数学2 多項式の割り算 問題 34 解説

方針・初手
整式 $x^{101}-x$ を $2$ 次式 $x^2+x+1$ で割った余りを求める問題である。割る式が $x^2+x+1$ であることから、$x^3=1$ の虚数解 $\omega$ を利用するか、多項式の合同式($x^3 \equiv 1$)を利用して次数を下げるのが定石である。
解法1
$x^2+x+1=0$ の解の1つを $\omega$ とおくと、$\omega$ は虚数であり、
$$\omega^2+\omega+1=0$$
を満たす。また、両辺に $\omega-1$ を掛けることで $\omega^3-1=0$ となるため、
$$\omega^3=1$$
が成り立つ。
整式 $x^{101}-x$ を $2$ 次式 $x^2+x+1$ で割ったときの商を $Q(x)$、余りを $ax+b$ ($a, b$ は実数)とおくと、次のように表せる。
$$x^{101}-x = (x^2+x+1)Q(x) + ax+b$$
この恒等式の両辺に $x=\omega$ を代入すると、$\omega^2+\omega+1=0$ より、
$$\omega^{101}-\omega = a\omega+b$$
となる。
ここで、左辺の $\omega^{101}$ について、$101 = 3 \times 33 + 2$ であることと $\omega^3=1$ を用いて次数を下げる。
$$\omega^{101} = (\omega^3)^{33} \cdot \omega^2 = 1^{33} \cdot \omega^2 = \omega^2$$
これより、左辺は $\omega^2-\omega$ となる。さらに $\omega^2 = -\omega-1$ を代入して整理する。
$$\omega^2-\omega = (-\omega-1) - \omega = -2\omega-1$$
したがって、以下の式が得られる。
$$-2\omega-1 = a\omega+b$$
これを整理すると、
$$(a+2)\omega + (b+1) = 0$$
となる。$a, b$ は実数であり、$\omega$ は虚数であるから、
$$\begin{cases} a+2 = 0 \\ b+1 = 0 \end{cases}$$
が成り立つ。これを解いて $a=-2, b=-1$ を得る。
よって、求める余りは $-2x-1$ である。
解法2
法を $x^2+x+1$ とする多項式の合同式を用いて計算する。
$$x^2+x+1 \equiv 0 \pmod{x^2+x+1}$$
より、
$$x^2 \equiv -x-1 \pmod{x^2+x+1}$$
が成り立つ。また、$x^3-1 = (x-1)(x^2+x+1)$ であるから、
$$x^3 \equiv 1 \pmod{x^2+x+1}$$
も成り立つ。
これらを用いて $x^{101}-x$ の次数を下げていく。
$$\begin{aligned} x^{101}-x &= x^{3 \times 33 + 2} - x \\ &= (x^3)^{33} \cdot x^2 - x \end{aligned}$$
$x^3 \equiv 1$ を適用すると、
$$\begin{aligned} (x^3)^{33} \cdot x^2 - x &\equiv 1^{33} \cdot x^2 - x \\ &\equiv x^2 - x \pmod{x^2+x+1} \end{aligned}$$
さらに $x^2 \equiv -x-1$ を適用すると、
$$\begin{aligned} x^2 - x &\equiv (-x-1) - x \\ &\equiv -2x-1 \pmod{x^2+x+1} \end{aligned}$$
$-2x-1$ は $1$ 次式であり、これ以上次数を下げることはできない。
したがって、求める余りは $-2x-1$ である。
解説
「高次式を $2$ 次式で割った余り」を求める典型問題である。割る式が $x^2+x+1$(あるいは $x^2-x+1$、$x^2+1$ など)である場合は、$x^3=1$ などの関係式から次数を大幅に下げることができるため、$1$ の虚数立方根 $\omega$ の性質を利用する解法が非常に有効である。
解法1では剰余の定理の考え方を複素数に拡張して代入法を用い、解法2では割り算を合同式(余り)のまま処理した。どちらも計算量は少なく、確実に正解したい基本問題である。
答え
$-2x-1$
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