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数学2 恒等式 問題 14 解説

数学2 恒等式 問題 14 解説

方針・初手

(1) では、$f(x)$ を $n$ 次の多項式と仮定し、条件 (i) の両辺の最高次の項を比較することで $n$ の範囲を絞る。

(2) では、(1) の結果から $f(x)$ が4次以下の多項式であることを利用し、係数を文字でおいて恒等式の処理に持ち込むのが基本方針である。条件 (i) から係数に対称性が現れ、さらに適当な値を代入して条件 (ii), (iii) を用いることで係数を特定する。

解法1

(1)

$f(x)$ が定数関数のとき、条件 (i) より、

$$x^4 f\left(\frac{1}{x}\right) = f(x)$$

これが恒等式となるのは $f(x) = 0$ のみであり、このとき次数は定義されないか $0$ とみなせるため、いずれにせよ4以下である。

$f(x)$ が定数でない $n$ 次多項式 ($n \ge 1$) であるとする。 最高次の係数を $a_n$ ($a_n \neq 0$) として、

$$f(x) = a_n x^n + a_{n-1} x^{n-1} + \dots + a_0$$

とおく。条件 (i) の左辺は、

$$x^4 f\left(\frac{1}{x}\right) = x^4 \left( a_n x^{-n} + a_{n-1} x^{-(n-1)} + \dots + a_0 \right)$$

$$= a_n x^{4-n} + a_{n-1} x^{5-n} + \dots + a_0 x^4$$

となる。これが多項式 $f(x)$ と恒等的に等しくなるためには、左辺も多項式でなければならない。 よって、左辺の各項における $x$ の指数は $0$ 以上である必要がある。 特に、$a_n \neq 0$ より $4-n \ge 0$、すなわち $n \le 4$ でなければならない。 以上より、条件 (i) をみたす多項式 $f(x)$ の次数は4以下であることが示された。

(2)

(1) より、$f(x)$ は4次以下であるから、

$$f(x) = ax^4 + bx^3 + cx^2 + dx + e$$

とおける。条件 (i) の左辺は、

$$x^4 f\left(\frac{1}{x}\right) = x^4 \left( \frac{a}{x^4} + \frac{b}{x^3} + \frac{c}{x^2} + \frac{d}{x} + e \right) = a + bx + cx^2 + dx^3 + ex^4$$

となる。これが $f(x)$ と等しいため、各次数の係数を比較して、

$$a=e, \quad b=d$$

を得る。したがって、$f(x)$ は、

$$f(x) = ax^4 + bx^3 + cx^2 + bx + a$$

と表せる。 次に、条件 (iii) $f(1) = 1$ より、

$$a + b + c + b + a = 1 \implies 2a + 2b + c = 1 \quad \dots \text{①}$$

条件 (ii) $f(1-x) = f(x)$ は、すべての実数 $x$ で成り立つ。 $x=0$ を代入すると、$f(1) = f(0)$ となる。 $f(1) = 1$ であるから $f(0) = 1$ である。 $f(0) = a$ より、$a = 1$ を得る。 これを ① に代入すると、

$$2 + 2b + c = 1 \implies c = -2b - 1$$

となる。これより $f(x)$ は、

$$f(x) = x^4 + bx^3 - (2b+1)x^2 + bx + 1$$

となる。 さらに、条件 (ii) の式に $x=-1$ を代入すると、$f(2) = f(-1)$ となる。

$$f(2) = 16 + 8b - 4(2b+1) + 2b + 1 = 2b + 13$$

$$f(-1) = 1 - b - (2b+1) - b + 1 = -4b + 1$$

これらが等しいので、

$$2b + 13 = -4b + 1 \implies 6b = -12 \implies b = -2$$

このとき、$c = -2(-2) - 1 = 3$ となる。 したがって、求める多項式は、

$$f(x) = x^4 - 2x^3 + 3x^2 - 2x + 1$$

である。 (逆にこのとき、$f(x) = (x^2-x+1)^2$ と変形でき、$1-x$ を代入しても $(1-x)^2-(1-x)+1 = x^2-x+1$ となるため、条件 (ii) をみたすことが確認できる。)

