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数学2 多項式の割り算 問題 33 解説

数学2 多項式の割り算 問題 33 解説

方針・初手

割る式である4次式 $x^4+x^3+x^2+x+1$ に $x-1$ を掛けると $x^5-1$ になることに着目する。 この性質を利用して、被除式 $x^{2023}-1$ の次数を大きく下げることを考える。式変形によって直接余りを求める方法と、割る式を $0$ にする複素数を代入する方法の2通りが考えられる。

解法1

$x^5-1$ は次のように因数分解できる。

$$x^5-1 = (x-1)(x^4+x^3+x^2+x+1)$$

これより、多項式 $x^5-1$ は $x^4+x^3+x^2+x+1$ を因数にもち、割り切れることがわかる。 ここで、被除式 $x^{2023}-1$ を $x^5-1$ を作り出すように式変形する。$2023 = 5 \times 404 + 3$ であるから、

$$x^{2023}-1 = x^3 \cdot x^{2020} - 1 = x^3(x^{2020}-1) + x^3 - 1$$

と変形できる。さらに $x^{2020}-1 = (x^5)^{404}-1^{404}$ であり、これは $x^5-1$ で割り切れる。商を $M(x)$ とすると、

$$x^{2020}-1 = (x^5-1)M(x)$$

と表せる。したがって、

$$\begin{aligned} x^{2023}-1 &= x^3(x^5-1)M(x) + x^3 - 1 \\ &= x^3(x-1)(x^4+x^3+x^2+x+1)M(x) + x^3 - 1 \end{aligned}$$

となる。 右辺第1項は $x^4+x^3+x^2+x+1$ で割り切れる。したがって、$x^{2023}-1$ を $x^4+x^3+x^2+x+1$ で割った余りは、$x^3-1$ を $x^4+x^3+x^2+x+1$ で割った余りに等しい。 ここで、$x^3-1$ は割る式 $x^4+x^3+x^2+x+1$ (4次式)よりも次数が低いため、これ以上割ることはできず、そのまま求める余りとなる。

解法2

整式 $x^{2023}-1$ を4次式 $x^4+x^3+x^2+x+1$ で割ったときの商を $Q(x)$、余りを $R(x)$ とすると、余りの次数は3次以下であるから、$R(x) = ax^3+bx^2+cx+d$ ($a, b, c, d$ は有理数)とおける。 よって、以下の恒等式が成り立つ。

$$x^{2023}-1 = (x^4+x^3+x^2+x+1)Q(x) + ax^3+bx^2+cx+d$$

方程式 $x^4+x^3+x^2+x+1=0$ の解の1つを $\alpha$ とおく。 両辺に $x-1$ を掛けると $x^5-1=0$ となるため、$\alpha$ は $\alpha^5=1$ かつ $\alpha \neq 1$ を満たす複素数である。 恒等式に $x=\alpha$ を代入すると、

$$\alpha^{2023}-1 = a\alpha^3+b\alpha^2+c\alpha+d$$

となる。ここで左辺の $\alpha^{2023}$ は、$2023 = 5 \times 404 + 3$ および $\alpha^5=1$ より、

$$\alpha^{2023} = (\alpha^5)^{404} \cdot \alpha^3 = 1^{404} \cdot \alpha^3 = \alpha^3$$

となる。したがって、

$$\alpha^3-1 = a\alpha^3+b\alpha^2+c\alpha+d$$

$$(a-1)\alpha^3+b\alpha^2+c\alpha+(d+1) = 0$$

が成り立つ。 ここで、$a-1, b, c, d+1$ の中に $0$ でないものが存在すると仮定すると、$\alpha$ は有理数係数の3次以下の方程式を満たすことになる。 しかし、$\alpha$ は有理数係数でこれ以上因数分解できない既約な4次方程式 $x^4+x^3+x^2+x+1=0$ の解であるため、より低次の方程式を満たすことはなく矛盾する。 したがって、係数はすべて $0$ でなければならず、

$$a-1 = 0, \quad b = 0, \quad c = 0, \quad d+1 = 0$$

となる。これを解いて $a=1, b=0, c=0, d=-1$ を得る。 よって、求める余りは $x^3-1$ である。

解説

高次式の割り算において、割る式が $x^n-1$ の因数になっていることに気づけるかが鍵となる問題である。 割る式が $x^2+x+1$ や $x^4+x^3+x^2+x+1$ などの形をしている場合は、それぞれ $x-1$ を掛けることで $x^3-1$、$x^5-1$ を作り出せるという基本事項を想起したい。 解法1のように式変形で直接導く方が記述量は少なく、論理の穴も生じにくいため推奨される。解法2のように剰余の定理と複素数を組み合わせる解法も汎用性が高く重要な考え方であるが、「$\alpha$ が3次以下の方程式を満たさないこと(係数比較の妥当性)」の記述を怠ると論理の飛躍として減点対象になり得るため注意が必要である。

答え

$x^3-1$

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