数学2 多項式の割り算 問題 3 解説

方針・初手
多項式 $x^4+x^2+b$ を $x^2+ax+1$ で割った余りが $0$ になるような定数 $a, b$ の条件を求める。 アプローチとしては、「実際に多項式の割り算を実行して余りを求め、その各係数が $0$ になる条件を立てる方法」と、「商を2次式で設定し、元の式と一致するという恒等式の性質から係数比較を行う方法」の2つがある。どちらを用いても計算量は少なく、簡潔に答えを導くことができる。
解法1
$x^4+x^2+b$ を $x^2+ax+1$ で割る。商を求めていく過程を式変形で表すと次のようになる。
$$\begin{aligned} x^4 + x^2 + b &= x^2(x^2+ax+1) - ax^3 + b \\ &= x^2(x^2+ax+1) - ax(x^2+ax+1) + a^2 x^2 + ax + b \\ &= (x^2-ax)(x^2+ax+1) + a^2(x^2+ax+1) - a^3 x - a^2 + ax + b \\ &= (x^2-ax+a^2)(x^2+ax+1) + (a-a^3)x + b-a^2 \end{aligned}$$
この計算結果より、商は $x^2-ax+a^2$、余りは $(a-a^3)x + b-a^2$ であることがわかる。
$x^4+x^2+b$ が $x^2+ax+1$ で割り切れるためには、余りがすべての $x$ について $0$ とならなければならない。すなわち、余りの一次式は恒等的に $0$ である。
したがって、各係数について以下の連立方程式が成り立つ。
$$\begin{cases} a - a^3 = 0 \\ b - a^2 = 0 \end{cases}$$
第1式を解く。
$$a(1 - a^2) = 0$$
$$a(1-a)(1+a) = 0$$
よって、
$$a = 0, 1, -1$$
これらをそれぞれ第2式 $b = a^2$ に代入して、対応する $b$ の値を求める。
(i) $a = 0$ のとき
$$b = 0^2 = 0$$
(ii) $a = 1$ のとき
$$b = 1^2 = 1$$
(iii) $a = -1$ のとき
$$b = (-1)^2 = 1$$
以上より、求める定数 $a, b$ の値が定まる。
解法2
$x^4+x^2+b$ は最高次係数が $1$ の4次式であり、これを $x^2+ax+1$ で割った商も、最高次係数が $1$ の2次式となる。 そこで、商を $x^2+cx+d$ ($c, d$ は定数)とおく。 割り切れるという条件から、次の等式が $x$ についての恒等式として成り立つ。
$$x^4+x^2+b = (x^2+ax+1)(x^2+cx+d)$$
右辺を展開して $x$ について整理する。
$$\begin{aligned} (右辺) &= x^4 + cx^3 + dx^2 + ax^3 + acx^2 + adx + x^2 + cx + d \\ &= x^4 + (a+c)x^3 + (d+ac+1)x^2 + (ad+c)x + d \end{aligned}$$
両辺の各次数の係数を比較すると、以下の連立方程式を得る。
$$\begin{cases} 0 = a+c & \cdots \text{①} \\ 1 = d+ac+1 & \cdots \text{②} \\ 0 = ad+c & \cdots \text{③} \\ b = d & \cdots \text{④} \end{cases}$$
①より $c = -a$ である。これを②に代入する。
$$1 = d - a^2 + 1$$
$$d = a^2$$
これらを③に代入する。
$$0 = a \cdot a^2 + (-a)$$
$$a^3 - a = 0$$
$$a(a+1)(a-1) = 0$$
ゆえに、$a = 0, -1, 1$ を得る。
④より $b = d$ であり、$d = a^2$ であるから $b = a^2$ となる。 それぞれの $a$ の値に対して $b$ の値を求める。
(i) $a = 0$ のとき
$$b = 0^2 = 0$$
(ii) $a = 1$ のとき
$$b = 1^2 = 1$$
(iii) $a = -1$ のとき
$$b = (-1)^2 = 1$$
解説
多項式の割り算と恒等式の性質を組み合わせた、基本的な未定係数決定問題である。 「実際に割り算をして余りを $0$ とおく方法」と、「商を文字でおいて係数比較に持ち込む方法」の2つが定石であり、本問ではどちらを選んでも手間は大きく変わらない。 多項式の筆算を実行する際は、暗算で済ませようとすると符号のミスなどが起こりやすいため、解法1のように式変形を通して正確に余りを書き出すか、余白で確実に筆算を行うことが重要である。
答え
$(a, b) = (0, 0)$
$(a, b) = (1, 1)$
$(a, b) = (-1, 1)$
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