トップ 東京大学 2002年 理系 第4問

東京大学 2002年 理系 第4問 解説

数学3/微分法テーマ/接線・法線テーマ/最大・最小テーマ/存在証明
東京大学 2002年 理系 第4問 解説

方針・初手

点 $Q$ における接線と直線 $PQ$ が直交するという条件は、点 $Q$ における $C$ の法線が点 $P$ を通ることと同値である。 点 $Q$ の $x$ 座標を $t$ とおき、法線の方程式を立てて $P(0, a)$ を代入することで、$a$ と $t$ の関係式を導く。 題意を満たす点 $Q$ が原点以外に存在することは、導かれた $t$ の方程式が $t \neq 0$ なる実数解をもつことと同値になるため、この関数の値域を調べる。

解法1

関数 $f(x) = \frac{x^2}{x^2 + 1}$ を微分すると、

$$ f'(x) = \frac{2x(x^2 + 1) - x^2 \cdot 2x}{(x^2 + 1)^2} = \frac{2x}{(x^2 + 1)^2} $$

となる。$C$ 上の点 $Q$ の座標を $(t, f(t))$ とおく。 原点 $O(0, 0)$ 以外の点であるから、$t \neq 0$ である。 このとき $f'(t) \neq 0$ であり、点 $Q$ における接線の傾きは $\frac{2t}{(t^2 + 1)^2}$ となる。

点 $Q$ における接線が直線 $PQ$ と直交するという条件は、直線 $PQ$ が点 $Q$ における $C$ の法線であることと同値である。 したがって、点 $Q$ における法線が点 $P(0, a)$ を通る。 点 $Q$ における法線の傾きは $-\frac{(t^2 + 1)^2}{2t}$ であるから、法線の方程式は

$$ y - \frac{t^2}{t^2 + 1} = -\frac{(t^2 + 1)^2}{2t}(x - t) $$

となる。これが点 $P(0, a)$ を通るので、$x = 0, y = a$ を代入して、

$$ a - \frac{t^2}{t^2 + 1} = -\frac{(t^2 + 1)^2}{2t}(0 - t) $$

$$ a = \frac{t^2}{t^2 + 1} + \frac{(t^2 + 1)^2}{2} $$

を得る。題意を満たす点 $Q$ が存在するための条件は、この $t$ についての方程式が $t \neq 0$ なる実数解をもつことである。

ここで、$t^2 + 1 = X$ とおく。 $t \neq 0$ より $t^2 > 0$ であるから、$X > 1$ である。 また、$\frac{t^2}{t^2 + 1} = \frac{X - 1}{X} = 1 - \frac{1}{X}$ と表せる。 これを用いて $a$ を $X$ の関数として表し、それを $g(X)$ とおくと、

$$ g(X) = 1 - \frac{1}{X} + \frac{X^2}{2} \quad (X > 1) $$

となる。$a = g(X)$ が $X > 1$ の範囲に実数解をもつような $a$ の範囲を求めればよい。 $g(X)$ を $X$ で微分すると、

$$ g'(X) = \frac{1}{X^2} + X $$

$X > 1$ において $g'(X) > 0$ であるから、$g(X)$ は単調に増加する。 また、$X \to 1+0$ のときの極限は、

$$ \lim_{X \to 1+0} g(X) = 1 - 1 + \frac{1}{2} = \frac{1}{2} $$

であり、$X \to \infty$ のときは、

$$ \lim_{X \to \infty} g(X) = \infty $$

となる。 したがって、関数 $g(X)$ の値域は $g(X) > \frac{1}{2}$ である。

ゆえに、求める $a$ の範囲は $a > \frac{1}{2}$ である。

解法2

点 $Q$ の座標を $(t, f(t))$ とおく。$Q$ は原点ではないので $t \neq 0$ である。 $C$ 上の点 $(x, f(x))$ における接線方向のベクトルは $\vec{v} = (1, f'(x))$ と表せる。 点 $Q$ において、$\vec{v} = \left(1, \frac{2t}{(t^2 + 1)^2}\right)$ である。

また、ベクトル $\vec{PQ}$ は、

$$ \vec{PQ} = (t - 0, f(t) - a) = \left(t, \frac{t^2}{t^2 + 1} - a\right) $$

である。 $Q$ における $C$ の接線と直線 $PQ$ が直交する条件は、$\vec{v} \cdot \vec{PQ} = 0$ であるから、

$$ 1 \cdot t + \frac{2t}{(t^2 + 1)^2} \left( \frac{t^2}{t^2 + 1} - a \right) = 0 $$

$t \neq 0$ より両辺を $t$ で割ると、

$$ 1 + \frac{2}{(t^2 + 1)^2} \left( \frac{t^2}{t^2 + 1} - a \right) = 0 $$

これを $a$ について解くと、

$$ \frac{t^2}{t^2 + 1} - a = -\frac{(t^2 + 1)^2}{2} $$

$$ a = \frac{t^2}{t^2 + 1} + \frac{(t^2 + 1)^2}{2} $$

となり、解法1と同じ方程式が得られる。 したがって解法2からも同様に、求める $a$ の範囲は

$$ a > \frac{1}{2} $$

となる。

解説

「曲線の接線とある直線が直交する」という条件を「法線が特定の点を通る」と言い換えるか、あるいは方向ベクトルの内積が $0$ になるという条件で立式するかがポイントである。 いずれの解法でも、最終的には媒介変数 $t$ に関する方程式の実数解の存在条件に帰着される。 方程式を導いた後は、適宜文字を置き換えて式を簡略化すると見通しが良くなる。本問では $X = t^2 + 1$ とおくことで微分の計算が飛躍的に簡単になり、関数の増減を容易に調べることができる。

答え

$$ a > \frac{1}{2} $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。