東北大学 2024年 理系 第5問 解説

方針・初手
まず微分して、導関数の符号を支配する関数 $g(x)$ を取り出す。
そのあと $g'(x)$ を調べると、$g(x)$ が単調減少であることが分かるので、$g(x)=0$ の解の個数が決まる。これにより $f(x)$ の増減も確定する。
最後の整数問題は
$$ (2m-3)^n=(2n-3)^m $$
の両辺の対数を取って
$$ \frac{\log(2m-3)}{m}=\frac{\log(2n-3)}{n} $$
すなわち $f(m)=f(n)$ に持ち込めば、(3) の増減結果をそのまま使える。
解法1
(1) $g(x)$ を求める
$$ f(x)=\frac{\log(2x-3)}{x} $$
であるから、商の微分法より
$$ f'(x) =\frac{x\cdot \dfrac{2}{2x-3}-\log(2x-3)}{x^2}. $$
分母をそろえると
$$ f'(x) =\frac{2x-(2x-3)\log(2x-3)}{x^2(2x-3)}. $$
したがって
$$ g(x)=2x-(2x-3)\log(2x-3) $$
である。
(2) $g(x)=0$ を満たす $2$ 以上の実数 $\alpha$ がただ1つ存在することを示す
(1) で得た
$$ g(x)=2x-(2x-3)\log(2x-3) $$
を微分すると
$$ g'(x) =2-\left(2\log(2x-3)+2\right) =-2\log(2x-3). $$
ここで $x\geqq 2$ ならば $2x-3\geqq 1$ であるから
$$ \log(2x-3)\geqq 0 $$
となる。よって
$$ g'(x)\leqq 0 \qquad (x\geqq 2) $$
であり、特に $x>2$ では $g'(x)<0$ なので、$g(x)$ は $[2,\infty)$ で単調減少である。
次に符号を調べる。
まず
$$ g(3)=6-3\log 3. $$
$e>2$ より $e^2>4>3$ だから $\log 3<2$ であり、
$$ g(3)=6-3\log 3>0. $$
一方、
$$ g(6)=12-9\log 9. $$
また $2<e<3$ より $\log 3>1$ であるから
$$ \log 9=2\log 3>2 $$
となり、
$$ g(6)=12-9\log 9<12-18=-6<0. $$
したがって連続性より、区間 $(3,6)$ に $g(\alpha)=0$ を満たす $\alpha$ が少なくとも1つ存在する。
しかも $g(x)$ は単調減少であるから、そのような $\alpha$ はただ1つである。
よって
$$ 3<\alpha<6 $$
を満たす実数 $\alpha$ がただ1つ存在する。
(3) $f(x)$ の増減・極限・グラフ
$x\geqq 2$ では
$$ x^2(2x-3)>0 $$
であるから、$f'(x)$ の符号は $g(x)$ の符号と一致する。
(2) より $g(x)$ は $x=\alpha$ を境に
- $2\leqq x<\alpha$ で $g(x)>0$
- $x=\alpha$ で $g(x)=0$
- $x>\alpha$ で $g(x)<0$
となる。よって
- $f(x)$ は $[2,\alpha]$ で増加
- $f(x)$ は $[\alpha,\infty)$ で減少
である。
したがって $x=\alpha$ で極大値をとる。その値は
$$ f(\alpha)=\frac{\log(2\alpha-3)}{\alpha} $$
である。
さらに $g(\alpha)=0$ すなわち
$$ 2\alpha=(2\alpha-3)\log(2\alpha-3) $$
より
$$ \log(2\alpha-3)=\frac{2\alpha}{2\alpha-3} $$
なので、
$$ f(\alpha)=\frac{2}{2\alpha-3} $$
とも表せる。
次に端の値と極限を調べる。
$$ f(2)=\frac{\log 1}{2}=0. $$
また $x>2$ ならば $2x-3>1$ であるから $\log(2x-3)>0$、したがって $f(x)>0$ である。よって $x=2$ で最小値 $0$ をとる。
最後に極限を求める。$t=2x-3$ とおくと $x=\dfrac{t+3}{2}$ であり、$x\to\infty$ のとき $t\to\infty$ であるから
$$ f(x) =\frac{\log(2x-3)}{x} =\frac{\log t}{(t+3)/2} =\frac{2\log t}{t+3} =\frac{2t}{t+3}\cdot \frac{\log t}{t}. $$
ここで
$$ \lim_{t\to\infty}\frac{2t}{t+3}=2,\qquad \lim_{t\to\infty}\frac{\log t}{t}=0 $$
より
$$ \lim_{x\to\infty}f(x)=0. $$
