数学2 不等式の証明 問題 23 解説

方針・初手
(1) は条件式 $a+b=2$ を用いて1文字を消去し、2次関数の最大値の問題に帰着させる。あるいは、$a, b$ が実数であることを利用して、これらを解にもつ2次方程式の判別式からアプローチすることもできる。 (2) は与えられた和の条件と大小関係から $a, b$ と $1$ の大小を確定させ、その後に差をとって $ab$ との比較を行う。
解法1
(1)
$a+b=2$ より、
$$b = 2-a$$
である。これを $ab$ に代入すると、
$$ab = a(2-a) = -a^2+2a = -(a-1)^2+1$$
となる。ここで、実数の2乗は0以上であるから $(a-1)^2 \geqq 0$ であり、
$$-(a-1)^2+1 \leqq 1$$
が成り立つ。よって、
$$ab \leqq 1$$
であることが示された。等号成立は $a=1$、すなわち $a=b=1$ のときである。
(2)
条件 $0 < a < b$ と $a+b=2$ より、
$$a+a < a+b < b+b$$
すなわち、
$$2a < 2 < 2b$$
が成り立つ。各辺を2で割ると、
$$a < 1 < b$$
を得る。
次に、$ab$ と $a$ の大小を比較するために差をとる。
$$ab - a = a(b-1)$$
ここで、$a > 0$ かつ $b > 1$ であるから、$b-1 > 0$ となり、
$$a(b-1) > 0$$
すなわち $a < ab$ が成り立つ。
さらに、(1) の結果より $ab \leqq 1$ であるが、$a < b$ より $a=b=1$ とはならないため等号は成立せず、$ab < 1$ となる。
以上より、各数の大小関係は以下のようになる。
$$a < ab < 1 < b$$
解法2
(1) の別解を示す。
$a, b$ は和が $2$、積が $ab$ であるから、これらを2解とする $t$ の2次方程式は、解と係数の関係より
$$t^2 - 2t + ab = 0$$
と表される。$a, b$ は実数であるから、この2次方程式は実数解をもつ。
したがって、判別式を $D$ とすると、$D \geqq 0$ である。
$$\frac{D}{4} = (-1)^2 - 1 \cdot ab \geqq 0$$
これを解いて、
$$ab \leqq 1$$
であることが示された。
解説
(1) は2変数の不等式証明であるが、等式条件 $a+b=2$ があるため1文字を消去し、1変数の問題に帰着させるのが定石である。また、解法2のように「実数の和と積」から2次方程式の判別式 $D \geqq 0$ を用いる手法も非常に重要であり、対称式の最大・最小問題などで頻出の考え方である。
(2) は大小比較の基本である「差をとって正負を調べる」方法や、和の条件と大小関係からそれぞれの文字の範囲を絞り込む手法を用いる。$a, b$ が $1$ より大きいか小さいかを見抜くことが、論理的に比較を進める鍵となる。
答え
(1)
証明は解答の通り。
(2)
$a < ab < 1 < b$
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