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数学2 恒等式 問題 16 解説

数学2 恒等式 問題 16 解説

方針・初手

与えられた2つの等式から、3つの変数 $x, y, z$ のうち2つを消去し、残り1つの変数で表す。これにより、条件式 $ax^2+by^2+cz^2 = 7$ を1つの変数についての恒等式に帰着させる。ここでは、$x, y$ を $z$ の式で表す方針をとる。

解法1

与えられた連立方程式は以下の通りである。

$$\begin{cases} x + y - 2z = -1 & \cdots \text{①} \\ 2x + y - 3z = 2 & \cdots \text{②} \end{cases}$$

② から ① を辺々引くと、次の式が得られる。

$$x - z = 3$$

これより、$x$ は $z$ を用いて次のように表せる。

$$x = z + 3$$

これを ① に代入する。

$$(z + 3) + y - 2z = -1$$

整理すると、$y$ も $z$ を用いて表すことができる。

$$y = z - 4$$

「常に成り立つ」という条件は、得られた $x = z + 3$ と $y = z - 4$ を $ax^2 + by^2 + cz^2 = 7$ に代入した等式が、任意の $z$ について成り立つ(すなわち $z$ についての恒等式になる)ということである。代入して展開する。

$$a(z + 3)^2 + b(z - 4)^2 + cz^2 = 7$$

$$a(z^2 + 6z + 9) + b(z^2 - 8z + 16) + cz^2 = 7$$

$z$ について整理する。

$$(a + b + c)z^2 + (6a - 8b)z + (9a + 16b) = 7$$

これが $z$ についての恒等式となるため、両辺の係数を比較して以下の連立方程式を得る。

$$\begin{cases} a + b + c = 0 \\ 6a - 8b = 0 \\ 9a + 16b = 7 \end{cases}$$

第2式より、$b = \frac{3}{4}a$ である。これを第3式に代入する。

$$9a + 16 \left( \frac{3}{4}a \right) = 7$$

$$9a + 12a = 7$$

$$21a = 7$$

よって、$a = \frac{1}{3}$ である。これを用いて $b$ を求める。

$$b = \frac{3}{4} \cdot \frac{1}{3} = \frac{1}{4}$$

最後に、第1式に $a$ と $b$ の値を代入して $c$ を求める。

$$\frac{1}{3} + \frac{1}{4} + c = 0$$

$$\frac{7}{12} + c = 0$$

よって、$c = -\frac{7}{12}$ である。

解法2

「常に成り立つ」ことを利用し、与えられた条件を満たす $(x, y, z)$ の組をいくつか見つけて代入する、いわゆる数値代入法を用いる。

解法1と同様に $x = z + 3, y = z - 4$ を得る。ここから、計算が容易になりそうな $z$ の値を設定して $(x, y, z)$ の組を3つ作る。

(i) $z = 0$ のとき、$x = 3, y = -4$ である。これを $ax^2 + by^2 + cz^2 = 7$ に代入する。

$$9a + 16b = 7 \quad \cdots \text{③}$$

(ii) $z = -3$ のとき、$x = 0, y = -7$ である。同様に代入する。

$$49b + 9c = 7 \quad \cdots \text{④}$$

(iii) $z = 4$ のとき、$x = 7, y = 0$ である。同様に代入する。

$$49a + 16c = 7 \quad \cdots \text{⑤}$$

③ より $b = \frac{7 - 9a}{16}$ である。これを ④ に代入する。

$$49 \left( \frac{7 - 9a}{16} \right) + 9c = 7$$

両辺を16倍して整理する。

$$343 - 441a + 144c = 112$$

$$-441a + 144c = -231$$

両辺を $-3$ で割る。

$$147a - 48c = 77 \quad \cdots \text{⑥}$$

⑤ の両辺を3倍する。

$$147a + 48c = 21 \quad \cdots \text{⑦}$$

⑥ と ⑦ を辺々足す。

$$294a = 98$$

よって、$a = \frac{1}{3}$ である。これを ⑤ に代入する。

$$49 \cdot \frac{1}{3} + 16c = 7$$

$$16c = 7 - \frac{49}{3} = -\frac{28}{3}$$

よって、$c = -\frac{7}{12}$ である。最後に $a$ を ③ に代入する。

$$9 \cdot \frac{1}{3} + 16b = 7$$

$$3 + 16b = 7$$

よって、$b = \frac{1}{4}$ である。

以上は必要条件からの導出であるが、これらを $ax^2 + by^2 + cz^2$ に代入し、$x = z+3, y = z-4$ として展開すれば 7 となり、十分条件であることも確認できる。

解説

複数の等式制約がある場合の基本的な扱い方を問う問題である。変数が3つ($x, y, z$)で方程式が2つあるため、自由度は $3 - 2 = 1$ となる。すなわち、1つの変数を定めれば他の2変数も定まる関係にある。

このように変数の個数より等式の個数が少ない場合、一部の変数を他の変数(ここでは $z$)を用いて表すことで、見かけ上の変数を減らすことができる。これを「常に成り立つ」という条件に当てはめることで、1変数の恒等式に帰着させるのが最も自然で確実なアプローチである。解法2のような数値代入法でも正答には至るが、3元1次連立方程式を解く手間がかかるため、本問では恒等式の係数比較による解法1の方が計算負担が少ない。

答え

ア: $\frac{1}{3}$

イ: $\frac{1}{4}$

ウ: $-\frac{7}{12}$

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