数学2 恒等式 問題 11 解説

方針・初手
与えられた等式が $x$ についての恒等式であるための条件を求める。
解法としては、特定の $x$ の値を代入して係数を決定する「数値代入法」と、左辺を展開して両辺の係数を比較する「係数比較法」が考えられる。
本問では、左辺に $(x-1)$ や $(x+2)$ という因数が含まれているため、$x=1$ や $x=-2$ を代入することで容易に未知数を求めることができる。したがって、数値代入法を用いると計算が簡略化される。
解法1
数値代入法を用いて解く。
与えられた等式
$$a(x-1)^2 + b(x-1)(x+2) + c(x+2)^2 = 9$$
が $x$ についての恒等式であるとき、任意の $x$ の値に対して等式が成り立つ。
$x=1$ を代入すると
$$a \cdot 0^2 + b \cdot 0 \cdot 3 + c \cdot 3^2 = 9$$
$$9c = 9$$
よって、$c = 1$ である。
$x=-2$ を代入すると
$$a \cdot (-3)^2 + b \cdot (-3) \cdot 0 + c \cdot 0^2 = 9$$
$$9a = 9$$
よって、$a = 1$ である。
$x=0$ を代入すると
$$a \cdot (-1)^2 + b \cdot (-1) \cdot 2 + c \cdot 2^2 = 9$$
$$a - 2b + 4c = 9$$
これに求めた $a=1, c=1$ を代入すると
$$1 - 2b + 4 = 9$$
$$-2b = 4$$
よって、$b = -2$ である。
以上より、$a=1, b=-2, c=1$ が必要である。
逆にこのとき、与式の左辺は
$$(x-1)^2 - 2(x-1)(x+2) + (x+2)^2$$
$$= (x^2 - 2x + 1) - 2(x^2 + x - 2) + (x^2 + 4x + 4)$$
$$= (1 - 2 + 1)x^2 + (-2 - 2 + 4)x + (1 + 4 + 4)$$
$$= 9$$
となり、右辺と一致するため、たしかに $x$ についての恒等式となる。
したがって、求める値は $a=1, b=-2, c=1$ である。
解法2
係数比較法を用いて解く。
与えられた等式の左辺を展開して整理すると
$$a(x^2 - 2x + 1) + b(x^2 + x - 2) + c(x^2 + 4x + 4) = 9$$
$$(a+b+c)x^2 + (-2a+b+4c)x + (a-2b+4c) = 9$$
これが $x$ についての恒等式となるため、両辺の同じ次数の項の係数は等しい。
したがって、以下の連立方程式が成り立つ。
$$\begin{cases} a + b + c = 0 & \cdots \text{(1)} \\ -2a + b + 4c = 0 & \cdots \text{(2)} \\ a - 2b + 4c = 9 & \cdots \text{(3)} \end{cases}$$
(2) - (1) より
$$-3a + 3c = 0$$
$$a = c$$
これを (1) に代入すると
$$c + b + c = 0$$
$$b = -2c$$
$a=c, b=-2c$ を (3) に代入すると
$$c - 2(-2c) + 4c = 9$$
$$c + 4c + 4c = 9$$
$$9c = 9$$
よって、$c = 1$ である。
このとき、$a = 1, b = -2$ となる。
解説
恒等式の未定係数を決定する典型問題である。
数値代入法(解法1)を用いる場合、特定の値を代入して求めた係数はあくまで「必要条件」である。そのため、最後に求めた係数を元の式に代入し、常に成り立つこと(十分条件)を確認する記述が不可欠である。
係数比較法(解法2)を用いる場合は、両辺の係数を等値した時点で同値性が保たれるため、十分性の確認は不要となる。本問では $(x-1)$ や $(x+2)$ があるため、代入法の方が計算は簡明である。
答え
$a = 1, b = -2, c = 1$
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