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数学2 不等式の証明 問題 26 解説

数学2 不等式の証明 問題 26 解説

方針・初手

(1) 不等式の証明の基本に従い、$(\text{右辺}) - (\text{左辺}) \geqq 0$ を示す。関数 $f(x)=x^2$ を代入して展開し、条件 $p+q=1$ を用いて式を整理して、平方完成された形($(~) \geqq 0$ とわかる形)を導く。

(2) (1) の結果を利用するために、証明すべき不等式の左辺を (1) の右辺の形に見立てる。$\left(a+\frac{1}{a}\right)^2 + \left(b+\frac{1}{b}\right)^2$ を $f(x_1) + f(x_2)$ と関連付け、$p, q$ として和が $1$ となるような適切な値を設定する(ここでは $p=q=\frac{1}{2}$ が有効である)。その後、現れた式の値を評価するために、$a+b=1$ の条件と相加平均・相乗平均の大小関係を用いる。

解法1

(1) 与えられた関数は $f(x)=x^2$ である。 証明すべき不等式の $(\text{右辺}) - (\text{左辺})$ を計算する。

$$\begin{aligned} & p f(x_1) + q f(x_2) - f(px_1 + qx_2) \\ &= px_1^2 + qx_2^2 - (px_1 + qx_2)^2 \\ &= px_1^2 + qx_2^2 - (p^2x_1^2 + 2pqx_1x_2 + q^2x_2^2) \\ &= p(1-p)x_1^2 - 2pqx_1x_2 + q(1-q)x_2^2 \end{aligned}$$

ここで、条件 $p+q=1$ より、$1-p=q$、$1-q=p$ であるから、代入して整理する。

$$\begin{aligned} p(1-p)x_1^2 - 2pqx_1x_2 + q(1-q)x_2^2 &= pqx_1^2 - 2pqx_1x_2 + pqx_2^2 \\ &= pq(x_1^2 - 2x_1x_2 + x_2^2) \\ &= pq(x_1 - x_2)^2 \end{aligned}$$

条件 $p>0, q>0$ より $pq > 0$ である。 また、実数 $x_1, x_2$ に対して $(x_1 - x_2)^2 \geqq 0$ であるから、

$$pq(x_1 - x_2)^2 \geqq 0$$

したがって、$(\text{右辺}) - (\text{左辺}) \geqq 0$ が示されたので、不等式 $f(px_1+qx_2) \leqq pf(x_1)+qf(x_2)$ が成り立つ。

(2) (1) で示した不等式において、$p=\frac{1}{2}, q=\frac{1}{2}$ とすると、$p>0, q>0, p+q=1$ の条件を満たす。 また、$x_1 = a+\frac{1}{a}, x_2 = b+\frac{1}{b}$ とおく。 これらを (1) の不等式に代入すると、

$$f\left(\frac{1}{2}\left(a+\frac{1}{a}\right) + \frac{1}{2}\left(b+\frac{1}{b}\right)\right) \leqq \frac{1}{2}f\left(a+\frac{1}{a}\right) + \frac{1}{2}f\left(b+\frac{1}{b}\right)$$

$f(x)=x^2$ であるから、

$$\left( \frac{1}{2} \left( a + \frac{1}{a} + b + \frac{1}{b} \right) \right)^2 \leqq \frac{1}{2} \left(a+\frac{1}{a}\right)^2 + \frac{1}{2} \left(b+\frac{1}{b}\right)^2$$

両辺を $2$ 倍して、右辺と左辺を入れ替えると、

$$\left(a+\frac{1}{a}\right)^2 + \left(b+\frac{1}{b}\right)^2 \geqq 2 \left( \frac{1}{2} \left( a + b + \frac{1}{a} + \frac{1}{b} \right) \right)^2$$

$$\left(a+\frac{1}{a}\right)^2 + \left(b+\frac{1}{b}\right)^2 \geqq \frac{1}{2} \left( a + b + \frac{a+b}{ab} \right)^2$$

条件 $a+b=1$ を右辺の括弧内に代入すると、

$$\left(a+\frac{1}{a}\right)^2 + \left(b+\frac{1}{b}\right)^2 \geqq \frac{1}{2} \left( 1 + \frac{1}{ab} \right)^2$$

次に、$ab$ のとりうる値の範囲を考える。 $a>0, b>0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より、

$$\frac{a+b}{2} \geqq \sqrt{ab}$$

$a+b=1$ を代入すると、

$$\frac{1}{2} \geqq \sqrt{ab}$$

両辺は正であるから、両辺を $2$ 乗して、

$$\frac{1}{4} \geqq ab$$

$a>0, b>0$ より $ab>0$ であるから、$0 < ab \leqq \frac{1}{4}$ を得る。 これより、$\frac{1}{ab} \geqq 4$ が成り立つ。 したがって、

$$\frac{1}{2} \left( 1 + \frac{1}{ab} \right)^2 \geqq \frac{1}{2} (1 + 4)^2 = \frac{25}{2}$$

以上より、

$$\left(a+\frac{1}{a}\right)^2 + \left(b+\frac{1}{b}\right)^2 \geqq \frac{25}{2}$$

が成り立つことが示された。

解説

(1) は関数の式を代入して地道に計算すれば示せる基本的な問題である。この不等式は、関数 $y=x^2$ が下に凸であることを表している。

(2) は (1) の不等式をいかに適用するかが鍵となる。示すべき不等式の左辺には $2$ つの項の平方の和があるため、(1) の不等式の右辺における $f(x_1)$ と $f(x_2)$ の係数 $p, q$ を等しく $\frac{1}{2}$ に設定することでうまく形を合わせることができる。このような「和が $1$ となる重み」を利用する手法は、凸関数の性質(イェンセンの不等式)を扱う問題での典型的な発想である。 不等式を適用した後は、$a+b=1$ を利用して変数を減らし、積 $ab$ の最大値を相加平均・相乗平均の大小関係から求めることで、目的の定数にたどり着くことができる。不等式を連続して評価する論理展開を確実にマスターしておきたい。

答え

(1) 題意の不等式が成り立つことが示された。

(2) 題意の不等式が成り立つことが示された。

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