数学2 恒等式 問題 6 解説

方針・初手
与えられた4次式が「ある整式の平方」になるという条件から、その整式が2次式であることを特定し、恒等式の問題として処理する。 与式の最高次の項が $x^4$ であるため、平方される2次式の最高次の項を $x^2$ または $-x^2$ とおけるが、平方すれば同じになるため $x^2$ として一般性を失わない。 そこで、この2次式を $x^2 + px + q$ とおき、$(x^2 + px + q)^2$ を展開して与式と係数比較を行うのが最も素直な方針である。
解法1
与えられた4次式 $x^4 - 4x^3 + ax^2 + x + b$ の最高次の係数が $1$ であるから、これが整式の平方となるとき、その整式は最高次の係数が $1$ である2次式としてよい。 したがって、ある定数 $p, q$ を用いて次のような $x$ についての恒等式が成り立つ。
$$x^4 - 4x^3 + ax^2 + x + b = (x^2 + px + q)^2$$
右辺を展開して整理する。
$$\begin{aligned} (x^2 + px + q)^2 &= x^4 + p^2x^2 + q^2 + 2px^3 + 2pqx + 2qx^2 \\ &= x^4 + 2px^3 + (p^2 + 2q)x^2 + 2pqx + q^2 \end{aligned}$$
これが左辺と一致するため、両辺の各次数の係数を比較して以下の連立方程式を得る。
$$\begin{cases} -4 = 2p \\ a = p^2 + 2q \\ 1 = 2pq \\ b = q^2 \end{cases}$$
これらを解く。 第1式より、
$$p = -2$$
である。 これを第3式に代入すると、
$$-4q = 1 \implies q = -\frac{1}{4}$$
となる。 求めた $p, q$ を第2式に代入して $a$ を求める。
$$a = (-2)^2 + 2\left(-\frac{1}{4}\right) = 4 - \frac{1}{2} = \frac{7}{2}$$
また、第4式に代入して $b$ を求める。
$$b = \left(-\frac{1}{4}\right)^2 = \frac{1}{16}$$
以上より、求める定数 $a, b$ の値が定まる。
解法2
平方完成の考え方を用いて、与式を無理やり完全平方式の形に近づけていく。 まず、与式の上位2項 $x^4 - 4x^3$ に注目すると、これは $(x^2 - 2x)^2$ の展開式の一部として現れる。
$$(x^2 - 2x)^2 = x^4 - 4x^3 + 4x^2$$
これを用いて与式を変形する。
$$\begin{aligned} x^4 - 4x^3 + ax^2 + x + b &= (x^2 - 2x)^2 - 4x^2 + ax^2 + x + b \\ &= (x^2 - 2x)^2 + (a-4)x^2 + x + b \end{aligned}$$
これが「ある整式の平方」になるためには、ある定数 $c$ を用いて $(x^2 - 2x + c)^2$ の形で表せればよい。 この式を、$x^2 - 2x$ をひとつのまとまりと見て展開する。
$$\begin{aligned} (x^2 - 2x + c)^2 &= (x^2 - 2x)^2 + 2c(x^2 - 2x) + c^2 \\ &= (x^2 - 2x)^2 + 2cx^2 - 4cx + c^2 \end{aligned}$$
上の2つの式が恒等的に等しくなるよう、$(x^2 - 2x)^2$ 以下の低次項の係数を比較する。
$$\begin{cases} a - 4 = 2c \\ 1 = -4c \\ b = c^2 \end{cases}$$
第2式より、
$$c = -\frac{1}{4}$$
である。 これを第1式に代入して $a$ を求める。
$$a - 4 = 2\left(-\frac{1}{4}\right) = -\frac{1}{2} \implies a = \frac{7}{2}$$
同様に第3式に代入して $b$ を求める。
$$b = \left(-\frac{1}{4}\right)^2 = \frac{1}{16}$$
結果は解法1と一致する。
解説
「整式の平方となる」という条件を、恒等式の問題として処理する典型問題である。 解法1のように未知の整式を文字でおいて展開し、係数比較を行うのが最も標準的で確実な手法である。この際、4次式の最高次係数が $1$ であることから、おくべき2次式の最高次係数も $1$ (または $-1$) に限定できる点を見抜くことが最初のステップとなる。 解法2のような平方完成の拡張のような見方は、計算量を少し減らすことができるため、上位次数から順に係数を合わせていく感覚を持っていると役に立つ。
答え
$a = \frac{7}{2}$
$b = \frac{1}{16}$
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