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数学2 二項定理 問題 20 解説

数学2 二項定理 問題 20 解説

方針・初手

与えられた不等式の各辺を $1000$ 倍し、$n \leqq 1000 \times 1.001^{100} < n+1$ の形に変形する。これにより、求める整数 $n$ は $1000 \times 1.001^{100}$ の整数部分となる。 $1.001^{100} = \left( 1 + \frac{1}{1000} \right)^{100}$ とみなし、二項定理を用いて展開する。具体的な値を評価し、残りの項の和が十分に小さいことを示す方針をとる。

解法1

与えられた不等式は、辺々を $1000$ 倍することで次のように変形できる。

$$n \leqq 1000 \times 1.001^{100} < n+1$$

したがって、求める整数 $n$ は $1000 \times 1.001^{100}$ の整数部分に等しい。 $1.001 = 1 + \frac{1}{1000}$ であるから、二項定理を用いて展開する。

$$1.001^{100} = \left( 1 + \frac{1}{1000} \right)^{100} = \sum_{k=0}^{100} {}_{100}\mathrm{C}_k \left( \frac{1}{1000} \right)^k$$

これを $1000$ 倍した値は以下のようになる。

$$1000 \times 1.001^{100} = 1000 \sum_{k=0}^{100} {}_{100}\mathrm{C}_k \left( \frac{1}{1000} \right)^k$$

展開式の各項を $k=0, 1, 2, 3$ について順に計算する。

ここまでの和を計算すると、以下のようになる。

$$1000 + 100 + 4.95 + 0.1617 = 1105.1117$$

また、$k \geqq 4$ のときの各項は正であるため、次が成り立つ。

$$1000 \times 1.001^{100} > 1105.1117 > 1105$$

次に、$k \geqq 4$ のときの項の和を上から評価する。 $k \geqq 4$ において、${}_{100}\mathrm{C}_k = \frac{100 \cdot 99 \cdots (100-k+1)}{k!} < 100^k$ であることを用いると、次のように評価できる。

$${}_{100}\mathrm{C}_k \left( \frac{1}{1000} \right)^k < 100^k \times 10^{-3k} = 10^{2k} \times 10^{-3k} = 10^{-k}$$

これより、$k \geqq 4$ の項の総和は次のように抑えられる。

$$\sum_{k=4}^{100} {}_{100}\mathrm{C}_k \left( \frac{1}{1000} \right)^k < \sum_{k=4}^{100} 10^{-k} < \sum_{k=4}^{\infty} 10^{-k} = \frac{10^{-4}}{1 - 10^{-1}} = \frac{10^{-4}}{0.9} = \frac{1}{9000}$$

したがって、$k \geqq 4$ の項を $1000$ 倍したものの総和は次のように評価できる。

$$1000 \sum_{k=4}^{100} {}_{100}\mathrm{C}_k \left( \frac{1}{1000} \right)^k < 1000 \times \frac{1}{9000} = \frac{1}{9} < 0.12$$

よって、$1000 \times 1.001^{100}$ の値全体は次のように上から評価できる。

$$1000 \times 1.001^{100} < 1105.1117 + 0.12 = 1105.2317 < 1106$$

以上より、次の不等式が成り立つ。

$$1105 < 1000 \times 1.001^{100} < 1106$$

これは $1105 \leqq 1000 \times 1.001^{100} < 1105 + 1$ を満たしているため、求める整数 $n$ は $1105$ である。

解説

$(1+x)^n$ の形の式の近似値を評価する典型的な整数問題である。二項定理を用いて展開し、必要な精度が得られるまで最初の数項を計算した上で、残りの項の和(剰余項)が十分に小さいことを示すという手順をとる。 本問では $1000 \times 1.001^{100}$ の整数部分を求めればよいので、第4項 ($k=3$) までの和を計算した時点で $1105$ を少し超えることがわかる。あとは残りの $k \geqq 4$ の項の総和が等比数列の和の公式などを利用して上から評価し、$1106$ に届かない微小な値であることを示せばよい。

答え

$1105$

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