トップ 基礎問題 数学2 式と証明 恒等式 問題 17

数学2 恒等式 問題 17 解説

数学2 恒等式 問題 17 解説

方針・初手

与えられた等式が「どのような整数 $l, m, n$ に対して」も成り立つという条件から、$l, m, n$ についての恒等式として扱う。等式を $l, m, n$ について整理し、任意の整数に対して成り立つために各係数が $0$ にならなければならないことを利用して、$x, y, z$ に関する連立方程式を立てる。

解法1

与えられた等式を $l, m, n$ について整理する。

$$(10^{x-y} + 10^{y-z} - 13)l + (10^{x-z} - 36)m - (x+y)n = 0$$

これが任意の整数 $l, m, n$ について成り立つための必要十分条件は、各変数の係数が $0$ となることである。 (必要性は $(l,m,n)=(1,0,0),(0,1,0),(0,0,1)$ を代入することで示され、十分性は各係数が $0$ のとき常に $0=0$ となることから明らかである。) したがって、次の連立方程式が得られる。

$$10^{x-y} + 10^{y-z} - 13 = 0 \cdots \text{(1)}$$

$$10^{x-z} - 36 = 0 \cdots \text{(2)}$$

$$x+y = 0 \cdots \text{(3)}$$

(2)式において、指数法則を用いると

$$10^{x-z} = 10^{(x-y)+(y-z)} = 10^{x-y} \cdot 10^{y-z}$$

であるから、(2)式は次のように書き直せる。

$$10^{x-y} \cdot 10^{y-z} = 36 \cdots \text{(2)'}$$

ここで、$X = 10^{x-y}, Y = 10^{y-z}$ とおくと、指数関数の性質から $X > 0, Y > 0$ であり、(1)と(2)'より以下の式を得る。

$$X + Y = 13$$

$$XY = 36$$

解と係数の関係より、$X, Y$ は $t$ についての2次方程式

$$t^2 - 13t + 36 = 0$$

の解である。これを解くと

$$(t-4)(t-9) = 0$$

$$t = 4, 9$$

よって、$(X, Y) = (4, 9), (9, 4)$ を得る。(これらはともに正であるから条件を満たす。)

(i) $(X, Y) = (4, 9)$ すなわち $10^{x-y}=4, 10^{y-z}=9$ のとき

両辺を底を10とする常用対数にとると

$$x-y = \log_{10} 4 = 2\log_{10} 2 \cdots \text{(4)}$$

$$y-z = \log_{10} 9 = 2\log_{10} 3 \cdots \text{(5)}$$

(3)より $y = -x$ であるから、これを(4)に代入して

$$2x = 2\log_{10} 2 \iff x = \log_{10} 2$$

よって $y = -\log_{10} 2$ である。 さらに、(5)に $y$ を代入して

$$-\log_{10} 2 - z = 2\log_{10} 3 \iff z = -\log_{10} 2 - 2\log_{10} 3$$

(ii) $(X, Y) = (9, 4)$ すなわち $10^{x-y}=9, 10^{y-z}=4$ のとき

同様に両辺の常用対数をとると

$$x-y = \log_{10} 9 = 2\log_{10} 3 \cdots \text{(6)}$$

$$y-z = \log_{10} 4 = 2\log_{10} 2 \cdots \text{(7)}$$

$y = -x$ を(6)に代入して

$$2x = 2\log_{10} 3 \iff x = \log_{10} 3$$

よって $y = -\log_{10} 3$ である。 さらに、(7)に $y$ を代入して

$$-\log_{10} 3 - z = 2\log_{10} 2 \iff z = -2\log_{10} 2 - \log_{10} 3$$

以上より、条件を満たす実数の組は2組存在する。

解説

複数の変数についての「任意の〜に対して成り立つ」という条件は、特定の文字についての恒等式とみなし、係数比較に持ち込むのが定石である。今回は「任意の整数」とされているが、特定の整数値(例えば0や1)を代入することで必要条件を絞り出し、それが十分条件にもなっていることを確認すればよい。

連立方程式を導いた後は、指数法則による変形から和と積の形(基本対称式)を見出し、2次方程式の解に帰着させるという典型的な計算処理である。最後は常用対数を用いて実数 $x, y, z$ の値を求める。

答え

$(x, y, z) = (\log_{10} 2, -\log_{10} 2, -\log_{10} 2 - 2\log_{10} 3)$

$(x, y, z) = (\log_{10} 3, -\log_{10} 3, -2\log_{10} 2 - \log_{10} 3)$

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