数学2 不等式の証明 問題 20 解説

方針・初手
不等式の証明における基本方針を選択する。
(1) は、$x$ と $y$ が実数であるという条件から、$(\text{実数})^2 \geqq 0$ の性質を利用する。左辺を $x$ と $y$ それぞれについて平方完成し、$A^2 + B^2 \geqq 0$ の形に持ち込む。
(2) は、不等式の両辺に根号が含まれている。両辺が正であることを確認したうえで、両辺の平方の差をとり、それが $0$ 以上になることを示すのが定石である。また、条件の $x > 0, y > 0$ に着目し、相加平均と相乗平均の大小関係を利用することも考えられる。
解法1
(1)
与式の左辺を変形する。
$$ x^2 - 4x + y^2 + 2y + 5 $$
$$ = (x^2 - 4x + 4) + (y^2 + 2y + 1) $$
$$ = (x - 2)^2 + (y + 1)^2 $$
$x, y$ は実数であるから、$(x - 2)^2 \geqq 0$ かつ $(y + 1)^2 \geqq 0$ である。
よって、
$$ (x - 2)^2 + (y + 1)^2 \geqq 0 $$
となり、不等式 $x^2 - 4x + y^2 + 2y + 5 \geqq 0$ は成り立つ。
等号が成立するのは、$(x - 2)^2 = 0$ かつ $(y + 1)^2 = 0$ のときである。
すなわち、$x = 2$ かつ $y = -1$ のときである。
(2)
$x > 0, y > 0$ であるから、$\sqrt{2(x + y)} > 0$ かつ $\sqrt{x} + \sqrt{y} > 0$ である。
両辺の2乗の差を計算する。
$$ (\sqrt{2(x + y)})^2 - (\sqrt{x} + \sqrt{y})^2 $$
$$ = 2(x + y) - (x + 2\sqrt{x}\sqrt{y} + y) $$
$$ = 2x + 2y - x - 2\sqrt{xy} - y $$
$$ = x - 2\sqrt{xy} + y $$
$$ = (\sqrt{x} - \sqrt{y})^2 $$
実数の2乗は $0$ 以上であるから、$(\sqrt{x} - \sqrt{y})^2 \geqq 0$ である。
よって、
$$ (\sqrt{2(x + y)})^2 - (\sqrt{x} + \sqrt{y})^2 \geqq 0 $$
$$ (\sqrt{2(x + y)})^2 \geqq (\sqrt{x} + \sqrt{y})^2 $$
両辺ともに正であるから、平方根をとっても大小関係は変わらない。
$$ \sqrt{2(x + y)} \geqq \sqrt{x} + \sqrt{y} $$
したがって、不等式は成り立つ。
等号が成立するのは、$\sqrt{x} - \sqrt{y} = 0$ のときである。
すなわち、$x = y$ のときである(これは $x > 0, y > 0$ を満たす)。
解法2
(2) について、相加平均と相乗平均の大小関係を用いた別解を示す。
$x > 0, y > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、
$$ x + y \geqq 2\sqrt{xy} $$
が成り立つ。両辺に $x + y$ を加えると、
$$ 2(x + y) \geqq x + 2\sqrt{xy} + y $$
$$ 2(x + y) \geqq (\sqrt{x} + \sqrt{y})^2 $$
ここで、$x > 0, y > 0$ より $2(x + y) > 0$ かつ $\sqrt{x} + \sqrt{y} > 0$ である。
両辺の正の平方根をとると、
$$ \sqrt{2(x + y)} \geqq \sqrt{x} + \sqrt{y} $$
となり、不等式は成り立つ。
等号が成立するのは、相加平均と相乗平均の等号成立条件である $x = y$ のときである。
解説
不等式の証明における最も基本的なアプローチを問う問題である。
実数条件のもとで $f(x, y) \geqq 0$ を示す場合は、平方完成などを用いて $(\text{実数})^2 \geqq 0$ の和の形を作るのが第一選択となる。
また、根号を含む不等式や絶対値を含む不等式の証明では、そのまま比較することが難しいため、両辺の符号が同じ(特に正)であることを確認したうえで、両辺の2乗の差をとって $0$ 以上であることを示す手法が有効である。2乗を外す際、両辺が正であることの断りを忘れないように注意が必要である。
答え
(1)
証明は解法1の通り。
等号成立条件は $x = 2$ かつ $y = -1$ のとき。
(2)
証明は解法1、解法2の通り。
等号成立条件は $x = y$ のとき。
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