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数学2 不等式の証明 問題 13 解説

数学2 不等式の証明 問題 13 解説

方針・初手

(1) は、不等式証明の基本である「(右辺) - (左辺) $\geqq 0$」を示す方針で計算を進める。または、関数を設定してその単調性を利用することも有効である。

(2) は、絶対値に関する三角不等式 $|p+q| \leqq |p| + |q|$ を出発点とし、(1) の結果を利用して証明する。(1) が (2) のための誘導となっていることに着目する。

解法1

(1)の証明

右辺と左辺の差を計算する。

$$\begin{aligned} \frac{q}{1+q} - \frac{p}{1+p} &= \frac{q(1+p) - p(1+q)}{(1+p)(1+q)} \\ &= \frac{q + pq - (p + pq)}{(1+p)(1+q)} \\ &= \frac{q - p}{(1+p)(1+q)} \end{aligned}$$

条件 $0 \leqq p \leqq q$ より、$q - p \geqq 0$ であり、また $1+p \geqq 1 > 0$、$1+q \geqq 1 > 0$ である。

したがって、分母は正であり分子は $0$ 以上となるため、

$$\frac{q - p}{(1+p)(1+q)} \geqq 0$$

が成り立つ。ゆえに、

$$\frac{p}{1+p} \leqq \frac{q}{1+q}$$

が示された。

(2)の証明

絶対値の性質(三角不等式)より、すべての実数 $p, q$ に対して

$$|p+q| \leqq |p| + |q|$$

が成り立つ。絶対値は $0$ 以上であるから、

$$0 \leqq |p+q| \leqq |p| + |q|$$

である。ここで、(1) で示した不等式において $p$ を $|p+q|$ に、$q$ を $|p| + |q|$ に置き換えると、次の不等式が成り立つ。

$$\frac{|p+q|}{1+|p+q|} \leqq \frac{|p|+|q|}{1+|p|+|q|}$$

次に、この不等式の右辺を二つの分数に分割して評価する。

$$\frac{|p|+|q|}{1+|p|+|q|} = \frac{|p|}{1+|p|+|q|} + \frac{|q|}{1+|p|+|q|}$$

分母について、$|q| \geqq 0$、$|p| \geqq 0$ であるから、

$$1+|p|+|q| \geqq 1+|p| > 0$$

$$1+|p|+|q| \geqq 1+|q| > 0$$

が成り立つ。分子が $0$ 以上である分数は、分母を小さくすると値は小さくならない(等しいか大きくなる)ため、

$$\frac{|p|}{1+|p|+|q|} \leqq \frac{|p|}{1+|p|}$$

$$\frac{|q|}{1+|p|+|q|} \leqq \frac{|q|}{1+|q|}$$

が成り立つ。これら辺々を足し合わせると、

$$\frac{|p|}{1+|p|+|q|} + \frac{|q|}{1+|p|+|q|} \leqq \frac{|p|}{1+|p|} + \frac{|q|}{1+|q|}$$

となる。以上より、

$$\frac{|p+q|}{1+|p+q|} \leqq \frac{|p|+|q|}{1+|p|+|q|} \leqq \frac{|p|}{1+|p|} + \frac{|q|}{1+|q|}$$

となり、

$$\frac{|p+q|}{1+|p+q|} \leqq \frac{|p|}{1+|p|} + \frac{|q|}{1+|q|}$$

が示された。

解法2

(1)の別解(関数の単調性の利用)

関数 $f(x) = \frac{x}{1+x}$ ($x \geqq 0$) を考える。

$$f(x) = \frac{(x+1)-1}{1+x} = 1 - \frac{1}{1+x}$$

$x \geqq 0$ の範囲において、$x$ の値が増加すると分母の $1+x$ も増加するため、$\frac{1}{1+x}$ の値は減少する。

したがって、$1 - \frac{1}{1+x}$ すなわち $f(x)$ の値は単調に増加する。

条件より $0 \leqq p \leqq q$ であるから、

$$f(p) \leqq f(q)$$

が成り立つ。よって、

$$\frac{p}{1+p} \leqq \frac{q}{1+q}$$

が示された。(2) の証明は解法1と同様である。

解説

(1) は単純な計算問題のように見えるが、続く (2) のための重要な布石となっている。このように前の小問の結果を利用するのは、大学入試における大問構成の定石である。

(2) では、単に三角不等式と (1) の結果を適用するだけでなく、得られた式 $\frac{|p|+|q|}{1+|p|+|q|}$ をさらに変形・評価して目標の式に到達させるテクニックが問われている。和の形になっている分子を分割し、それぞれの項について分母を少しだけ小さくすることで全体を大きくするという評価方法は、不等式証明において頻出の手法である。

答え

(1) 示された。

(2) 示された。

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