トップ 基礎問題 数学3 微分法 最大最小・解の個数 問題 12

数学3 最大最小・解の個数 問題 12 解説

数学3 最大最小・解の個数 問題 12 解説

方針・初手

与えられた関数 $f(x) = \frac{ax+b}{x^2+x+1}$ について、$x=2$ で最大値1をとるための条件を求める。分母について $x^2+x+1 = \left(x+\frac{1}{2}\right)^2 + \frac{3}{4} > 0$ であるため、この関数の定義域は実数全体である。

解法として、大きく2つのアプローチが考えられる。 1つ目は、関数を微分して増減を調べる方法である。$x=2$ で最大値をとるならば、$x=2$ で極大となるため $f'(2)=0$ が必要となる。これと $f(2)=1$ から $a, b$ の候補を求め、その値で本当に最大値が1になるか(十分性)を確認する。 2つ目は、すべての実数 $x$ において $f(x) \leqq 1$ が成り立ち、かつ $x=2$ で等号が成立するという、不等式を用いた図形的な(あるいは方程式の)見方をする方法である。分母が常に正であることを利用すれば、2次不等式の問題に帰着できる。

解法1

関数を $f(x) = \frac{ax+b}{x^2+x+1}$ とおく。

関数 $f(x)$ が $x=2$ で最大値1をとるための必要条件は、$f(2) = 1$ かつ $f'(2) = 0$ である。 まず $f(2) = 1$ より、

$$\frac{2a+b}{2^2+2+1} = 1$$

$$2a+b = 7 \quad \cdots \text{(1)}$$

次に $f(x)$ を微分すると、

$$f'(x) = \frac{a(x^2+x+1) - (ax+b)(2x+1)}{(x^2+x+1)^2}$$

$$f'(x) = \frac{ax^2+ax+a - (2ax^2+ax+2bx+b)}{(x^2+x+1)^2}$$

$$f'(x) = \frac{-ax^2-2bx+a-b}{(x^2+x+1)^2}$$

$f'(2) = 0$ であるから、分子に $x=2$ を代入して、

$$-a(2^2) - 2b(2) + a - b = 0$$

$$-3a - 5b = 0 \quad \cdots \text{(2)}$$

(1), (2) の連立方程式を解く。(1)より $b = 7-2a$ とし、これを(2)に代入する。

$$-3a - 5(7-2a) = 0$$

$$7a - 35 = 0$$

これより $a = 5$ を得る。(1)に代入して $b = 7 - 10 = -3$ となる。 したがって、求める値の候補は $a=5, b=-3$ である。

次に、このとき実際に $x=2$ で最大値1をとるかを確認する(十分性の確認)。 $a=5, b=-3$ のとき、

$$f'(x) = \frac{-5x^2+6x+8}{(x^2+x+1)^2} = \frac{-(5x+4)(x-2)}{(x^2+x+1)^2}$$

分母は常に正であるため、$f'(x)$ の符号は分子 $-(5x+4)(x-2)$ の符号と一致する。 したがって、$f'(x) = 0$ となるのは $x = -\frac{4}{5}, 2$ のときであり、$f(x)$ の増減は以下のようになる。

これより $f(x)$ は $x=2$ で極大となる。 さらに、$x \to \pm \infty$ の極限を調べると、

$$\lim_{x \to \pm\infty} f(x) = \lim_{x \to \pm\infty} \frac{5x-3}{x^2+x+1} = \lim_{x \to \pm\infty} \frac{\frac{5}{x}-\frac{3}{x^2}}{1+\frac{1}{x}+\frac{1}{x^2}} = 0$$

となるため、$x=2$ での極大値が関数全体の最大値となる。 最大値は $f(2) = \frac{10-3}{4+2+1} = 1$ となり、条件を満たす。 よって、$a=5, b=-3$ は適する。

解法2

関数 $\frac{ax+b}{x^2+x+1}$ が $x=2$ で最大値1をとるということは、すべての実数 $x$ において

$$\frac{ax+b}{x^2+x+1} \leqq 1$$

が成り立ち、かつ $x=2$ のときに等号が成立するということである。 すべての実数 $x$ に対して $x^2+x+1 = \left(x+\frac{1}{2}\right)^2 + \frac{3}{4} > 0$ であるから、不等式の両辺に $x^2+x+1$ を掛けても同値関係は保たれる。

$$ax+b \leqq x^2+x+1$$

$$x^2 + (1-a)x + 1-b \geqq 0 \quad \cdots \text{(A)}$$

条件より、すべての実数 $x$ について不等式(A)が成り立ち、かつ $x=2$ のときのみ等号が成立する。 これは、2次方程式 $x^2 + (1-a)x + 1-b = 0$ が $x=2$ を重解にもつことと同値である。 したがって、左辺は $(x-2)^2$ と恒等的に等しくならなければならない。

$$x^2 + (1-a)x + 1-b = (x-2)^2$$

$$x^2 + (1-a)x + 1-b = x^2 - 4x + 4$$

両辺の係数を比較して、

$$\begin{cases} 1-a = -4 \\ 1-b = 4 \end{cases}$$

これを解いて、$a=5, b=-3$ を得る。 このとき不等式(A)は $(x-2)^2 \geqq 0$ となり、確かにすべての実数 $x$ で成り立ち、等号成立は $x=2$ のみであるから、条件を満たす。

解説

分数関数の最大・最小を扱う典型的な問題である。 解法1のように微分を用いるのが標準的なアプローチだが、微分して極値をとる条件($f'(x)=0$)はあくまで「必要条件」であることに注意したい。求めた係数の値を用いて元の関数を決定し、増減を調べて本当に最大値となるかを確かめる「十分性の確認」が不可欠である。特に $x \to \pm \infty$ の極限を調べ、極大値が最大値と一致することを確認するプロセスを忘れないようにしたい。

一方、解法2は本問の関数が「1次式 / 2次式」の形をしていること、そして分母が常に正であることを巧みに利用したエレガントな解法である。最大値を「すべての $x$ で $f(x) \leqq 1$ が成り立ち、等号が $x=2$ で成立する」と言い換えることで、直ちに2次関数の問題に帰着させることができる。微分計算や増減表の作成、極限の確認といった手間を省けるため、実戦において非常に有効な手法である。

答え

$a=5, b=-3$

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