以上から、グラフ $y=f(x)$ $(x\geqq 2)$ は
- 点 $(2,0)$ を通る
- $x=\alpha$ まで単調増加する
- $x=\alpha$ で極大値をとる
- その後は単調減少する
- $x\to\infty$ で $y\to 0$
という形になる。特に $x>2$ では常に $f(x)>0$ であるから、$x$ 軸と交わるのは $(2,0)$ のみである。
(4) 整数の組 $(m,n)$ をすべて求める
条件
$$ (2m-3)^n=(2n-3)^m $$
の両辺の対数を取ると
$$ n\log(2m-3)=m\log(2n-3) $$
であるから、
$$ \frac{\log(2m-3)}{m}=\frac{\log(2n-3)}{n} $$
すなわち
$$ f(m)=f(n) $$
となる。
ここで (2), (3) より $3<\alpha<6$ であり、$f$ は $[2,\alpha]$ で増加、$[\alpha,\infty)$ で減少する。
まず
$$ f(3)=\frac{\log 3}{3},\qquad f(6)=\frac{\log 9}{6}=\frac{2\log 3}{6}=\frac{\log 3}{3} $$
なので
$$ f(3)=f(6) $$
であり、$(m,n)=(3,6)$ は条件を満たす。
以下、これ以外にないことを示す。
(i)
$m=2$ のとき
$$ f(2)=0 $$
であるが、$n>2$ なら $f(n)>0$ なので不可能である。
(ii)
$m=3$ のとき
$f(3)=f(6)$ である。また $x>\alpha$ では $f$ は単調減少であるから、方程式 $f(x)=f(3)$ は $x>\alpha$ でただ1つの解しかもたない。その解が $x=6$ であるから、
$$ n=6 $$
しかない。
(iii)
$m=4$ のとき
$n=5$ なら
$$ f(4)=\frac{\log 5}{4},\qquad f(5)=\frac{\log 7}{5}. $$
ここで
$$ f(4)>f(5) \iff 5\log 5>4\log 7 \iff 5^5>7^4, $$
しかも
$$ 5^5=3125,\qquad 7^4=2401 $$
だから $f(4)>f(5)$ である。よって $n=5$ は不可能。
また $n\geqq 6$ なら、$f$ は $[6,\infty)$ で単調減少であり、しかも $4\in(3,6)$ だから
$$ f(4)>f(6). $$
したがって
$$ f(n)\leqq f(6)<f(4) $$
となり不可能である。
(iv)
$m=5$ のとき
$5\in(3,6)$ であるから
$$ f(5)>f(6). $$
また $n\geqq 6$ なら
$$ f(n)\leqq f(6)<f(5) $$
となるので不可能である。
(v)
$m\geqq 6$ のとき
$f$ は $[6,\infty)$ で単調減少であるから、$n>m$ なら
$$ f(n)<f(m) $$
となり不可能である。
以上より、条件を満たす組は
$$ (m,n)=(3,6) $$
のみである。
解説
この問題の核心は、微分して得られる
$$ g(x)=2x-(2x-3)\log(2x-3) $$
の単調性を見ることである。$g'(x)=-2\log(2x-3)$ となるため、$x\geqq 2$ では $g$ が単調減少であることが一気に分かる。これにより $g(x)=0$ の解の一意性が確定し、そのまま $f$ の増減が決まる。
(4) は別問題に見えるが、実際には
$$ (2m-3)^n=(2n-3)^m \iff \frac{\log(2m-3)}{m}=\frac{\log(2n-3)}{n} $$
と変形すると、(3) で調べた関数 $f(x)$ の値が等しいというだけの話になる。前半の解析結果を後半にそのまま流用するのがこの問題の狙いである。
答え
$$ g(x)=2x-(2x-3)\log(2x-3) $$
である。
$g(x)=0$ を満たす $2$ 以上の実数 $\alpha$ はただ1つ存在し、
$$ 3<\alpha<6 $$
である。
$f(x)$ は
- $[2,\alpha]$ で増加
- $[\alpha,\infty)$ で減少
する。最小値は $x=2$ で
$$ f(2)=0, $$
極大値は $x=\alpha$ で
$$ f(\alpha)=\frac{\log(2\alpha-3)}{\alpha} =\frac{2}{2\alpha-3} $$
である。また
$$ \lim_{x\to\infty}f(x)=0 $$
である。
さらに
$$ (2m-3)^n=(2n-3)^m,\qquad 2\leqq m<n $$
を満たす整数の組は
$$ (m,n)=(3,6) $$
のみである。
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