定理では、未知数が $p, q, r$ の3つあるが、「指数の和が一定 ($p+q+r=6$)」であることを利用して文字を減らし、不等式の条件 (各変数が $0$ 以上) から候補を絞り込むのが定石である。

答え

(ウ) 2

(エ) 21

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