数学2 不等式の証明 問題 18 解説

方針・初手
(1)は2式の差をとり、因数分解をして符号を判定する。(2)は(1)で証明した不等式に適切な数値を代入し、目的の式の大小比較に帰着させる。
解法1
(1)
2式の差を計算する。
$$\frac{a^3+b^3}{2} - \left(\frac{a+b}{2}\right)^3 = \frac{4(a^3+b^3) - (a^3+3a^2b+3ab^2+b^3)}{8}$$
分子を整理して因数分解する。
$$\frac{3a^3 - 3a^2b - 3ab^2 + 3b^3}{8} = \frac{3}{8} \{ a^2(a-b) - b^2(a-b) \}$$
$$= \frac{3}{8} (a^2-b^2)(a-b)$$
$$= \frac{3}{8} (a+b)(a-b)^2$$
$a, b$ は正数であるから $a+b > 0$ であり、また実数の2乗は非負であるから $(a-b)^2 \ge 0$ である。
したがって、
$$\frac{3}{8} (a+b)(a-b)^2 \ge 0$$
が成り立つので、
$$\frac{a^3+b^3}{2} \ge \left(\frac{a+b}{2}\right)^3$$
であることが示された。等号が成立するのは $(a-b)^2 = 0$、すなわち $a=b$ のときである。
(2)
(1)で示した不等式の両辺に $8$ を掛けて整理すると、以下のようになる。
$$4(a^3+b^3) \ge (a+b)^3$$
ここで、$a = \sqrt[3]{\frac{3}{2}}$、$b = 1$ とおくと、$a > 0, b > 0$ であるから(1)の不等式を適用できる。さらに $a \neq b$ であるため等号は成立せず、厳密な不等号が成り立つ。
これらを代入して計算する。
$$4 \left\{ \left( \sqrt[3]{\frac{3}{2}} \right)^3 + 1^3 \right\} > \left( \sqrt[3]{\frac{3}{2}} + 1 \right)^3$$
左辺を計算すると、
$$4 \left( \frac{3}{2} + 1 \right) = 4 \times \frac{5}{2} = 10$$
したがって、
$$10 > \left( \sqrt[3]{\frac{3}{2}} + 1 \right)^3$$
両辺ともに正であるから、両辺の3乗根をとっても大小関係は変わらない。
$$\sqrt[3]{10} > \sqrt[3]{\frac{3}{2}} + 1$$
解説
本問は、(1)で証明した一般的な文字式の不等式を、(2)における具体的な数値の比較に利用する典型的な誘導問題である。(2)において、比較したい式の形から $a, b$ に何を代入すべきかを見抜くことが鍵となる。また、不等号に等号が含まれるかどうか(等号成立条件の確認)は厳密な論証において重要であり、本問では $a \neq b$ より等号が外れることを明記する必要がある。なお、(1)の不等式は関数 $y=x^3$ が $x>0$ において下に凸であることを意味している。
答え
(1) $\frac{a^3+b^3}{2} \ge \left(\frac{a+b}{2}\right)^3$ (等号成立は $a=b$ のとき)
(2) $\sqrt[3]{10} > \sqrt[3]{\frac{3}{2}} + 1$
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