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数学2 多項式の割り算 問題 17 解説

数学2 多項式の割り算 問題 17 解説

方針・初手

割る式が $x^2-1$ という2次式であるため、求める余りは1次以下の多項式となる。したがって、余りを $ax+b$ ($a, b$ は定数)とおき、整式の除法の基本等式「(割られる式)=(割る式)×(商)+(余り)」を立てるのが定石である。

割る式が $x^2-1 = (x-1)(x+1)$ と因数分解できるため、両辺に $x=1$ および $x=-1$ を代入して連立方程式を導く方針が最も簡明である。

解法1

割る式 $x^2-1$ は2次式であるから、余りは1次以下の多項式となる。 余りを $ax+b$ ($a, b$ は実数)とおく。 商を $Q(x)$ とすると、以下の等式が成り立つ。

$$(x+1)^{12} = (x^2-1)Q(x) + ax + b$$

$$(x+1)^{12} = (x-1)(x+1)Q(x) + ax + b$$

この恒等式の両辺に $x=1$ を代入すると、

$$(1+1)^{12} = a + b$$

$$4096 = a + b \quad \cdots \text{①}$$

両辺に $x=-1$ を代入すると、

$$(-1+1)^{12} = -a + b$$

$$0 = -a + b \quad \cdots \text{②}$$

②より $a = b$ である。これを①に代入して、

$$2a = 4096$$

$$a = 2048$$

よって、$b = 2048$ となる。

したがって、求める余りは $2048x+2048$ である。

解法2

割られる式 $(x+1)^{12}$ が、割る式 $x^2-1 = (x-1)(x+1)$ の因数の一つである $x+1$ をすでに含んでいることに着目する。

$(x+1)^{12}$ を以下のように変形する。

$$(x+1)^{12} = (x+1)(x+1)^{11}$$

ここで、$(x+1)^{11}$ を $x-1$ で割ることを考える。 商を $Q_1(x)$ とすると、剰余の定理より余りは $(1+1)^{11} = 2^{11} = 2048$ となるため、

$$(x+1)^{11} = (x-1)Q_1(x) + 2048$$

と表せる。これを元の式に代入する。

$$\begin{aligned} (x+1)^{12} &= (x+1) \{ (x-1)Q_1(x) + 2048 \} \\ &= (x+1)(x-1)Q_1(x) + 2048(x+1) \\ &= (x^2-1)Q_1(x) + 2048x + 2048 \end{aligned}$$

この式は、$(x+1)^{12}$ を $x^2-1$ で割ったときの商が $Q_1(x)$、余りが $2048x+2048$ であることを示している。 余りの次数(1次)は割る式の次数(2次)より小さいため、これが求める余りである。

解法3

二項定理を用いて $(x+1)^{12}$ を展開する。

$$(x+1)^{12} = \sum_{k=0}^{12} {}_{12}\mathrm{C}_k x^k$$

任意の自然数 $m$ について、以下の恒等式が成り立つ。

$$x^{2m} - 1 = (x^2-1)(x^{2m-2} + x^{2m-4} + \cdots + 1)$$

$$x^{2m+1} - x = x(x^{2m}-1) = x(x^2-1)(x^{2m-2} + \cdots + 1)$$

これらより、$x^{2m}$ を $x^2-1$ で割った余りは $1$ であり、$x^{2m+1}$ を $x^2-1$ で割った余りは $x$ であることが分かる。 したがって、$(x+1)^{12}$ を展開した多項式を $x^2-1$ で割った余り $R(x)$ は、奇数次項の係数の和と偶数次項の係数の和を用いて次のように表せる。

$$R(x) = \left( \sum_{m=0}^5 {}_{12}\mathrm{C}_{2m+1} \right) x + \left( \sum_{m=0}^6 {}_{12}\mathrm{C}_{2m} \right)$$

ここで、二項定理より以下の2式が成り立つ。

$$(1+1)^{12} = \sum_{k=0}^{12} {}_{12}\mathrm{C}_k = 4096 \quad \cdots \text{③}$$

$$(1-1)^{12} = \sum_{k=0}^{12} {}_{12}\mathrm{C}_k (-1)^k = 0 \quad \cdots \text{④}$$

③と④の辺々を加え、2で割ることで偶数次項の和が得られる。

$$\sum_{m=0}^6 {}_{12}\mathrm{C}_{2m} = \frac{4096 + 0}{2} = 2048$$

③から④を辺々引き、2で割ることで奇数次項の和が得られる。

$$\sum_{m=0}^5 {}_{12}\mathrm{C}_{2m+1} = \frac{4096 - 0}{2} = 2048$$

これらを $R(x)$ の式に代入すると、求める余りは $2048x+2048$ となる。

解説

整式の割り算における余りを求める問題の基本形である。2次式で割った余りは $ax+b$ とおき、因数分解された割る式が $0$ になるような値を代入して連立方程式を解く解法1が、最も確実で素早いアプローチである。

解法2は、あらかじめ共通因数をくくり出すことで1次式での除算に帰着させるテクニックであり、計算量が少なく済む。 解法3の二項定理と二項係数の性質(偶数項の和と奇数項の和)を用いる方法は、より高次の場合や複雑な多項式の剰余を考える際に強力な視点となるため、理解しておくと応用が利く。

答え

$2048x+2048$

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