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数学2 多項式の割り算 問題 19 解説

数学2 多項式の割り算 問題 19 解説

方針・初手

割る式である $x^2 - 3x + 2$ が $(x-1)(x-2)$ と因数分解できることに着目する。剰余の定理を用いて $P(1)$ と $P(2)$ の値を求め、与えられた $P(x)$ の式に代入していくことで、未知数 $d, c, b, a$ を順次決定する。また、式の形から直接余りを読み取る別のアプローチも有効である。

解法1

$x^2 - 3x + 2 = (x-1)(x-2)$ である。

$P(x)$ を $(x-1)(x-2)$ で割った商を $Q(x)$ とすると、余りが $2x$ であるから、

$$P(x) = (x-1)(x-2)Q(x) + 2x$$

と表せる。この式に $x=1, 2$ を代入すると、

$$P(1) = 2 \cdot 1 = 2$$

$$P(2) = 2 \cdot 2 = 4$$

を得る。

一方で、与えられた $P(x)$ の式に $x=1, 2, 3, 0$ を順次代入する。

$$P(1) = d = 2$$

$$P(2) = c + d = 4$$

$d=2$ を代入して $c=2$ となる。

さらに、$P(3) = 4$ であるから、

$$P(3) = a \cdot 0 + b(3-1)(3-2) + c(3-1) + d = 2b + 2c + d = 4$$

$c=2, d=2$ を代入して、

$$2b + 4 + 2 = 4$$

$$2b = -2$$

$$b = -1$$

となる。

また、$P(0) = -1$ であるから、

$$P(0) = a(-1)(-2)(-3) + b(-1)(-2) + c(-1) + d = -6a + 2b - c + d = -1$$

求めた $b, c, d$ の値を代入して、

$$-6a + 2(-1) - 2 + 2 = -1$$

$$-6a - 2 = -1$$

$$a = -\frac{1}{6}$$

となる。

次に $P'(3)$ を求める。

$$P(x) = a(x-1)(x-2)(x-3) + b(x-1)(x-2) + c(x-1) + d$$

を $x$ について微分する。積の微分法を用いると、

$$P'(x) = a \{ (x-2)(x-3) + (x-1)(x-3) + (x-1)(x-2) \} + b \{ (x-2) + (x-1) \} + c$$

となる。これに $x=3$ を代入して、

$$P'(3) = a(2 \cdot 1) + b(1 + 2) + c = 2a + 3b + c$$

求めた $a, b, c$ の値を代入すると、

$$P'(3) = 2\left(-\frac{1}{6}\right) + 3(-1) + 2 = -\frac{1}{3} - 3 + 2 = -\frac{4}{3}$$

である。

解法2

$P(x)$ の式を $(x-1)(x-2)$ でくくるように変形すると、

$$P(x) = (x-1)(x-2) \{ a(x-3) + b \} + c(x-1) + d$$

となる。この式から、$P(x)$ を $(x-1)(x-2)$ で割ったときの商は $a(x-3) + b$ であり、余りは $c(x-1) + d$ であることが分かる。

問題の条件より、この余りが $2x$ であるから、次の式が $x$ についての恒等式となる。

$$c(x-1) + d = 2x$$

$$cx - c + d = 2x$$

両辺の係数を比較して、

$$c = 2$$

$$-c + d = 0$$

これより、$c = 2, d = 2$ を得る。

このとき、$P(x)$ は次のように表される。

$$P(x) = a(x-1)(x-2)(x-3) + b(x-1)(x-2) + 2x$$

条件 $P(3) = 4$ より、

$$P(3) = 0 + 2b + 6 = 4$$

$$2b = -2$$

$$b = -1$$

条件 $P(0) = -1$ より、

$$P(0) = -6a + 2b = -1$$

$b = -1$ を代入して、

$$-6a - 2 = -1$$

$$-6a = 1$$

$$a = -\frac{1}{6}$$

を得る。

$P'(3)$ の計算については解法1と同様である。

解説

与えられた多項式 $P(x)$ は、$x-1$ や $x-2$ などの積を基底とした形(ニュートンの補間多項式の形)で表されている。この形は、$x=1, 2, 3$ など因数を $0$ にする値を順次代入することで、未知数 $d, c, b, a$ を下から順に容易に決定できるという利点がある。

解法1は剰余の定理を用いて素直に値を代入していく方法である。解法2は、$P(x)$ の式の形から $(x-1)(x-2)$ で割った余りが直接 $c(x-1) + d$ として読み取れることに着目した解法であり、計算手順をやや短縮できる。

微分の計算においては、式をすべて展開してから微分するのではなく、積の微分法を利用したまま $x=3$ を代入すると、値が $0$ になって消える項が多くなるため効率よく計算できる。

答え

$a = -\frac{1}{6}$

$b = -1$

$c = 2$

$d = 2$

$P'(3) = -\frac{4}{3}$

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