トップ 大阪大学 2025年 理系 第2問

大阪大学 2025年 理系 第2問 解説

数学3/微分法数学2/図形と式テーマ/軌跡・領域テーマ/最大・最小
大阪大学 2025年 理系 第2問 解説

方針・初手

(1) は、関数 $f(x)$ が極値をもつ条件を確認したうえで、$f'(x)=0$ の解である $\alpha, \beta$ の関係を解と係数の関係から導く。極値の差 $f(\alpha) - f(\beta)$ は、定積分 $\int_{\alpha}^{\beta} f'(x) dx$ を計算するか、$f(x)$ を $f'(x)$ の定数倍で割った余りを利用して次数下げを行うと計算がスムーズに進む。

(2) は、(1) で求めた式を $f(\alpha) - f(\beta) = 4$ に代入して $p$ と $m$ の関係式を導く。その後、$f''(x) = 0$ から変曲点の座標 $(x, y)$ を $p, m$ で表し、$p$ と $m$ を消去して軌跡の方程式を求める。

解法1

(1)

$f(x) = x^3 + 3px^2 + 3mx$ を微分すると、

$$ f'(x) = 3x^2 + 6px + 3m = 3(x^2 + 2px + m) $$

$f(x)$ が $x=\alpha$ で極大値、$x=\beta$ で極小値をとることから、2次方程式 $x^2 + 2px + m = 0$ は $\alpha, \beta$ を2つの異なる実数解にもち、かつ $\alpha < \beta$ である。

判別式を $D$ とすると、$D/4 = p^2 - m > 0$ である。

解と係数の関係より、

$$ \alpha + \beta = -2p $$

$$ \alpha\beta = m $$

であるから、$\beta - \alpha$ は次のように計算できる。

$$ \beta - \alpha = \sqrt{(\alpha+\beta)^2 - 4\alpha\beta} = \sqrt{4p^2 - 4m} = 2\sqrt{p^2-m} $$

極値の差 $f(\alpha) - f(\beta)$ は、導関数の定積分を用いて次のように表せる。

$$ f(\beta) - f(\alpha) = \int_{\alpha}^{\beta} f'(x) dx $$

$$ = \int_{\alpha}^{\beta} 3(x-\alpha)(x-\beta) dx $$

$$ = 3 \left( -\frac{1}{6} \right) (\beta-\alpha)^3 $$

$$ = -\frac{1}{2} (\beta-\alpha)^3 $$

両辺に $-1$ をかけて、

$$ f(\alpha) - f(\beta) = \frac{1}{2} (\beta-\alpha)^3 $$

ここで、$\beta - \alpha = 2\sqrt{p^2-m}$ を代入すると、

$$ f(\alpha) - f(\beta) = \frac{1}{2} \left( 2\sqrt{p^2-m} \right)^3 = 4(p^2-m)^{\frac{3}{2}} $$

(2)

(1) の結果より、$f(\alpha) - f(\beta) = 4$ であるから、

$$ 4(p^2-m)^{\frac{3}{2}} = 4 $$

$$ (p^2-m)^{\frac{3}{2}} = 1 $$

$$ p^2 - m = 1 $$

このとき $p^2 - m > 0$ を満たすので、関数が極値をもつ条件は常に成立する。また、これを $m$ について解くと、

$$ m = p^2 - 1 $$

となる。次に、曲線 $y=f(x)$ の変曲点を求める。

$$ f''(x) = 6x + 6p = 6(x+p) $$

$f''(x) = 0$ とすると $x = -p$ であり、この前後で $f''(x)$ の符号が変化するため、$x = -p$ は変曲点を与える。

変曲点の $y$ 座標は、

$$ y = f(-p) = (-p)^3 + 3p(-p)^2 + 3m(-p) = 2p^3 - 3pm $$

ここに $m = p^2 - 1$ を代入すると、

$$ y = 2p^3 - 3p(p^2 - 1) = -p^3 + 3p $$

変曲点の座標を $(X, Y)$ とおくと、

$$ X = -p $$

$$ Y = -p^3 + 3p $$

となる。$p$ がすべての実数値をとって動くとき、$X$ もすべての実数値をとる。

上の2式からパラメータ $p$ を消去するため、$p = -X$ を $Y$ の式に代入する。

$$ Y = -(-X)^3 + 3(-X) = X^3 - 3X $$

したがって、求める軌跡は曲線 $y = x^3 - 3x$ である。

解法2

(1) の別解

極値の計算において、割り算による次数下げを用いる。

$f'(x) = 0$ すなわち $x^2 + 2px + m = 0$ の解が $\alpha, \beta$ であるから、$\alpha^2 + 2p\alpha + m = 0$ および $\beta^2 + 2p\beta + m = 0$ が成り立つ。

$f(x)$ を $x^2 + 2px + m$ で割ると、商が $x+p$、余りが $2(m-p^2)x - pm$ となる。すなわち、

$$ f(x) = (x^2 + 2px + m)(x + p) + 2(m-p^2)x - pm $$

が成り立つ。ここに $x = \alpha, \beta$ をそれぞれ代入すると、

$$ f(\alpha) = 2(m-p^2)\alpha - pm $$

$$ f(\beta) = 2(m-p^2)\beta - pm $$

となる。辺々を引くと、

$$ f(\alpha) - f(\beta) = 2(m-p^2)(\alpha - \beta) $$

$$ = -2(p^2-m)(\alpha - \beta) $$

$$ = 2(p^2-m)(\beta - \alpha) $$

解法1と同様に $\beta - \alpha = 2\sqrt{p^2-m}$ であるから、これを代入して、

$$ f(\alpha) - f(\beta) = 2(p^2-m) \cdot 2\sqrt{p^2-m} = 4(p^2-m)^{\frac{3}{2}} $$

(2) の解答は解法1と同じであるため省略する。

解説

3次関数の極値の差 $f(\alpha) - f(\beta)$ は、定積分 $\int_{\alpha}^{\beta} f'(x) dx$ を計算することでスムーズに求まる。いわゆる $\frac{1}{6}$ 公式を利用する典型的な処理である。

解法2で示した「$f'(x)$ の定数倍で割る次数下げ」も、極値の計算で頻出の工夫である。$x=\alpha$ が方程式 $x^2+2px+m=0$ の解であることを利用して、3次式である $f(\alpha)$ を1次式に下げることができる。

(2) は、与えられた条件式から文字を減らし、軌跡の定石通りに動点を $(X,Y)$ と置いて媒介変数 $p$ を消去すればよい。その際、前提となる「極値をもつための条件($p^2-m>0$)」を満たしているかの確認を忘れないようにしたい。

答え

(1)

$$ f(\alpha) - f(\beta) = 4(p^2-m)^{\frac{3}{2}} $$

(2)

$$ y = x^3 - 3x $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。