解法2

(2) の別解

条件 (ii) $f(1-x) = f(x)$ において、$x = t + \frac{1}{2}$ とおくと、

$$f\left(\frac{1}{2} - t\right) = f\left(\frac{1}{2} + t\right)$$

となる。これは、関数 $g(t) = f\left(t + \frac{1}{2}\right)$ が偶関数であることを意味する。 (1) より $f(x)$ は4次以下であるから、$g(t)$ も4次以下の多項式であり、奇数次の項をもたないため、

$$g(t) = At^4 + Bt^2 + C$$

とおける。$t = x - \frac{1}{2}$ を代入して、

$$f(x) = A\left(x - \frac{1}{2}\right)^4 + B\left(x - \frac{1}{2}\right)^2 + C$$

となる。 条件 (iii) $f(1) = 1$ より、

$$f(1) = \frac{A}{16} + \frac{B}{4} + C = 1 \quad \dots \text{②}$$

条件 (i) の左辺は、

$$x^4 f\left(\frac{1}{x}\right) = x^4 \left\{ A\left(\frac{1}{x} - \frac{1}{2}\right)^4 + B\left(\frac{1}{x} - \frac{1}{2}\right)^2 + C \right\}$$

$$= x^4 \left\{ \frac{A(2-x)^4}{16x^4} + \frac{B(2-x)^2}{4x^2} + C \right\}$$

$$= \frac{A}{16}(x-2)^4 + \frac{B}{4}x^2(x-2)^2 + Cx^4$$

これが $f(x)$ に等しいので、展開したときの $x^4$ および $x^3$ の係数を比較する。 左辺の $x^4$ の係数は $\frac{A}{16} + \frac{B}{4} + C$、右辺の $x^4$ の係数は $A$ である。 よって、

$$\frac{A}{16} + \frac{B}{4} + C = A$$

② を用いると、$A = 1$ がわかる。 次に $x^3$ の係数を比較する。 左辺の $x^3$ の係数は、

$$\frac{A}{16} \cdot 4 \cdot (-2) + \frac{B}{4} \cdot 2 \cdot (-2) = -\frac{A}{2} - B$$

である。右辺の $x^3$ の係数は、

$$A \cdot 4 \cdot \left(-\frac{1}{2}\right) = -2A$$

である。$A = 1$ を代入してこれらを等置すると、

$$-\frac{1}{2} - B = -2 \implies B = \frac{3}{2}$$

② より、

$$C = 1 - \frac{1}{16} - \frac{3}{8} = \frac{9}{16}$$

したがって、

$$f(x) = \left(x - \frac{1}{2}\right)^4 + \frac{3}{2}\left(x - \frac{1}{2}\right)^2 + \frac{9}{16}$$

$$= \left(x^2 - x + \frac{1}{4}\right)^2 + \frac{3}{2}\left(x^2 - x + \frac{1}{4}\right) + \frac{9}{16}$$

$$= \left(x^2 - x\right)^2 + \frac{1}{2}\left(x^2 - x\right) + \frac{1}{16} + \frac{3}{2}\left(x^2 - x\right) + \frac{3}{8} + \frac{9}{16}$$

$$= (x^2 - x)^2 + 2(x^2 - x) + 1$$

$$= x^4 - 2x^3 + 3x^2 - 2x + 1$$

を得る。

解説

(1) は多項式の決定問題における定石である「最高次の項に着目する」という手法を用いる。(2) は得られた次数をもとに係数を文字で置き、与えられた条件式から恒等式をつくり係数を決定する。

条件 (i) は「相反方程式」の係数配置を与える条件であり、条件 (ii) は $x=\frac{1}{2}$ に関する対称性を表す。どの条件から処理しても答えにたどり着くが、解法1のように適当な値を代入して必要条件から係数を絞り込み、最後に十分性を確認するアプローチが汎用的で計算の見通しが良い。

答え

(1) 略(解説部および解法1参照)

(2) $f(x) = x^4 - 2x^3 + 3x^2 - 2x + 1$

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