数学2 多項定理 問題 2 解説

方針・初手
多項定理を利用して一般項の式を立て、指定された文字の次数と一致する条件から、各文字を選んだ回数の組み合わせを求める。変数が $4$ 種類あるが、文字を $a$ を含むものと $b$ を含むものの $2$ つのグループに分けて二項定理を二重に用いる方法も有効である。
解法1
多項定理より、展開式の一般項は以下のようになる。
$$\frac{7!}{p!q!r!s!} a^p b^q \left(\frac{1}{a}\right)^r \left(\frac{1}{b}\right)^s$$
ただし、$p, q, r, s$ は以下の条件を満たす非負整数である。
$$p + q + r + s = 7$$
一般項を整理すると、以下のようになる。
$$\begin{aligned} \frac{7!}{p!q!r!s!} a^p b^q a^{-r} b^{-s} &= \frac{7!}{p!q!r!s!} a^{p-r} b^{q-s} \end{aligned}$$
これが $ab^2$ の項となるための条件は、次数の比較から以下のようになる。
$$\begin{cases} p - r = 1 \\ q - s = 2 \end{cases}$$
これを $p = r + 1$、$q = s + 2$ と変形し、$p + q + r + s = 7$ に代入する。
$$(r + 1) + (s + 2) + r + s = 7$$
$$2r + 2s + 3 = 7$$
$$2(r + s) = 4$$
$$r + s = 2$$
$r, s$ は非負整数であるため、これを満たす組 $(r, s)$ は $(0, 2), (1, 1), (2, 0)$ の $3$ 通りである。それぞれの場合について $p, q$ および係数を計算する。
(i) $(r, s) = (0, 2)$ のとき、$p = 1$、$q = 4$ である。 このときの係数は以下の通りである。
$$\frac{7!}{1! 4! 0! 2!} = \frac{7 \cdot 6 \cdot 5}{2 \cdot 1} = 105$$
(ii) $(r, s) = (1, 1)$ のとき、$p = 2$、$q = 3$ である。 このときの係数は以下の通りである。
$$\frac{7!}{2! 3! 1! 1!} = \frac{7 \cdot 6 \cdot 5 \cdot 4}{2 \cdot 1} = 420$$
(iii) $(r, s) = (2, 0)$ のとき、$p = 3$、$q = 2$ である。 このときの係数は以下の通りである。
$$\frac{7!}{3! 2! 2! 0!} = \frac{7 \cdot 6 \cdot 5 \cdot 4}{2 \cdot 2} = 210$$
これらは互いに排反であるから、求める係数はこれらの和となる。
$$105 + 420 + 210 = 735$$
解法2
与式を $a$ と $b$ の塊に分けて、二項定理を利用する。
$$\left( a + b + \frac{1}{a} + \frac{1}{b} \right)^7 = \left\{ \left( a + \frac{1}{a} \right) + \left( b + \frac{1}{b} \right) \right\}^7$$
二項定理より、展開式の一般項は以下のようになる。
$${}_7\mathrm{C}_k \left( a + \frac{1}{a} \right)^k \left( b + \frac{1}{b} \right)^{7-k} \quad (0 \leqq k \leqq 7)$$
$a$ の次数に関わるのは $\left( a + \frac{1}{a} \right)^k$ の部分である。この展開式の一般項は以下のようになる。
$${}_k\mathrm{C}_i a^i \left(\frac{1}{a}\right)^{k-i} = {}_k\mathrm{C}_i a^{2i-k} \quad (0 \leqq i \leqq k)$$
これが $a^1$ となるためには、$2i - k = 1$ すなわち $k = 2i - 1$ でなければならない。$k$ は $0 \leqq k \leqq 7$ を満たす奇数となるため、$k = 1, 3, 5, 7$ のいずれかである。
一方、$b$ の次数に関わるのは $\left( b + \frac{1}{b} \right)^{7-k}$ の部分である。この展開式の一般項は以下のようになる。
$${}_{7-k}\mathrm{C}_j b^j \left(\frac{1}{b}\right)^{7-k-j} = {}_{7-k}\mathrm{C}_j b^{2j-7+k} \quad (0 \leqq j \leqq 7-k)$$
これが $b^2$ となるためには、$2j - 7 + k = 2$ すなわち $2j = 9 - k$ でなければならない。
各 $k$ について条件を満たすか調べる。
(i) $k = 1$ のとき $i = 1$ であり、$2j = 8$ より $j = 4$ となる。これは $0 \leqq j \leqq 6$ を満たす。 このときの係数は以下の通りである。
$${}_7\mathrm{C}_1 \cdot {}_1\mathrm{C}_1 \cdot {}_6\mathrm{C}_4 = 7 \cdot 1 \cdot 15 = 105$$
(ii) $k = 3$ のとき $i = 2$ であり、$2j = 6$ より $j = 3$ となる。これは $0 \leqq j \leqq 4$ を満たす。 このときの係数は以下の通りである。
$${}_7\mathrm{C}_3 \cdot {}_3\mathrm{C}_2 \cdot {}_4\mathrm{C}_3 = 35 \cdot 3 \cdot 4 = 420$$
(iii) $k = 5$ のとき $i = 3$ であり、$2j = 4$ より $j = 2$ となる。これは $0 \leqq j \leqq 2$ を満たす。 このときの係数は以下の通りである。
$${}_7\mathrm{C}_5 \cdot {}_5\mathrm{C}_3 \cdot {}_2\mathrm{C}_2 = 21 \cdot 10 \cdot 1 = 210$$
(iv) $k = 7$ のとき $i = 4$ であり、$2j = 2$ より $j = 1$ となる。しかし、このとき $0 \leqq j \leqq 7-k$ すなわち $0 \leqq j \leqq 0$ を満たさないため不適である。
以上より、求める係数はこれらの和となる。
$$105 + 420 + 210 = 735$$
解説
多項定理の基本的な運用を問う問題である。一般項を立てた後に条件を立式し、変数を減らして組み合わせを網羅するという手順が典型的なアプローチである。解法1のように多項定理をそのまま適用するほうが方針としては素直であるが、式中に $a$ と $b$ の $2$ 種類の文字しか含まれないことに着目し、解法2のように二項定理を二段階で用いる方法も計算ミスを防ぎやすく見通しが良い。
答え
735
自分の記録
誤りを報告
問題文の写しミス、解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。





